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世界の街角

旅先の街角や博物館、美術館での印象や感じたことを紹介します。

古代播磨の朱・兵庫県立考古博物館

2019-07-27 08:23:20 | 博物館・兵庫県

弥生時代は必ずしもモノトーンの世界ではなかった。空や海の青さ、山や木々の緑、秋になれば紅葉の朱や黄色などの天然色は、現代同様弥生期でもそうであった。人工的に加工されたものでは威信財としての装飾品では、朱色ビーズの首飾り、翡翠の勾玉や管玉の首飾り、貝の釧とよぶ腕輪は、白く場合によっては螺鈿の輝きがあったであろう。其の中にベンガラや水銀朱で彩られた木製品や土器も存在したのである。これを見ているとモノトーンの世界は、後世の室町・戦国期・あるいは江戸期の鄙びた田舎で、弥生期の田舎はカラフルな感じがする。

朱と黒の鮮やかな部分は復元部分で、本来の朱は黒ずんだ部分にほんのりと確認できる。

以上が木製品に朱色の加工をした彩文鉢である。以下は土器に加工朱色である。

それにしてもデザインは斬新で現代にも通用するほどである。

 

<了>

 

 


縄文土器特別展(4)・兵庫県立考古博物館

2019-07-26 08:46:46 | 博物館・兵庫県

今回は縄文土器特別展の『Ⅳ 交流の証』を紹介して、縄文土器特別展の紹介を終了する。

列島各地から土器・石材・石製品が播磨の地に交易として持ち込まれた。その内容については過去に紹介しているので。今回は省略する。縄文の時代に人々や物の交流が盛んであったことは、現代人には考えにくいが、我々が移動に費やすエネルギーより遥かに多くの時間を割いて、移動していたことを思うと頭が下がる。

 

<了>

 

 


縄文土器特別展(3)・兵庫県立考古博物館

2019-07-24 07:39:44 | 博物館・兵庫県

今回は『Ⅲ祈りの道具と装身具』についての展示品を紹介する。

いずれも数は少ないが土偶、石棒、列島各地の石材で製作された石器が展示されている。

勾玉は縄文・弥生・古墳の各時代に営々と製作された。石棒は男根以外の何物でもないが、古代には世界の各地で作られた。台湾でもタイ王国でも見ることができる。

 

<続く>

 

 

 

 

 

 

 


縄文土器特別展(1)・兵庫県立考古博物館

2019-07-22 08:40:45 | 博物館・兵庫県

前回、兵庫県立考古博物館で開催の縄文土器特別展を紹介したので、今回から数回に分けてその内容を紹介する。

いきなり火焔土器である。これを見るとThe Jyomonを感じ、岡本太郎に想いが馳せる。何かエキサイティングな気分になるから不思議である。

なぜかこの手の火炎土器は、新潟県を中心とする地域のみとのこと。あまりにも鮮烈なので、日本の縄文はすべてこの手かと勘違いする。それにしても越後の縄文人は、なぜもこのように造形能力に長けているのか?

越後に関東、何故東国の縄文人は芸術的感性が豊かであろう? 西国の縄文人と人種が異なるのであろうか?

淡路の佃遺跡からは、様々な形をした縄文土器が出土した。それらが一群形で展示されている。

先に紹介した火炎土器やS字状文様をもつ注口土器ほどのインパクトはないが、様々な形状の土器が並んでいる。見方によっては弥生人ののっぺらぼうより、縄文人の顔形は彫が深かったか?

 

<続く>