昨日は岐阜大会でした。暑い中、冷房の効いた会議場で、しかも駅の真正面。立地条件はよかったです!岐阜大会準備委員会の皆様には感謝致したいと思います!内容も素晴らしい大会でした。私は、第6分科会 「つながり」に参加して参りました。四県の代表がそれぞれの取り組みを紹介しておりました。以下にその概要を少しだけ紹介します。詳細は岐阜大会HPにUPされるのをお待ちください。
岐阜 山県市障害者自立支援推進協議会 子ども支援部会
山県市におけるサポートファイル「ききょう」の活用状況
~情報の受け渡しと共有化をめざして~
サポートファイルを作ったのは市・行政
それを利用している障害者自立支援推進協議会
21年度子ども支援部会を立ち上げる
22年度はピッコロ療育センター通所児童の保護者に利用してもらい、意見をいただいた。26名が使用
制作当初の保護者の感想は
・情報が記入できて変化が分かりやすい
・生まれてからのすべてが記入できる。
・一つにまとまっていて便利
・福祉ファイルが便利
●自由に書けるページがほしい
●ポケットを増やしてほしい
●幼児期に詳しく書けるようにしたい
この意見を元に改良を重ね、実際に使ってみた保護者の感想は
☆サポートファイルのおかげで説明がしやすい。
☆管理職にも理解してもらえる
☆子どもの家でのリズムがわかり対処しやすい。
という提案でした。岐阜県山県市のサポートファイル=個別支援計画の1つの形が提示されたと思います。
興味のある方は、岐阜県山県市・障害者自立支援推進協議会子ども支援部にお問い合わせください。
静岡 三島市立北小学校
三島市立北小学校LD等通級指導教室
~大きな連携の中で~
発達障害通級22年度開設
廊下側の掲示板によって自校に啓発掲示
出前授業、サポートファイルの作成
サポート会議の実施
月曜日と水曜日の午後は授業を入れず、在籍校へ出向く
声のボリューム表の設置
たくさんの他校通級を抱える同校では、各学校の特別支援教育には温度差があることを痛感していらっしゃるそうです。それは私も同感です。全ての人々に同じ思いを持ってもらうことは、はっきり言って不可能。だからこそ、「諦めない」「焦らない」「次へつなぐ」啓発活動が必要なのだと、私は転勤してみて再認識しました。
三重 菰野町立鵜川原小学校
聴覚障害児が地元の小学校で学ぶ
~つながりの中で自己の課題に向き合う~
22年度入学A児
難聴学級の新設を希望するも叶ったのは2年後
特別支援学級で介助員とともに過ごしていた。
介助員に頼りきっていたので、交流学級の子どもたちに担任が話しかけながら、自分から分からないことを伝えられるように声をかけさせる。交流学級の副担任のような役割で周囲の子どもたちに働きかけることで、A児のためだけにいる先生ではなく、配慮の必要な子どもたちに関わることができた。
A児は当初、聞こえについて周りの子どもと違うことを受け入れられなかったが、少しずつ受け入れたり、違いをどう克服するかを考えるようになってきた。
特別支援学級(難聴学級)の開設から今日に至るまでの、担任の先生の奮闘と、A児の成長がよく分かる発表でした。私も新卒当時、知的障害特別支援学級(当時は「精神薄弱特殊学級」と言いました)担任でしたが、交流教育にも力を入れていました。交流先の学級で、自分の学級の子どもを取り巻く周りの子どもたちを見た時、理解啓発活動が必要だと痛感しました。思えばその頃からずっと理解啓発活動にのめり込んでいった自分がいました。いえ、としごの弟のことも考えると、私の人生引く一年分、つまり、物心ついた時から、私の、障害者に対する理解啓発活動は始まっていたのです。45年。まだまだ続きます。
愛知 一宮聾学校
地域の小・中学校との連携
~聴覚障害児教育の理解推進、充実に向けて~
地域支援部所属
13年度から聾学校の巡回がスタート
尾張地区、知多地区を担当
増えることはあっても減ることはない
情報補償、理解啓発、担任への支援
本人が聞こえないことを自覚しにくい障害=自分にとって元々聞こえていないので、自分からは聞こえないことが分からない。
小学校の間はトラブルも表面化しないが、中学へ行くと子どもだけで解決しなければならない時間が増えるため、「聞こえないフリをした」「無視した」などトラブルを起こす場合が多い。発音の矯正が上手にできて、見た目だけでは聴覚障害者であることは分からない。そのため、みんなが障害への配慮を忘れてしまう。
子ども自身が聞こえにくさを自覚して、本人の口から聞こえにくさが周りへ伝えられるということが、これからの課題。親や担任はとかく、語彙力を高めることに興味関心がいきがちだが、ものの名前よりも、体験をすることで「思い」を育て、伝えることが重要。気持ちを育てる教育を大切にしたい。
中学校の進路指導が変わらない。「この子は聞こえないけれど、こんなにがんばっている」という進路指導をされているが、そうではなく、「この子はこういった配慮があれば、こんなことができる」という伝え方にしていかないといけない、という報告でした。この件に関しては、以前、進路指導の側からすると、「配慮が必要」だとか「障害がある」ことを前面に押し出すと、進路の受け入れ側(高校)が受け入れてくれなくなるケースがあるという悲しい話も聞きました。
