重松清さん原作の映画『青い鳥』を見てきました。主演の阿部寛の「吃音」の演技はともかくとして、作品の持つ強烈なメッセージは伝わってきました。私は原作を読んでいないので、細かいニュアンスは違うのかもしれませんが、深い内容で、映画の進行と一緒に「自分ならどうするだろう?」と考えながら鑑賞していました。『本気の言葉は本気で聞け』という主人公・村内先生の台詞がズシッと心に響きます。果たして自分は子どもたちが本気の言葉を発していることを気づいてあげられているのだろうか?ひょっとして気づかないままいることがあるのではないだろうか?村内先生の態度や言葉で、2年1組の生徒たちが変わっていくシーン、しかも『全員』が変わるわけではないところが現実味を帯びている。安っぽい学園ドラマならば恐らくあの場面で『全員』が変わっていき、先生と感動の別れを描いたりするのだろうが、実際の現場ではそんなことはあり得ない。あの映画のように、先生の『本気の言葉』が心に響いた生徒だけが変わっていくものだと思う。しかもラストで本郷君演じる園部真一が最初に勇気を出して変わるのではなく、太賀君演じる井上武志が実は一番先生の心の声が聞こえていたと観客に分からせる演出。本来はこうあるべきなんだよな!と思いながら見ていました。職員である島崎先生にも『本気の言葉』が届いていたのも嬉しい場面でした。『教師は子どもに教えてあげられることなんか無いのかもしれない。』『寄り添ってあげることが出来れば・・・。』村内先生の言葉が更に響きます。私は子どもたちにとってどんな『教師』なのだろう?初めて気になりました。ただひとつ言えることは、映画全体を見て村内先生の思惑というか、子どもへの接し方が自分の思いと重なる部分がたくさんありました。通級の場面では『いじめ』を目の当たりにすることはあり得ないけれど、実際に通級児からは「いじめられた」という言葉を耳にすることもあります。そんなとき、在籍学級とどんな風に連携していくと良いのかが課題です。担任ではない自分の考え方を実際の担任の先生に100%理解してもらえることは難しいです。しかし、諦めずに自分の考えを啓発していくことが私の仕事なのだと思いながら日々過ごしています。いつか我が子にも見せたい深い話でした。
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