「無知は壁を作る」とは・・・、自分の馬鹿さ加減を記事にすることになり、気が進まないが自戒の念をこめて記事にしてみた。他人様はいざ知らず自分にとっては、過去の経験や知識にないものを見るときは、どーもバイアスがかかるようで、色眼鏡を見ず知らずのうちに懸けているのでは・・・と思われる。現物を素直な眼でみていないことになる。
処はスコータイ新市街のサワンカローク陶磁博物館、その2階の展示室に展示されている比較的大型のカロン陶磁である。まず写真を御覧いただこう。


1枚目、2枚目の写真は、高さ70cm以上であろうと思われる大壺である。このような大きさの壺がカロンに存在することは、半ば常識で何ら不思議ではないが、その文様が初見で、壁を築いたしだいである。
上段の壺の主文様はハムサ(ハンサ)と呼ぶ霊鳥である。カロンのみならずハムサは、東南アジア陶磁にたびたび登場するので、壁の条件にはならないが、そのハムサが貼花文になっっていることである。
中段の写真は胴が3つの文様に圏線でもって区分されている。その胴の最上段に象の貼花文があるではないか。更には下写真のタイル。そこには左から麒麟、麒麟、ハムサの貼花文である。
ここに及び、小生の頭は混乱極まった。過去に現物はもとより図録でも、カロンの貼花文など見た経験がない。著名なサワンカローク陶磁博物館に、倣作(贋作)など展示するはずがないとの認識と共に、過去に経験がないとの頭が交錯する。現物をじっくり素直な眼でみれば良いのだが、どーもバイアスがかかったと云うより、あるはずがないとの壁をつくったようである。
近年に作ったものを並べてどうするのだ・・・と云う、半ば怒りのようなものがこみあげ、まともに見る気分が失せてしまった。他にも多くの大作があったのだが、見るのをパスしてしまった。
帰国したのは、今月(10月)2日だったと思うが、上記のことが気になり思いだそうとしたら、頭の片隅に関千里氏の著作「ベトナムの皇帝陶磁」が蘇った。薄い記憶を手繰っていくと、その226Pageにカロン鉄(褐色)釉象貼花文壺が写真入りで紹介されている。
関氏には大変失礼であるが当該著作には、少なからぬ疑問点もあり、この鉄釉象貼花文壺も、眉唾との認識で頭から消えていたのである。
それならば、北タイ陶磁の泰斗J・C・Shaw氏は、どうであろうかと氏の著作を調べてみることにした。

この著作を読んだのは十数年前で図録もなく、上掲の赤線部分の著述など覚えてはいない。再読すると唇のような膨らみをみせるスタンプが押されている・・・とある。ただし盤に表現されている・・・とあるのだが。
両氏の記事は、カロンには貼花文が実在することを、示していたことになる。う~ん素直な眼で見ておけばよかった・・・とは、後の祭りである。
いずれにしても、当該陶磁博物館の2階展示室は、カロンの大作がずらり並んでいたことになる。件のバンコク大学ランシット・キャンパスに在る、東南アジア陶磁美術館の展示を凌ぐ、優作ぞろいであった。
無知は壁を作る・・・これは今後も起こりそうである。先入観を持たず、素直に品物と語り合える態度を持ちたいものである。
処はスコータイ新市街のサワンカローク陶磁博物館、その2階の展示室に展示されている比較的大型のカロン陶磁である。まず写真を御覧いただこう。



上段の壺の主文様はハムサ(ハンサ)と呼ぶ霊鳥である。カロンのみならずハムサは、東南アジア陶磁にたびたび登場するので、壁の条件にはならないが、そのハムサが貼花文になっっていることである。
中段の写真は胴が3つの文様に圏線でもって区分されている。その胴の最上段に象の貼花文があるではないか。更には下写真のタイル。そこには左から麒麟、麒麟、ハムサの貼花文である。
ここに及び、小生の頭は混乱極まった。過去に現物はもとより図録でも、カロンの貼花文など見た経験がない。著名なサワンカローク陶磁博物館に、倣作(贋作)など展示するはずがないとの認識と共に、過去に経験がないとの頭が交錯する。現物をじっくり素直な眼でみれば良いのだが、どーもバイアスがかかったと云うより、あるはずがないとの壁をつくったようである。
近年に作ったものを並べてどうするのだ・・・と云う、半ば怒りのようなものがこみあげ、まともに見る気分が失せてしまった。他にも多くの大作があったのだが、見るのをパスしてしまった。
帰国したのは、今月(10月)2日だったと思うが、上記のことが気になり思いだそうとしたら、頭の片隅に関千里氏の著作「ベトナムの皇帝陶磁」が蘇った。薄い記憶を手繰っていくと、その226Pageにカロン鉄(褐色)釉象貼花文壺が写真入りで紹介されている。

それならば、北タイ陶磁の泰斗J・C・Shaw氏は、どうであろうかと氏の著作を調べてみることにした。


両氏の記事は、カロンには貼花文が実在することを、示していたことになる。う~ん素直な眼で見ておけばよかった・・・とは、後の祭りである。
いずれにしても、当該陶磁博物館の2階展示室は、カロンの大作がずらり並んでいたことになる。件のバンコク大学ランシット・キャンパスに在る、東南アジア陶磁美術館の展示を凌ぐ、優作ぞろいであった。
無知は壁を作る・・・これは今後も起こりそうである。先入観を持たず、素直に品物と語り合える態度を持ちたいものである。
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