あだちの再生工房 日記2

機械類の修理を楽しんでいます。その日々の活動記録の積りでしたが、最近は修理とは関係のない記事が多くなっています

Macintosh SE/30 ADB系統の修理

2022年08月26日 16時26分15秒 | OLD Macintosh
1年前には正常に起動していた予備のSE/30 Logic board の調子がおかしくなりました。
FDDやSCSI HDから正常に起動はするのですが、マウスが動きません。
なにか微妙には動くのですが、まったくコントロールできません。
ADB系統のトラブルで致命的ではないと判断し、簡単なヒューズから導通チェックしました。

F1 ヒューズに導通がないので、確認のためジャンパー線で短絡したら、マウスが動くことを確認しました。
F1 ヒューズの断線が決定的となりました。


AppleのF1周りの回路図の抜粋です。1Aのヒューズのようです。


一方、BOMARCの図面では F1 ヒューズは2Aで、記号が見慣れないものになっています。
色々調べたら、この記号は resettable fuse(あるいはポリスイッチ)と呼ばれるもので、常温では低抵抗で過電流で導電性ポリマーが温度上昇し、抵抗が急増し、遮断されるものと知りました。
(参考情報:https://detail-infomation.com/poly-switch/ )




このようなヒューズの手持ちはないので、ジャンクの IIcx にもADB系統に同じヒューズが使われているので、これを剥がして再利用することにしました。
簡単にハンダを外せばいいと思って剥がしたのですが、ポリマーを挟んでいる金属板のハンダ付けもはがれてしまいました。
(250℃から270℃の低い温度で剥がしたはずですが、簡単にはがれてしましました)


ダメもとで、金属枠に低温ハンダを半田付けし、2つの板を接合しました。
単体でのテストでは、常温で0.7Ω、半田鏝で枠を温めると、急速に抵抗が増大したので再利用できると判断しました。


SE/30のオリジナルのF1ヒューズです。 ほかのSE/30のF1ヒューズとは異なりこのようなAxial形態のヒューズです。


外したヒューズです。 BUSS 1Aとあります。 導通をチェックしたところやはり∞で、再利用不可です。


外した後のボードです。 外したaxialのヒューズあるいはIIcxから外した金属枠のヒューズのどちらでも使えるような基板パターンになっています。


温度に注意しながら、ポリマータイプのものを半田付けしました。
美しくはないですが、何とか分解せずに半田付けできました。


起動しマウスが動くことを確認できました。 単純なトラブルでラッキーでした。
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