ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

江幌ダム

2021-07-26 14:55:07 | 北海道
2021年7月17日 江幌ダム
 
江幌ダムは北海道空知郡上富良野町西10線北の石狩川水系吉富川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
1926年(大正15年)の十勝岳大噴火からの復興のための基幹施設として国庫の補助を受けた道営事業により1932年(昭和7年)に江幌溜池が建設されました。
ダム便覧ではこれを竣工年度としています。
その後1984年(昭和59年)竣工の大規模改修により名称も『江幌ダム』と改められました。
管理は富良野土地改良区が受託し、上富良野町草分地区の農地に灌漑用水を供給しています。
 
右岸から
堤高は19.9メートル
対岸の小麦畑が朝日を受けて白く輝いています。
 
天端は車両通行できますが、小麦畑で行き止まり。
 
右岸の洪水吐導流部。
 
横越流式洪水吐。
 
上流面
ちょっとわかりづらいですが、コンクリートで護岸されています。
 
ダム下の様子
北海道の農業施設では6~7月に草刈りをするのが大半ですがここはまだ。
ダム下へ降りるルートも草深く底樋などの確認できませんでした。
 
総貯水容量35万2000立米
大規模な農業用ダムがひしめく北海道では小ぶりな貯水池。
でも緑豊かで鳥のさえずりが響く心地よい空間。
 
左岸の多孔式斜樋。
 
貯水池越しの上流面
逆光になってしまいました。
 
水利使用標識
かんがい面積が読めない…。
 
小さな溜池ですが、十勝岳の大噴火による災厄から立ち直るための水源として大きな役割を果たしました。
かつては周辺でリゾート開発の動きもありましたが、バブル崩壊でとん挫。
おかげで池周辺では今も豊かな自然が残っています。
 
(追記)
江幌ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0027 江幌ダム(1654)
ため池コード
北海道空知郡上富良野町西10線北
石狩川水系吉富川
19.9メートル
146メートル
352千㎥/349千㎥
富良野土地改良区
1932年
◎治水協定が締結されたダム