ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

中和ダム

2019-11-05 14:43:17 | 北海道
2019年10月22日 中和ダム
 
中和ダムは北海道上川郡和寒町中和の天塩川水系剣淵川上流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には北海道の事業により1924年(大正13年)に竣工と記されており、現在はてしおがわ土地改良区が管理を行っています。
中和ダム直上には同じしおがわ土地改良区が管理する南丘貯水池があり、双子ダムとなっています。
両ダム合わせて、和寒町中和地区873ヘクタールの農地に灌漑用水の補給を行っています。
 
和寒町中心部から道道99号線を南下し、そのまま剣淵川沿いを直進すると正面に中和ダムが見えてきます。
堤高は23メートル、堤頂長は248メートルの横長ダムです。
 
下流面は綺麗に刈り払われています。
 
残念ながらダムへ通じる道路は立ち入り禁止。
 
ダム下を流れるこの水路は取水設備からの水路です。
左手に頭首工があり、非需要期は流入量はそのままこの水路を経て剣淵川に流下されます。
 
頭首工ズームアップ。
 
水利使用標識。
 
左岸の洪水吐減勢工。
ここで取水設備からの水路が合流、非需要期のため流入量はそのまま流下しこの流れが剣淵川となります。
 
総貯水容量213万2000立米と溜池としてはかなり大規模な貯水池を擁していますが、その姿を見ることはできません。
 
(追記)
中和ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。  
 
0008 中和ダム(1549) 
ため池コード
北海道上川郡和寒町中和
天塩川水系剣淵川
23メートル
248メートル
2132千㎥/1932千㎥
てしおがわ土地改良区
1924年
◎治水協定が締結されたダム

西和ダム

2019-11-05 13:27:29 | 北海道
2019年10月22日 西和ダム
 
西和ダムは北海道上川郡和寒町西和の天塩川水系辺乙部川左支流西和川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧では北海道の事業により1926年(大正15年)に竣工と記されています。
ダムの管理はてしおがわ土地改良区が行い、和寒町西和地区の175.3ヘクタールの農地に灌漑用水の補給を行っています。
 
和寒町中心部から道道48号線を幌加内方面に西進、西和地区に入り西和第2会館前の十字路を右折、さらに次の二股を右手に取ると正面に西和ダムが見えてきます。
堤高は15.8メートルとダムの要件ぎりぎりですが、堤頂長は255メートルといかにも北海道らしい横長のダムです。
ほど良く色づいた木々の中、堤体の芝の緑が鮮やかです。
 
そのままダム下まで向かいます。
向かって右手に取水設備からの吐口があります。
 
取水設備からの水路はダム下で二つに分かれます。
左手は灌漑用水路、右手は西和川へと流下します。
 
そのまま堤体に踏み跡があったので登ってみました。
上流面はコンクリートで護岸されています。
 
需要期が終わり水はすでに抜かれていますが、総貯水容量116万2000立米と溜池にしてはかなり大規模な貯水池です。
赤いトラス状の取水塔が目立ち、左わきには土砂吐が見えます。
湖底には切り株が多数残っていますが、ダム竣工当時昭和初期の切り株なんでしょうか?
 
ダム下に戻りダム手前の二股を左に取ると右岸ダムサイトに到着します。
堤体右岸脇を回り込むように作られた洪水吐導流部。
 
これが減勢工になるようです。
 
天端へはゲートがかかり立ち入り禁止。
ダム下から踏み跡を登ったところも立禁エリアだったようです。
 
右岸の横越流式洪水吐。
 
水利使用標識。
 
結果的には4枚目と5枚目の写真は立ち入り禁止エリアでのものとなってしまいましたが、せっかく撮ったので敢えて掲載することにします。
 
(追記)
西和ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。  
 
3352 西和ダム(1548) 
ため池コード
北海道上川郡和寒町西和
天塩川水系西和川
15.8メートル
256メートル
1162千㎥/1086千㎥
てしおがわ土地改良区
1926年
◎治水協定が締結されたダム 

雨煙内ダム(再)

2019-11-05 11:37:29 | 北海道
2019年10月22日 雨煙内ダム(再)

雨煙内ダム(再)は北海道雨竜郡幌加内町雨煙内の石狩川水系雨竜川左支流雨煙内川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
もともと当地には1929年(昭和4年)に築造された灌漑目的の新成生ダムがありました。
しかし戦後幌加内地区が日本有数のそば生産地に発展したことで作付面積の増加が続き新たな水源確保に迫られます。
1968年(昭和43年)から北海道開発局農水部直轄事業として新成生ダムの嵩上げ再開発事業が着手され、1978年(昭和53年)に竣工したのが雨煙別ダム(再)です。
再開発により堤高は21メートルから26.8メートルに嵩上げされ総貯水容量は432万立米から675万立米へと約1.5倍に増大しました。
管理は幌加内土地改良区が受託し、幌加内町のそば畑2148ヘクタールに灌漑用水を供給しています。
全国的に農業の縮小が進む中、幌加内のそば作付面積は年々拡大を続け、年による変動はありますが北海道のそば生産の約20%、全国のそば生産の8%を占める日本最大のそばの産地となっています。
 
