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夢の翼with皇大26期生のブログ

私と関わる全ての人たちが繋がりあえるように、大学時代の思い出から現在の環境までをまとめて1つのブログにしちゃいました。

石の上にも三年!?

2015-05-27 17:25:39 | 言語・難聴
 毎年5年生を対象に行っている「通級指導教室ってなぁに?」という理解啓発授業も、この学校で4年目を迎えました。私がここへ赴任する前は、「ことばの教室」というイメージからはほど遠く、どちらかというと「生活指導部屋」とか、「学習遅滞児のための勉強部屋」だと思われている教室でした。一部の担任の先生からもそう思われていたくらい、この教室は「看板」とは全く違う営業内容だったのです。私が着任してから、それまでの間違ったイメージを払拭すべく、前任校で取り組んできたことを全てつぎ込んで、3年計画で変えていこうと頑張ってきました。
 5年生を対象にしているので、難しい言葉の解説をしながら本格的な理解啓発をしようと試行錯誤して行ってきたのですが、その言葉(専門用語)が持つ独特の雰囲気から、新たな誤解を生んだり、補足で話した他の障害についての話が強烈な印象を残したりと、なかなか「会心の一撃」にならずに悩んでいたのでした。ところが、今年の対象学年の5年生は、私がここに赴任したときの2年生だった子どもたち。あのとき通級の隣の教室で学んでいた子どもたちなのです。別の言い方をすれば、私がこの学校に啓発の種をまき始めたときに、いつも隣の教室で、毎日の掃除や放課に廊下で、顔を見て、声をかけ、掲示物を展示し、啓発授業以外で唯一、教室を開放して中を見せてあげた学年の子どもたちだったのです。その子たちが大きくなって、再びこの教室に、今度は理解啓発授業の対象者となってやってきたのです。その時はまだ2年生でしたから、難しい話はしたことはありませんでしたが、今度は本格的に説明をしてあげるべき年になったのです。どんな風に話すと効果的か、それを調べるために、いつも事前アンケートを採っています。今までの事前アンケートは「何をする教室だと思うか?どんな子が来ると思うか?どんな授業をしていると思うか?」という問いかけに対して「分からない・知らない」とか、全くちんぷんかんぷんな答えを書いてくる子がほとんどだったのです。ところが、今年は明らかに違いました。同じ質問に対して「言葉の勉強をする教室」だと正しい予想をしている子どもがかなりたくさんいたのです。しかも、「どんな子が?」の問いに対しても、今までのほとんどが「身体障害者や生活態度の悪い子」という回答だったのに対し、今年は「言語障害のある人・言葉を喋りにくい子」といった回答が半数以上あったのです。授業を受ける前の事前アンケートでこれだけの結果が出ているということは、3年前からの理解啓発活動がようやく実を結び始めているのかな?と捉えても良いのではないでしょうか?まだ早計かも知れませんが、来年以降もこの様な結果が出てきたら、この成果を認めてもいいのかな!と少しだけ嬉しく思いました。見事に3年かかりました。石の上にも3年。正にその通り。