松実ブログ

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理屈じゃない何か

2009年12月25日 18時26分23秒 | Weblog

昨日のブログはケンタ先生が書いていました。

その文章中に、ご自身が好きな映画のセリフを紹介していました。

「フォレストガンプ」のセリフです。

それを読んで、オイラ自身も好きな映画のセリフは何だろうかと考えてみた。

いくつか好きなセリフは頭に浮かんだが、やはり一番好きなセリフは、

「ザマ見ろぃ、人間はね、理屈なんかじゃ動かねえんだよ。」という寅さんの言葉です。
寅さんと聞いても、もしかしたら今の高校生や中学生は「?」かもしれません。
寅さんは、映画『男はつらいよ』シリーズの主人公です。

このセリフを聞いた時、胸につかえていたものが、スッと消えた気がした。

オイラは、昔から理屈っぽい人や正論ばかりを押し付ける人が苦手だった。

理屈や正論は、もっともなこと、正しいことが多いだけに、逃げ道がない。理屈や正論で責められると、逃げられなくなる。
そんな自分の弱さが嫌で、情けなくて反発した。

そんな中学校時代、友だちと遊んで家に帰り、たまたまついていたテレビで「男はつらいよ」がやっていた。その時は見るつもりがなかったので、チャンネルを変えようと思いながらも、ボ~っと画面を見ていた。
しばらくすると寅さんとヒロシが口論になるシーンで、寅さんのあのセリフが出るのだ。

「ザマ見ろぃ、人間はね、理屈なんかじゃ動かねえんだよ。」
その時のオイラの心に・・・響いた言葉だった。欲しい言葉だった。


言葉にできない反発やイライラ、自分のことが嫌いで、「なんで俺はここにいるんだろう」って毎日考えていた。
生活の全てが中途半端。今から思い出すと毎日のように「疲れた」と言っていた。
不安定な心の中を、友だちや当時の彼女と共有することしかできずに、ただただ長い時間を共に過ごした。
みんなそれぞれに不安や孤独を抱えていたのだろうな。


松実での教師生活も数年がたった。「理屈っぽい教師になってはいないか」「正論ばかりを振りかざしてはいないか」いつも自戒の念を持っているつもりだ。

しかし、教師は生徒に生き方を教えてあげる存在である以上、時には理屈や正論を生徒に話して、理解させることも必要だ。
問題は伝え方。大切なことは分かるように伝えてあげることだ。
オイラのこの一年は、それがテーマだったと思います。
世の中の理屈や正論を、生徒が納得する形で伝えていく。
どれだけ出来たのかは分からないけれど、一生懸命やりました。


松実高等学園の皆さん。ありがとうございました。
来年も皆さんにとって良い年になるよう、お祈り申し上げます。


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