一宮聾学校の報告は、先日の県言聴研で「特別支援部会」の話し合いの中に出てきた名古屋聾学校のお話とほとんど同じ。ということは、愛知県は全県的にこういった傾向にあるのか?この話の中でも言われていたように、聴覚障害の子どもは、一生懸命に聞き取ろうとして、集中している子や、発言に対して控えめな子が多い。だから当然、授業中に離席する子や、無駄話をして授業の妨害になるような子は、ほとんどいないのが現実。授業者からしてみれば、「困らない」「お利口さん」な子どもなのだ。しかも、言葉の指導を受けて発音が綺麗になってしまうと、見た目では障害があることは分からなくなってしまう。だから成長してから先でのトラブルが多くなってしまうのだろう。最後の「課題」として話があったように、子ども自身が、状況が分かりづらいことを伝える術を持たなければならないだろう。そして、中学の進路指導で「配慮」を優先させてもらえるように、こちらからの啓発もしっかりと続けなければならないし、市教委・県教委を通した、義務教育から高等学校教育への橋渡しを、しっかりとつなげられるようにしていくことが、全県共通の課題なのだと痛感しました。
助言
どうつなげていくと子どもたちがよくなるのか?
支援の引継が大切。
保護者の記録を読んでもらう。支援の引継を入れていくことが岐阜の課題。保護者抜きには連携はあり得ない。保護者が自分の子どもをどう理解しているかが、支援者に伝わっていかないと継続していかない。
静岡:子どもの実態把握をして、チャレンジカードをどのように活かしていくのかを、スモールステップで記述して、先生の思いを次へつなげていくことが大切。通級で教えられることと、家庭で教えられることは別であり、ともに大切なこと。どちらでも生きていくように。
三重・愛知:自分の課題への気づきが大切である。聞こえないことを自覚して、自分から伝えられることができると、周りの手助けを得やすい。当事者は聞こえるフリをしていることが多いので、聞こえないことはしっかりと伝えたい。義務教育から高等学校教育へのつなぎを大切にしたい。困り感を把握する方法を考えるのは我々のつとめ。家族が自分の子どもをどうとらえているか、本人が自分の困り感に気づいているか、困ったところをどう助けていくのか、常に関わりながら、支援のバトンタッチをしてつないでいかなければならない。
以上のようなお話でまとめていただきました。充実した分科会でした。これからも私の「つながり」への挑戦は続きます。
岐阜 山県市障害者自立支援推進協議会 子ども支援部会
山県市におけるサポートファイル「ききょう」の活用状況
~情報の受け渡しと共有化をめざして~
サポートファイルを作ったのは市・行政
それを利用している障害者自立支援推進協議会
21年度子ども支援部会を立ち上げる
22年度はピッコロ療育センター通所児童の保護者に利用してもらい、意見をいただいた。26名が使用
制作当初の保護者の感想は
・情報が記入できて変化が分かりやすい
・生まれてからのすべてが記入できる。
・一つにまとまっていて便利
・福祉ファイルが便利
●自由に書けるページがほしい
●ポケットを増やしてほしい
●幼児期に詳しく書けるようにしたい
この意見を元に改良を重ね、実際に使ってみた保護者の感想は
☆サポートファイルのおかげで説明がしやすい。
☆管理職にも理解してもらえる
☆子どもの家でのリズムがわかり対処しやすい。
という提案でした。岐阜県山県市のサポートファイル=個別支援計画の1つの形が提示されたと思います。
興味のある方は、岐阜県山県市・障害者自立支援推進協議会子ども支援部にお問い合わせください。
静岡 三島市立北小学校
三島市立北小学校LD等通級指導教室
~大きな連携の中で~
発達障害通級22年度開設
廊下側の掲示板によって自校に啓発掲示
出前授業、サポートファイルの作成
サポート会議の実施
月曜日と水曜日の午後は授業を入れず、在籍校へ出向く
声のボリューム表の設置
たくさんの他校通級を抱える同校では、各学校の特別支援教育には温度差があることを痛感していらっしゃるそうです。それは私も同感です。全ての人々に同じ思いを持ってもらうことは、はっきり言って不可能。だからこそ、「諦めない」「焦らない」「次へつなぐ」啓発活動が必要なのだと、私は転勤してみて再認識しました。
三重 菰野町立鵜川原小学校
聴覚障害児が地元の小学校で学ぶ
~つながりの中で自己の課題に向き合う~
22年度入学A児
難聴学級の新設を希望するも叶ったのは2年後
特別支援学級で介助員とともに過ごしていた。
介助員に頼りきっていたので、交流学級の子どもたちに担任が話しかけながら、自分から分からないことを伝えられるように声をかけさせる。交流学級の副担任のような役割で周囲の子どもたちに働きかけることで、A児のためだけにいる先生ではなく、配慮の必要な子どもたちに関わることができた。