幌加内町中心部から町道北4号線を東進すると正面に雨煙内ダム(再)の堤体が見えてきます。
右岸に洪水吐がありダム下を斜めに横切っています。
 
左岸洪水吐減勢工
この先雨煙内川となります。
 
洪水吐導流部。
 
ダム下流面
綺麗に刈り払いされ冬枯れのため緑に黄色が混じり始めています。
 
ダム下左岸にある取水設備からの吐口。
貯水池は水が抜かれ流入量がそのまま放流されています。
 
残念ながらダムの天端は立ち入り禁止ですが、右岸から俯瞰することができます。
貯水池の『ほろかない湖』は水が抜かれています。
また手前右岸に横越流式洪水吐があります。
 
 
 
すぐ下に竣工記念碑などがありますが、残念ながら立ち入り禁止のため見ることはできません。
 
堤体上流面はコンクリートで護岸されています。
中断に段差がありますが、ここが新成生ダムの堤頂だったのかな?でもちょっと高さが合わない。
 
取水塔をズームアップ
対岸に管理事務所がありインクラインらしきものがダム湖に下りています。
 
天端立ち禁のため水利使用標識や竣工記念碑などを見ることができませんでした。
 
(追記)
雨煙内ダム(再)は洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。  
 
0025 新成生ダム(元) 
北海道雨竜郡幌加内町雨煙内
石狩川水系雨煙内川
26.8メートル
320メートル
4320千㎥/4320千㎥
幌加内土地改良区
1978年
-------------
0095 雨煙内ダム(再)(1547)
北海道雨竜郡幌加内町雨煙内
石狩川水系雨煙内川
26.8メートル
320メートル
6750千㎥/6477千㎥
幌加内土地改良区
1978年
◎治水協定が締結されたダム

下幌加内ダム

2019-11-05 10:45:56 | 北海道
2019年10月22日 下幌加内ダム
 
下幌加内ダムは北海道雨竜郡幌加内町下幌加内の石狩川水系雨竜川左支流幌加内川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には北海道の事業により1970年(昭和45年)に竣工と記されています。
ダムの管理は幌加内土地改良区が行い、土地改良区管内145ヘクタールの水田に灌漑用水の補給を行っています。
 
深川から国道275号線を北上し、幌加内トンネルを抜けると左手に下幌加内ダムが見えてきます。
 
国道からは貯水池とダム上流面が遠望できます。
 
右岸に取水塔があります。
北海道では赤い取水塔が多いのですが、ここは橙色に着色されています。
取水塔の先には横越流式洪水吐があるようですが残念ながら見えません。
 
場所を変えますが樹林が邪魔になります。
写真左端に洪水吐と洪水吐に架かる黄色い管理橋が見えます。
 
ダムへ向かう管理道路は立ち入り禁止。
 
珍しく橙色に着色された取水塔が特徴ですが、国道から遠望するしかないのが残念至極。
 
(追記)
下幌加内ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。  
 
0029 下幌加内ダム(1546) 
ため池コード
北海道雨竜郡幌加内町下幌加内
石狩川水系幌加内川
20.7メートル
184メートル
1000千㎥/703千㎥
幌加内土地改良区
1970年
◎治水協定が締結されたダム

鷹泊ダム

2019-11-05 00:02:45 | 北海道
2019年10月22日 鷹泊ダム
 
鷹泊ダムは北海道深川市鷹泊の石狩川水系雨竜川中流部にある多目的重力式コンクリートダムです。
1949年(昭和24年)に農林省(現農水省)は、雨竜川下流域地域の農地開発を目的とする雨竜川総合土地改良事業に着手し、その灌漑用水源として雨竜川中流部へのダム建設を決めました。
これに発電事業者として北海道企業局が事業参加し1953年(昭和28年)に竣工したのが鷹泊ダムです。
鷹泊ダムは空知支庁(現空知総合振興局)管内の深川市、妹背牛町、秩父別町、雨竜町、北竜町、沼田町にまたがる1市5町計1万ヘクタールへの灌漑用水の供給と、北海道企業局鷹泊発電所での最大出力5700キロワットのダム式水力発電を目的としており、運用開始後は北海道企業局が受託管理を行っています。
 
右岸ダム下から見学可能です。
クレストには5門のローラーゲートが並び、いかにも発電用ダムと言った装い。
 
ダム下の北海道企業局鷹泊発電所で最大出力5700キロワットの水力発電を行っています。
農水省と北海道企業局の共同事業で建設されたダムですが、土地改良法に基づき北海道企業局が受託管理を行っています。
 
 
放流警告板。
 
残念ながらダムサイトへの道は立ち禁。
 
ダムのピアと発電所の上部だけが見えます。
 
ダム湖右岸高台は鷹泊自然公園として整備され、遊歩道やキャンプ場などが設置されました。
しかし今は利用する人も少ないようで遊歩道は自然に戻り、キャンプ場も荒れ気味です。
ただ、キャンプ場からは鷹泊貯水池が望め、紅葉でほど良く色づいた景色を愛でることができました。
鷹泊貯水池は総貯水容量2151万8000立米で雨竜川下流域約1万ヘクタールの農地の灌漑用水源となっています。
 
鷹泊自然公園に建つ、雨竜川総合土地改良事業記念碑。
表には事業の詳細な経緯が記されています。
 
裏面には鷹泊ダムの恩恵を受ける4つの土地改良区の感謝の念が記されています。
 
戦後の食糧難に対処するために建設された鷹泊ダムです。
後受益する4つの土地改良区ではそれぞれ国営かんがい排水事業で新たなダムが建設ささらなる農地開発が進みました。
 
0043 鷹泊ダム(1545) 
北海道深川市鷹泊
石狩川水系雨竜川
AP
37メートル
170.5メートル
21518千㎥/15913千㎥
北海道企業局
1953年