歳を取るにつれて1日が早く過ぎ、1年が早く過ぎていくと感じると多くの人が言います。
今年もすでに2か月が過ぎ、来月には卒業式や入学式です。この前、新入生として幼かったはずの生徒が、もう大人の顔をして卒業式を迎えます。確かに時の過ぎるのが早く感じます。
そんな私にも1日が長く感じる時があります。例えば、入学や入社で全く新しい環境に放り込まれた時です。人に聞いたり、入学案内や社則を確認しなければ、何一つできません。不安な時間が過ぎるのは何とゆっくりしているんだろうかと思えます。
手慣れた事であれば、大脳でわざわざ考えなくとも、脊髄反射で処理してしまいますから、時間内で扱える情報や作業は、経験を積めば積むほど多くなっていきます。でも、幼い頃は毎日が初めての事ばかりです。新しい経験が次から次へと起こっていきます。自分では解決できず、友達や親や他人に助けを求めることもあるでしょう。苦しい思いの時は、時間の進み方が遅く感じられてしまうのです。水中息止めとか熱いコップをどれだけ長く持っていられるかとか、友達と競争するときの時間は永遠にも感じます。でも、そういった苦しい時間は楽しい経験の一部でもあるので、子供の頃は楽しくて1日が長く感じられたのでしょう。
しかし、大人になると、楽しさと苦しさは分離されていきます。大脳が楽しく感じている最中には、時間の観念をなくしてしまいますし、苦しい作業は、なるべく意識の外に置いて条件反射でこなそうとします。ですから、大人になると、1日が早く過ぎてしまうのかもしれません。
では、どうやったら、1日を長くてしかも充実して感じられるでしょうか。それは、子供の頃と同じように、苦しくて楽しい作業を多く持つ事でしょう。大げさに考えなくとも、できることはたくさんあります。例えば、いつもの帰宅の経路をわざと間違えてみます。「あれ、この先は行き止まりだ。さて、どうしよう。」と考えている最中に、ふと上を見ると、知らない家の塀の陰に梅の花が咲いているのに気付いて少し匂いを嗅いでみたり、急に物陰から犬に吠えられてドキドキしたり、素敵なカフェを見つけて寄ってみたくなりますが、でも早く帰らないと家族に心配をかけるしなどと考えているうちに、ようやく家にたどり着きます。時間を見るといつもの帰宅時間とそんなに変わっていないのに、色々な経験をしています。
ちょっと困るけど、楽しい経験を増やしていければ、充実した長い一日を過ごしていけるようになるかもしれません。
ちなみに、上の写真は同じ男性の顔をコントラストを変えただけだそうです。左が女性に、右が男性に見えませんか?脳はこれほど騙されやすいのです。上手に自分の脳を困らせて毎日に変化を加えていきましょう。
大抵の日本人は6年以上英語の勉強をするのに、英語が苦手という人が何故多いのでしょう。私もネイティブではありませんから、咄嗟の表現に困る時があります。
例えば、「納豆を食べるのは初めてですか。」と言いたくて、"Is this the first time to eat Natto?"と思いつくと「イヤイヤ、経験の事を聞いているんだから、現在完了形を使ったほうが分かりやすいだろう。」と考え直して、"Is this the first time to have eaten Natto?"と錆びついた文法の知識と照らし合わせているうちに、相手は"Hoon, It's stink."なんて言っちゃってます。「あちゃ~、言えなくなっちゃった。」
こんな時は、"Is this the first time?"だけでいいのです。相手だって、納豆の事を聞かれているんだってわかりますから。あるいは”Taste's good?"でも十分です。要は、日本語でもそうですが、会話では不完全な文章が普通で、それを、言い方を変えたり、繰り返したりしながら、会話が進んでいくのです。重要なのは、会話を続けていくことであって、清書した完全な文章を読み上げることではありません。
"So far, so good." 「まあ、いいんじゃないの。」
これで行きましょう。英会話なんて緊張したらできません。