あだちの再生工房 日記2

機械類の修理を楽しんでいます。その日々の活動記録の積りでしたが、最近は修理とは関係のない記事が多くなっています

Hewlett-Packard HP67のCard Reader再修理

2023年09月26日 17時49分23秒 | Hewlett Packard Calculator
HP67のカードリーダーの修理を先日行ったのですが、安易な方法だったのでモーター軸が滑って、カードを吸い込まなくなりました。
前回の修理のブログです。
https://blog.goo.ne.jp/masaharu221208/e/f8ec0eeac24eab8163f454eba16fd3ab

そこで、今回はしっかりと固定することにしました。
お勧めのシリコンシーラントではなく、硬化しても弾性があるセメダイン EP001Nを使うことにしました。
また、色々なサイトにローラー軸が偏芯させてあり、押しつけ力を調整できるとあるので、その真意も確認しました。

もともと充填してあった樹脂は硬化しており、簡単にほじくり出すことができ、ウォーム軸とアルミパイプを分離できました。


0.2mmのピアノ線3本と、熱収縮チューブを使って、下図のようにウォーム軸とアルミパイプを同軸になるように組みました。
この状態で、セメダインを適量流し込んだ後、モーター軸を挿入しました。




モーター軸を挿入した状態です。 このセメダインは20分ほどで固まり始めるので、10分ほどしてから、熱収取チューブやピアノ線を外し、モーター定位置に固定し、ウォーム軸の先端をスラストを受けるボール球に当てて、軸芯を確保しました。
この状態で1日放置し、完全に固まるまで待ちました。


ローラー軸の偏芯の確認
ローラー軸です。 一見したところでは偏芯しているのは分かりません。


真上から拡大すると、わずかに偏芯していることが確認できます。その量は0.1mm程度と思われます。
今回は、押しつけ力が一番低くなる位置で軸を挿入しました。
この状態でも、カードの読み書きは問題なくできることを確認しました。
以上で、修理は完了です。
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BMW R100RTの車検

2023年09月25日 14時29分09秒 | バイク
昨日、BMW R100RTの車検のため、Motorrad Mitsuoka鈴鹿店に行ってきました。
2022/12/3に稲生から鈴鹿市庄野町羽山に移転、新装オープンした店です。
自宅からは23号線と1号線を使って、28kmのところです。

丁度涼しくなったので快適な走行でした。


昔の稲生店よりも数倍大きくなった感じです。
車の駐車場も広々しています。
ちょっと古いRTを持っていくには恥ずかしいという気もするきれいな店です。


13時ころ鈴鹿サーキットで行われていたF1グランプリの関係で、ジェット機4機ほどが上空を行ったり来たりしており、そのうち2機がハートマークを描いていました。


帰りは最寄りの駅まで送ってもらいました。 
近鉄鈴鹿線の平田町駅です。 店から駅まで2kmほどあるので歩けば30分以上かかりそうです。
単線で30分に1本しかなく、結構待たされました。


昔の稲生店は歩いて10分程度に鈴鹿サーキット稲生駅があったので、それなりに交通の便は良かったのですが、今度の新しい店はちょっと不便になりました。
車検完了時にバイクを引き取りに行く際には、車で送って貰うのが良いようです。
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HP67 プログラム電卓のACアダプターの改修

2023年09月21日 15時14分49秒 | Hewlett Packard Calculator
このACアダプターの充電電圧は実測で13.6V,充電電流は56mAほどですが、ちょっとニッケル水素電池には適していない気がしました。 オリジナルの電池はNiCdなので、これ用の設定のようです。

色々調べてみると、電流を下げる例が下記のサイトにあったので、これをまねしました。矢印の2つの抵抗とコンデンサを交換しました。
https://davidreaton.com/hp-calculators/hp-batteries-and-chargers/




改修前のオリジナルのアダプターの充電電流で56mAほどです。


13Ωを56Ωに変えました。


400μF/15Vを1000μF/25Vに交換しました。



470Ωの抵抗が焼け気味だったので、ワット数の大きい1/2Wに交換しました。




改修後の充電電流で13mAとなりました。 これで安心してACアダプターを繋ぎっぱなしにできます。
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Hewlett Packard HP67 プログラム電卓の修理

2023年09月15日 16時00分43秒 | Hewlett Packard Calculator
1977年頃、プログラムが磁気カードに記憶できるというHP-67が憧れでしたが、高嶺の花でした。
しかし、ヤフオクで結構安く出品されていたので、つい手が出て買ってしまいました。
バッテリーパックは無しで、ACアダプター付きの作動品です。

HP67の分解や、Card Readerの修理方法などは下記のサイトを参考にしました。
分解方法 HP-67 Card Reader Repair
  https://www.hpmuseum.org/cgi-sys/cgiwrap/hpmuseum/articles.cgi?read=179

分解方法とクラッチに言及 Repairing the HP67
  https://www.hpmuseum.org/guest/hoskins/67crfix.pdf

クラッチ修理を詳しく説明 HP-65 HP-67 HP-97 "Clutch" Fix
  https://www.hpmuseum.org/repclutc.htm

(1) バッテリーパックの製作
 色々解説を読むと、バッテリーなしでACアダプターで作動させると、カードリーダー回路が壊れるという説もあったので、先ずバッテリーパックを製作しました。
単三のニッケル水素電池(エネループ)をスポット溶接で繋ぎました。


(2) Card Reader のローラー交換
 磁気カードを挿入しても吸い込まないので、ローラーの劣化と考え、Oリング式で交換することにしました。
思った通り、ローラーは完全に劣化していました。


