最近、みんなが本を読む姿をよく目にします。
あと、「先生、本貸して」「これ、読んでみて」と言ってくれる姿も。
そんなふうにみんなと本のやりとりをしていると、一人の男の子のことを思い出します。
学生の頃 アルバイトで講師をしていた時に、生徒の中に本を読むことが大好きな男の子がいました。彼は中学1年生、明るくひょうきんでちょこっとひねくれていて、いつも周囲を笑わせてくれるような子でした。ただ、複雑な家庭環境で いろんな処を行ったり来たり。
その男の子は、人より早く教室に来てはベストセラーの単行本や古い名作を広げていました。
そして「せんせ~、これおもしろかったよ!貸してあげる」と読み終わったお勧めの本を貸してくれ、私もお礼にお勧めの本を貸したりしていました。
1年ほど一緒に勉強していたのですが、その後彼は突然その教室を辞めてしまい、会うこともなくなってしまいました。
そんな彼が会話の中で本当にぽろっと言った一言が、いまだに忘れられません。
「本を読むことで孤独を忘れられる。本の中の言葉が僕を支えてくれるんだ」
皆さんは、知識を得るため、学ぶために大人は本を読めと言っているのだ、思っているかも知れませんが、本を読むことのよさはそれだけではありません(先日のブログでどなたかが書かれていましたが…)
本との出合いは、一人の人の心との出会いだと思います。
本は一人の人の言葉によって綴られたものだからです。
本をじっくり読むことは、人の言葉に耳を傾けることに等しいのではないかと思います。
本、読んでみませんか?
あや