すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【第2次森保ジャパン】日本人の「カウンター嫌悪症」は解消されたか【6月シリーズ】

2023-06-28 09:15:51 | サッカー日本代表
人々に支持された6月シリーズ

 日本代表がエルサルバドル、ペルーと対戦した6月シリーズを観て、大御所サッカージャーナリストから一般人までがこぞって「いままでの日本代表の中でいちばんいい」と感嘆の声を上げていた。

 これは日本がボールを奪ってからの、パスの繋ぎとフィニッシュが鮮やかだったからだ。

 逆にいえばそこに目を奪われ、そのプレーの多くがショートカウンターだったことを人々は忘れている。もしくは認知していなかった。

 ひとことでいえば、これは日本人の「カウンター嫌悪症」が直ったことを意味しているのだろうか?

意味のない二元論があったが……

 ひと昔前には、「カウンターか? ポゼッションか?」などという意味のない二元論の議論がエンエンと成された。

 そこで頑強に主張されたのが、「日本はポゼッションサッカーを目ざすべきだ」という意見だった。

 そして、かつてハリルホジッチ氏が監督になり、いまの森保監督とまったく同じく「縦に速く」と主張してカウンターサッカーを推進した。そのときには、ショートカウンターにアレルギー反応を示す人々が結構いた。

 それがいま、第2次森保ジャパンのショートカウンターで勝つサッカーを観て、快哉を叫んでいる。

 不思議な現象だ。

カウンターを観て快哉を叫ぶ理由とは?

 いったいなぜか?

 それは日本代表のボールを奪ってからのパスの繋ぎが見事だったこと。そしてフィニッシュが鮮烈だったからだろう。

 またポジティブ・トランジションが素晴らしく速かった点(だから「カウンターであること」を意識させなかった)。加えて監督が日本人だったことも一因だろう。

 つまり大きくはカウンターか? ポゼッションか? で主張は割れていても、実はパスを繋ぐことでは意見は一致していたのだ、と見ることもできる。

 要は攻撃のきっかけがプレッシングからボールを奪ったこと、つまりカウンターだったとしても、その後のパスの繋ぎとフィニッシュが素晴らしければ人々は「イエス」と言うのだ。

 表面的にはカウンターか? ポゼッションか? などと議論していても、後者のポゼッションとは単に「ボールを保持せよ」という意味ではなく、むしろ「意味のあるパスを鮮やかに繋ぐこと」だと解釈すれば合点が行く。

 ゆえに第2次森保ジャパンがショートカウンターからパスを繋いで勝っても、人々は賛意を示すのだろう。

 そういうことなのだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする