すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

ジェスロ・タルでタイムスリップした渋谷の夜

2005-05-15 03:09:43 | 音楽
 渋谷公会堂でジェスロ・タルを観てきた。1曲目が始まるなり、イアン・アンダーソンの声の枯れ具合にびっくり。んー、かなり張りがなくなってるなあ。でもまあいい年だしなあ。あとドラムが倍テンでごまかしててもどかしいぞ。イクときはイケよ。

 そんなことを考えながら聞いてるうちに、コンサートは中盤にさしかかる。するとじわじわとバンドのボルテージが上がり、前半と同じメンバーが演奏してるとは思えないほど演奏がアグレッシブになった。ライブのよさだな、これは。

 以前のエントリーで書いたように、チケットを買った時点ではいろいろあったがやっぱり観てハマった。この日はアルバム「アクアラング」(1971年)を全曲演奏したのだが、あれを聴いていた高校時代が頭の中でぐるぐる回る約2時間だった。「クロス・アイド・マリー」には泣けました。

 会場にはオールドファンらしき人が多く、特に30~40代くらいの女性が目立ったのがちと意外だった。ジェスロ・タルって案外女性ファン多いのね。サラリーマン風のおじさんたちも程よく出来上がっていて(謎)、たどたどしくリズムを取る姿がほほえましい。なんだか同じ時代を共有してたんだなあ、と熱いものが……。

 しかしジェスロ・タルはもう、アンプラグドに切り替えたほうがいいと思う。アコースティックないい曲をたくさんもってるし。なによりバックがエレクトリックになると、イアンの声が負けてしまうのだ。だがアコースティックならまだまだあの声はいけるし、説得力もある。さて、どうなんだろうか。

 それともうひとつ感じたのは、やっぱりイギリスの音だなあってこと。イギリスのバンドったって音楽性はいろいろなわけだが、どこか共通してるのだ。ちょっと屈折してて、アメリカみたいなノーテンキで大陸性の土地では絶対に生まれないカルチャーというか。

 似たようなことは以前青森へ旅行したとき、地元で有名な津軽三味線のライブハウス「山唄」へ寄って感じた。あの音って、太陽がさんさんと降り注ぐジャマイカじゃ絶対に生まれないよな。やっぱこう、寒くて自然がキビシくて、「つらくないと出てこない音」っていうか(笑)。ちょうどイギリスの音もそんな感じだ。

 コンサートが終わり、ロビーへ出るとTシャツやらCD、DVDが山積みされている。

 さっそくTシャツを買い、CDを物色したがほとんどもってるからなあ。ワイト島のDVDは買いそうになったがグッとがまんした。とにかくほっとくとなんでも買っちゃう勢いなのだ。

 でも帰ってからアマゾンで買うんだろうなあ、わし。いまDVDドライブが壊れてるから、これ買っちゃったらドライブも買わなきゃなんないんだよ。んー、ま、いいか。ドライブはどうせいるし。ってやっぱ、業界に食い物にされてる気が……。

 外へ出ると、なんと渋谷公会堂の真ん前でフルート吹いてるおっさん発見(笑)。いやイアンみたいに片足は上げてなかったが。熱心だねえ。しかもけっこううまくて、ウケてるんだなこれが。しばし鑑賞し、警備員に追い出されて街の通りへ。

 小雨の中を渋谷駅へ歩きながら、「クロス・アイド・マリー」を口ずさむ。また高校時代の自分が蘇ってくる。音楽ってある意味、それを聞いてた時代や場所にタイムスリップさせる空間移動機なんだな、きっと。

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コメント (29)    この記事についてブログを書く
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29 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TBありがとうございました (ゆうけい)
2005-05-15 11:04:58
 松岡さんはじめまして。TBありがとうございました。ジェスロ・タル元気だったようで何よりです。イアンもちゃんと片足あげて吹けたそうですが、そうですか、やはり声量は落ちているんですね。
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ゆうけいさん、こんにちは (松岡美樹@管理人)
2005-05-15 14:18:18
ゆうけいさん、初めまして。はい、足上げ比率は昔よりは落ちていましたが、元気でした(笑)。声の張りはまあ、しかたないと思います。老化しない人間はいないですしね。それではまた。
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TBありがとうございます (ブルーズマン)
2005-05-15 14:24:39
松岡さん、はじめまして。

ジェスロ・タル来日していたんですね。

連休中はクリームの再結成情報で盛り上がっていたものですから、全くノーマークでした。

こちらからも、またTBさせていただきますね。

今後とも、よろしくお願いします!!
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はい、来日してたんです(笑) (松岡美樹@管理人)
2005-05-15 16:06:13
ブルーズマンさん、こんにちは。はい、来日してたんです、ジェスロ・タル(笑)。クリームの再結成はびっくりでしたね。クラプトンは昔みたいなトンガったギター弾けるのか? って心配しましたけど(^^; またよろしくです!
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TBありがとうございました (路傍の石)
2005-05-16 00:09:11
「帝都熱烈音盤解放戦線」からやってきました。

いやあ、本当にこれぞ英国!!って音を出してましたね。

ステージ進行のめくるめく展開も本当に楽しめましたね。

おぢさんには、やっぱりこういう音が必要なんだ(笑)。
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路傍の石さん、こんばんは (松岡美樹@管理人)
2005-05-16 00:15:40
ですねー(^-^) ステージングには、イギリスっぽいユーモアもありましたし。おぢさんは大好きです、こういうの(笑) ではまたよろしくお願いします!
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はじめまして (francofrehley)
2005-05-16 09:59:42
Progressive Cafeのfrancofrehleyです、TBありがとうございました



アクアラング全曲演奏の日に行かれたんですね、羨ましいです

私は平日なので仕事の関係上断念しました

音楽仲間も多数観に行っているので色々話を聴いているところです



>やっぱりイギリスの音だなあってこと

本当にそうですね



おっしゃるように「Song From The Wood」あたりのアコースティックでトラッドな作品群を今後取り上げていくのは無理の無い活動かもしれません

それでも続けてくれていることだけでもありがたい存在です
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francofrehleyさん、こんにちは (松岡美樹@管理人)
2005-05-16 17:38:17
あー、平日でしたからね。演奏は前半、ドラムのノリがちょっと気になりました。16ビートの人なのかな、みたいな。や、うまいんですけど。「ためる」系の感じで、もっと突っ込んでほしい気がしましたね。どうもオリジナルの演奏が耳に焼き付いてるもんで…(^^; でも中盤以降はガーン、と行ってバン!と終わりました(なんのこっちゃ)。タルのアコースティックな曲、いいですよね。ライブでも鍵盤と歌+フルートだけになった曲は、昔とほとんど変わりない印象でした。まあエレクトリックな曲を完全にやめちゃう、ってのもさみしいですが…(^^; それではまた♪
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こんばんは (j-tull)
2005-05-16 22:35:35
アンプラグドはIan Andersonはソロのほうでやってます。

アコースティックはソロ、エレクトリックはTULLという彼なりの境界線があるらしいです。

欧州ではオーケストラを連れたりして結構大掛かりなソロツアーをやってます。

日本では・・・無理かな。
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アコースティック・ライブ (axis_009)
2005-05-16 22:49:27
>アコースティックないい曲をたくさんもってるし

以前ユーライア・ヒープのアコースティック・ライブ(!)にイアン・アンダーソンがゲストで出演している映像を見たんですが、なかなか良い感じでしたよ。

まぁ、何故ユーライア・ヒープがアコースティック・ライブを?というのはさておき。
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