Card Readerの構造は基本的にはHP82104Aと同じで、リードスイッチをカードが押し上げてモーターなどをONする方式です。
HP67の場合は、プラスチックのボール4個(φ3.2mm)で押し上げる方式です。




ローラーを交換した状態です。
使ったOリングはHP41CXのHP82104Aと同じで線径φ1.8mm,外径φ6.1mmです。
これを再組してテストしたところ、2回ほどは正常にカードを吸い込み、プログラムをロードできましたが、それ以降は送り速度が大きく変動し、最後には吸い込まなくなりました。


上記の参考サイトから、モーター軸が滑っていると判断し、チェックしました。
先ず、Card Reader部分を取り外し、モーターを外部電源で駆動することにしました。
そのため、他に影響しないように関係する結線を取り外しました。
この状態で、外部電源から2.6Vをモーターに供給し、カードを送り込んだ時どうなるか確認したところ、思った通りモーターが空回りしていました。


モーターを取り外したところ、ウォームギャは抵抗なく抜けてきました。
これではトルクを伝達できません。
上に挙げた参考サイトの3番目はこの部分をクラッチと称しています。
アルミのパイプの中はゴム状のものが充填され、トルク伝達とダンパーの役目を果たすようです。 現状は、完全に硬化していました。
参考サイトでは、この硬化したものを取り去って、シリコンシーラントを充填するようになっています。
 今回、この劣化した充填剤は除去せず、安易な方法ではありますが、硬化しても弾性があるゴム用の接着剤を使ってモーター軸を接着しました。


修復後、モーターを取り付け、外部電源で駆動しカードを吸い込むことを確認した後、本体に組付けました。
カードは正常に読み込みプログラムをロードすることを確認しました。
修理は成功しました。


(3) バッテリーとACアダプターとの関係
 ACアダプターは3ピンの出力で、本体の受け口は下のようになっています。
3ピンのうち、下側のピンはBatteryの + に繋がっており、カードリーダーのsenser ICに電圧を供給します。
上側のピンはCPU基板に繋がっています。

ACアダプターを差し込まないときには、銅板で下と上のピンが接続されているので、Battery電圧がCard ReaderとCPUに供給されます。
ACアダプターを差し込むと、銅板による短絡が外れ、下のピンには13.6V, 上のピンには5.4Vが供給されます。
従って、バッテリーが装着されていないとCard ReaderのICに13.6Vが入ってしまうことになります。 バッテリーなしでACアダプターを使うとReaderが壊れるというのは、このことのようです。
また、ACアダプターを使うと、バッテリーは13.6Vと高い電圧で充電されるようです。

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HP41CX用 Card Reader(82104A) の修理

2023年09月10日 16時26分09秒 | Hewlett Packard Calculator
以前、ジャンクのHP82014A(カードリーダー)を入手したのですが、手付かずに放置していました。
HP41CXを使いだしたので、これを修理することにしました。

不具合箇所は下記の2つです。
1)ラッチが効かない(HP41CXへロックできない)
2)カードを吸い込まない。 
 2) については、このリーダーのよくあるトラブルで、経年劣化によるローラーの
 軟化が原因。 この修理については数多くの修理例がネット上にあります。

以上2点を修復について、留意点を記録しておきます。

1) ラッチ機構の修復
 左右のラッチの板バネは正規にはこのように組付けられています。


しかし、私の不具合品のラッチはこのように板バネを支える梁が折損しているため、
板バネを支えることが出来なくなっています。


そこで、梁の代用として0.4mm直径のワイヤで固定することとし、細い溝を作りました。
(作業し易いように、板バネは瞬間接着剤で固定してあります)


この溝にワイヤを固定しました。


同じように、もう一方のラッチもワイヤで固定しました。



2) ローラーの修復
 予想通り、ローラーが軟化し、つぶれていました。


ローラー軸を抜き取り、ローラーを取り出します。


ローラー軸を清掃した後、2つのOリングをはめ込みました。
Oリングは線径φ1.8mm, 外径φ6.1mm (内径φ2.5) を使いました。
Amazonに売っています。


組み込んだ状態です。


以上の修復後、組付けテストしました。
HP41CXに取り付けると、電源はOFFなのに、モータが回転してしまいます。
カードは挿入していません。
組付け時に何か、へまをやったようです。

3) 組付け時のトラブル(モーターが勝手に回転してしまう)
 色々原因を想像した結果、メカニカルなスイッチの問題と考えました。
関係する箇所の回路図です。


カードを入れていないのにモーターが回転してしまうのは、Card Insert Switchが
ONになってしまっているためです。

Card Insert SwitchとHead Switchです。
カードを挿入すると、先ずCard Insert Switchの先端にあるストッパ(?)が押され、
板バネSwitchが反り上がり、ONとなります。
そして、モータが回転し、カードが吸い込まれ、次にHead Switchの先端のストッパ(?)が押され、板バネが反りあがり、ONとなって、read(wirte)が始まる構造です。


そこで、カードに相当するプラスチックの薄板(幅は細め)を作成し、それぞれのスイッチを通過させ、抵抗を測定しOFFからONになるかをチェックしました。
下図はHead SwitchのOFF-ONを調べるため、端子2と3の導通チェックをしているところです。


以上のように両スイッチが常時はOFFになっていることを確認し、組付けました
上ケースを付ける前に、チェックです。
以前のように、モーターは回転せずに、正常に働き、CARD RDRを認識しています。


プログラムが正常にロードできることが確認できました。
修理が成功です。
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