A児は当初、聞こえについて周りの子どもと違うことを受け入れられなかったが、少しずつ受け入れたり、違いをどう克服するかを考えるようになってきた。
特別支援学級(難聴学級)の開設から今日に至るまでの、担任の先生の奮闘と、A児の成長がよく分かる発表でした。私も新卒当時、知的障害特別支援学級(当時は「精神薄弱特殊学級」と言いました)担任でしたが、交流教育にも力を入れていました。交流先の学級で、自分の学級の子どもを取り巻く周りの子どもたちを見た時、理解啓発活動が必要だと痛感しました。思えばその頃からずっと理解啓発活動にのめり込んでいった自分がいました。いえ、としごの弟のことも考えると、私の人生引く一年分、つまり、物心ついた時から、私の、障害者に対する理解啓発活動は始まっていたのです。45年。まだまだ続きます。
愛知 一宮聾学校
地域の小・中学校との連携
~聴覚障害児教育の理解推進、充実に向けて~
地域支援部所属
13年度から聾学校の巡回がスタート
尾張地区、知多地区を担当
増えることはあっても減ることはない
情報補償、理解啓発、担任への支援
本人が聞こえないことを自覚しにくい障害=自分にとって元々聞こえていないので、自分からは聞こえないことが分からない。
小学校の間はトラブルも表面化しないが、中学へ行くと子どもだけで解決しなければならない時間が増えるため、「聞こえないフリをした」「無視した」などトラブルを起こす場合が多い。発音の矯正が上手にできて、見た目だけでは聴覚障害者であることは分からない。そのため、みんなが障害への配慮を忘れてしまう。
子ども自身が聞こえにくさを自覚して、本人の口から聞こえにくさが周りへ伝えられるということが、これからの課題。親や担任はとかく、語彙力を高めることに興味関心がいきがちだが、ものの名前よりも、体験をすることで「思い」を育て、伝えることが重要。気持ちを育てる教育を大切にしたい。
中学校の進路指導が変わらない。「この子は聞こえないけれど、こんなにがんばっている」という進路指導をされているが、そうではなく、「この子はこういった配慮があれば、こんなことができる」という伝え方にしていかないといけない、という報告でした。この件に関しては、以前、進路指導の側からすると、「配慮が必要」だとか「障害がある」ことを前面に押し出すと、進路の受け入れ側(高校)が受け入れてくれなくなるケースがあるという悲しい話も聞きました。
一宮聾学校の報告は、先日の県言聴研で「特別支援部会」の話し合いの中に出てきた名古屋聾学校のお話とほとんど同じ。ということは、愛知県は全県的にこういった傾向にあるのか?この話の中でも言われていたように、聴覚障害の子どもは、一生懸命に聞き取ろうとして、集中している子や、発言に対して控えめな子が多い。だから当然、授業中に離席する子や、無駄話をして授業の妨害になるような子は、ほとんどいないのが現実。授業者からしてみれば、「困らない」「お利口さん」な子どもなのだ。しかも、言葉の指導を受けて発音が綺麗になってしまうと、見た目では障害があることは分からなくなってしまう。だから成長してから先でのトラブルが多くなってしまうのだろう。最後の「課題」として話があったように、子ども自身が、状況が分かりづらいことを伝える術を持たなければならないだろう。そして、中学の進路指導で「配慮」を優先させてもらえるように、こちらからの啓発もしっかりと続けなければならないし、市教委・県教委を通した、義務教育から高等学校教育への橋渡しを、しっかりとつなげられるようにしていくことが、全県共通の課題なのだと痛感しました。
助言
どうつなげていくと子どもたちがよくなるのか?
支援の引継が大切。
保護者の記録を読んでもらう。支援の引継を入れていくことが岐阜の課題。保護者抜きには連携はあり得ない。保護者が自分の子どもをどう理解しているかが、支援者に伝わっていかないと継続していかない。
静岡:子どもの実態把握をして、チャレンジカードをどのように活かしていくのかを、スモールステップで記述して、先生の思いを次へつなげていくことが大切。通級で教えられることと、家庭で教えられることは別であり、ともに大切なこと。どちらでも生きていくように。
三重・愛知:自分の課題への気づきが大切である。聞こえないことを自覚して、自分から伝えられることができると、周りの手助けを得やすい。当事者は聞こえるフリをしていることが多いので、聞こえないことはしっかりと伝えたい。義務教育から高等学校教育へのつなぎを大切にしたい。困り感を把握する方法を考えるのは我々のつとめ。家族が自分の子どもをどうとらえているか、本人が自分の困り感に気づいているか、困ったところをどう助けていくのか、常に関わりながら、支援のバトンタッチをしてつないでいかなければならない。
以上のようなお話でまとめていただきました。充実した分科会でした。これからも私の「つながり」への挑戦は続きます。
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