旅先の街角や博物館、美術館での印象や感じたことを紹介します。
チェンマイ盆地の先住民モン(MON)族とは異なる。多くが雲南に居住するモン(中国では苗族、タイではモン:Hmong)族集落である。
先日TBS「世界不思議発見」でベトナムの黒モン族について放映されていたが、ここバーン・トンルアン同様土間式住居であった。
ベトナムの黒モン族も、ここバーン・トーンルアン同様黒を基調とした民族衣装であった。それを藍染で染め上げるようだが、バーン・トーンルアンではどうであろうか?
中国では雲南に居住する。チェンダオのラフ族村では高床式住居には住まいするが、服装は洋服であった。
ここBaan Tong Luangでも高床式住居で、女性は民族衣装を着用し、土産物を販売している。時間があれば、それらを手作りして日がな1日をゆっくりすごしている。人間動物園との批判があるようだが、そこに暮らす少数民族の人々は、意に介していないように見受ける。
写真はバーン・トーンルアンのアカ族村で見たミニブランコである。俗に言うブランコ祭りと関連がありそうである。
アカ族のブランコ祭りは、8月末から9月初めの丑の日から4日間続く、祖霊信仰の儀礼の一つであるという。
その2日目に、村の高台に高さ10メートルもあろうかと思われる4本の木が建てられ、ロープが吊り下げられる。鳥越健三郎氏は「ブランコは稲作の豊穣をイメージさせる類感呪術である」と説く。そこでは歌垣も行われるという。
ブランコ祭りとは別に建てられるのが、写真のような小型のブランコである。そこでは子供たちが遊ぶという。ここバーン・トーンルアンでも巨大なブランコを建てるのかどうか?である。
腰機は雲南省石寨山墳墓出土の貯貝器に表現されている。その写真を見ると、下のアカ族の腰機と瓜二つである。それについてはshimonogou.com/fukugen.htmを参照願いたい。
御覧のように織布の幅は狭いのが腰機の特徴である。利点は経糸の張り具合を座る織手の体を前後させたり、上体を寝かせたりすることにより、自在に調整できる。日本でも栃木県下野市の古墳から地機の埴輪が出土した。みると上の写真の腰機と似ている。
素人の特権は学者と違い結論ジャンプできる点にある。さすれば、渡来の弥生人は、少数民族と何らかの類縁関係があるのであろう。
魏志東夷伝倭人条に『男子皆露介(糸偏に介)、以本緜頭。其衣横幅、但結束相連、略無縫』とあり、また『婦人被髪屈介(糸偏に介)、作衣如単被、穿其中央、貫頭衣之』とある。つまり倭人は貫頭衣を着用していたことになる。
上からリス族、スゴーカレン族、カヤンカレン(首長)族の貫頭衣である。カヤンカレン族の未婚の女性は、写真のように白色の貫頭衣を着用する。
荻原秀三郎氏はその著作の中で、ミャオ族(タイでHmong族)が高床式住居とともに稲作を日本に伝えた・・・とあるが、ミャオ族は土間式住居であり、着衣は貫頭衣ではない。再考が必要であろう。