夢の翼with皇大26期生のブログ

私と関わる全ての人たちが繋がりあえるように、大学時代の思い出から現在の環境までをまとめて1つのブログにしちゃいました。

理解啓発

2007-04-24 01:37:40 | 教室経営
 15番目の通級児童誕生。めでたく週30時間を突破した瞬間である。思えばこの仕事を始めて11年。その11年前始めたばかりの通級教室は3人でスタートだった。授業時間数も5時間。まさに「時給の高い男」だった。4年後くらいには子どもも8人になり,時間も16時間と適度な疲れが得られる仕事量だった。ところが,通級が世間に認知されればされるほど,人数も時間も増えていく。4年目の2月から一気に14人,28時間授業になり,次の年には17人34時間授業になった。9年目に小幡へ転勤して14人になったものの,年度途中で18人まで増える。11年目の今年,15人の子どもたちを迎えて,忙しい盛りである。
 通級のことをよく知らない先生たちは,授業が1対1で楽そうに見えるのだろう。常に「人数が少なくていいね」と言われる。でも私が「30時間授業ですけどね」と言うとみんなあっけにとられる。想像がつかないんだろう。想像もつかない中で想像もつかない授業が推し進められ,知らない親子が通っている。一般の先生方にとってはそういった教室である。だからこそ,私が理解啓発授業に力を入れていることが納得いっていただけるだろうか?
 「隣は何をする人ぞ」などと言われるようになって久しい。普通の学級であれば何年生の何月頃には算数ではこの勉強が始まったとか,理科ではこんな勉強をしていたなど,見なくても分かるようになっている。それはほとんどの人が同じ教育を受けて,同じように進められてきたのだから。ましてや名古屋には通称「白表紙」という「横並び意識の権化」みたいなものがある。あれがあるから名古屋市内はどこへ引っ越しても同じ教育内容なのだ。だが,特別支援教育は違う。一人一人の子どもに,各自にあった内容を教えるのだ。2年生の2学期だからといって一律にかけ算九九の練習をしなくても,足し算・引き算が苦手なら1年生の内容に戻ってそれを,もっと難しい勉強が出来てしまうのであれば先へ進めばよいのだ。つまり進度は一人一人バラバラ。だからこそアピールしていかないと「いったい何をしている教室なのか分からない」教育になってしまうのだ。他の先生たちのように白表紙を元にしながら授業を進めることは出来ない。全て自分で考え,展開していかなければならない。特別支援教育にはそういった苦労が伴うことを知らない先生が多い。こうしてみると,子どもたちの理解よりも大人の理解を進める方が難しいことがよく分かる。既成の概念にとらわれて,「教育とはこうあるべき」という持論を持った先生方には新たな教育形態に対する順応が遅いのである。だから私は,子どもたちへの理解啓発の時間を通して,その背後にいる在籍学級の担任の先生へ向けて啓発しているのである。子どもたちを生かすも殺すも担任次第なのだと言うことをもっと知ってほしいと思うから。5月に5年生の中津川が終わったら,6月中旬にはつばさに招待して啓発授業を行う予定。今年の5年生はどんな顔するかな?楽しみである。ちょっとまじめな今日のブログでした。
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