あだちの再生工房 日記2

機械類の修理を楽しんでいます。その日々の活動記録の積りでしたが、最近は修理とは関係のない記事が多くなっています

HP41CX用 Card Reader(82104A) の修理

2023年09月10日 16時26分09秒 | Hewlett Packard Calculator
以前、ジャンクのHP82014A(カードリーダー)を入手したのですが、手付かずに放置していました。
HP41CXを使いだしたので、これを修理することにしました。

不具合箇所は下記の2つです。
1)ラッチが効かない(HP41CXへロックできない)
2)カードを吸い込まない。 
 2) については、このリーダーのよくあるトラブルで、経年劣化によるローラーの
 軟化が原因。 この修理については数多くの修理例がネット上にあります。

以上2点を修復について、留意点を記録しておきます。

1) ラッチ機構の修復
 左右のラッチの板バネは正規にはこのように組付けられています。


しかし、私の不具合品のラッチはこのように板バネを支える梁が折損しているため、
板バネを支えることが出来なくなっています。


そこで、梁の代用として0.4mm直径のワイヤで固定することとし、細い溝を作りました。
(作業し易いように、板バネは瞬間接着剤で固定してあります)


この溝にワイヤを固定しました。


同じように、もう一方のラッチもワイヤで固定しました。



2) ローラーの修復
 予想通り、ローラーが軟化し、つぶれていました。


ローラー軸を抜き取り、ローラーを取り出します。


ローラー軸を清掃した後、2つのOリングをはめ込みました。
Oリングは線径φ1.8mm, 外径φ6.1mm (内径φ2.5) を使いました。
Amazonに売っています。


組み込んだ状態です。


以上の修復後、組付けテストしました。
HP41CXに取り付けると、電源はOFFなのに、モータが回転してしまいます。
カードは挿入していません。
組付け時に何か、へまをやったようです。

3) 組付け時のトラブル(モーターが勝手に回転してしまう)
 色々原因を想像した結果、メカニカルなスイッチの問題と考えました。
関係する箇所の回路図です。


カードを入れていないのにモーターが回転してしまうのは、Card Insert Switchが
ONになってしまっているためです。

Card Insert SwitchとHead Switchです。
カードを挿入すると、先ずCard Insert Switchの先端にあるストッパ(?)が押され、
板バネSwitchが反り上がり、ONとなります。
そして、モータが回転し、カードが吸い込まれ、次にHead Switchの先端のストッパ(?)が押され、板バネが反りあがり、ONとなって、read(wirte)が始まる構造です。


そこで、カードに相当するプラスチックの薄板(幅は細め)を作成し、それぞれのスイッチを通過させ、抵抗を測定しOFFからONになるかをチェックしました。
下図はHead SwitchのOFF-ONを調べるため、端子2と3の導通チェックをしているところです。


以上のように両スイッチが常時はOFFになっていることを確認し、組付けました
上ケースを付ける前に、チェックです。
以前のように、モーターは回転せずに、正常に働き、CARD RDRを認識しています。


プログラムが正常にロードできることが確認できました。
修理が成功です。
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