あだちの再生工房 日記2

機械類の修理を楽しんでいます。その日々の活動記録の積りでしたが、最近は修理とは関係のない記事が多くなっています

SE/30 ロジックボードの修理(起動音がしない)

2022年12月28日 17時42分36秒 | OLD Macintosh
SE/30の稼働品を立て続けに2台、衝動買いしてしまいました。
稼働品とは言うものの、
1台目はフロッピーからの起動はOK.HDDは無し。起動音はOK
 入手後チェックしたところSCSIがNGで、HDDから起動できず。
 出品者はこのことは一言も触れていない。
2台目はフロッピーからの起動はOK.HDDもありで起動もOK。スピーカー起動音はNG。イヤホン音はOK。
 
簡単そうな2台目から修理をしました。

入手時のボードです。 C6が取り付けてありません。
しかもプラス側のパッドが剥離して無くなっています。
また、コンデンサの半田付けもちょっと見苦しいので、すべて取り外しチップコンデンサに交換することにしました。


C6のプラス側はSONY(UB11)の7番ピンに繋がるので、ジャンパー線で繋いでも良いのですが、今回は剥離したパッドを修復することにしました。

サンハヤトのシール基板の端子の一部を切り取り、先にハンダを多い目に盛った後、基板に接着することにしました。


基板に接着した状態です。 剥離して残っているラインはまだ半田付けしていません。


基板のラインを半田付けした状態です。 C6のパッドは+、-とも後のコンデンサをハンダ付けし易いように多い目に盛っています。


C6のチップコンデンサ(1μF/50V)をハンダ付けした状態です。


全部のコンデンサ(13個)を取り付けた状態です。


コンデンサの追加と交換で、起動音が鳴ると思っていたのですが、効果はありませんでした。
sound系統の問題なので、関係するICを拡大鏡でチェックしたところ、UA9(TL071)が動くことが見つかり、よく見ると8本の脚のうち7本がパッドから浮いていることが分かりました。
これではスピーカから音が出る訳がないです。





多分ICは生きているのでしょうが、脚を磨くのも大変なので新品のTL071を取り付けました。


その結果、起動音も鳴るようになりました。 めでたしめでたしです。
このように、治った後の快感はたまりません。
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SE/30 ロジックボードのシマシマック 解決

2022年12月23日 17時47分32秒 | OLD Macintosh
シマシマックとなったボードを2年越しにリペアしてきて、
やっと解決したので、経緯をレポートします。
(途中半年ほどはPC-9801で遊んでいたので、正確には1年半掛かりました)

紆余曲折があったものの、シマシマックの原因は下記の2つでした。
 ① CPUの故障
 ② SIMMの接触不良
CPUの故障などあり得ないと思っていたので、全部のICやPLCCの導通チェックとともに
ソケット化して個体の良否をチェックしました。
しかし、解決しないので最後にCPUを交換したことが解決の糸口になりました。

経緯を簡単に説明します。

このボードはeBayで 1999年9月に仕入れたものです。
当時のeBayにはSE/30のロジックボードも多く出品されており、
$67.6+送料$15=$82.6で1ドル106円だったので¥8750でした。
郵便局からMoneyOrderで支払う時代でした。
入手時は正常に起動していました。

オリジナル状態のボードです。


2019年7月に久しぶりに起動すると、初回はWelcomまで表示して、先に進まず。
2回目に起動すると、下図のようにシマシマックとなってしまいました。


2020年9月から修理を開始しました。

1) 電解コンデンサの交換 ==>効果なし。
2) SCSI(UI12, 53C80) をソケット化し 53C80の良否判定
 以前別のボードでこのICが故障してシマシマックになったことがあったのでチェック。==>効果なし
3) 起動音も鳴らないので、UE10もソケット化、ICの良否判定 ==>効果なし

主要なICやPLCCの導通はAppleの回路図から接続先を調べ、Excelで接続表を作成してチェックをしていました。

高知の丸真商店さんが 「SE/30 シマシマック解決支援セット」を販売されていたので、2022年1月にこれを仕入れました。
http://www.marushin-web.com/index.html

CPUやSIMM、ROM、各ICの接続表が網羅されており、同封の鮮明な回路図も役立ちました。特にPDSのバスチェッカーはDATAとAddressの接続チェックには大いに助かりました。
 
4) シマシマックに関係する3兄弟(UJ11,UK11,UK12)をソケット化、ICの良否も判定 ==>効果なし 

5) UA8-UG8_UI2-UJ4_IC新品交換
 ほぼ全部のICの導通をチェックしましたが、問題なしなので、ダメもとで新品に交換 ==>効果なし




6) 万策尽きた感じなので、意を決して全部のICをソケット化し、良否を判定しました。
その過程で、UI8(GLUE Chip)の33pinのラインが穴ぼこで断線していることが判明。
低溶融ハンダで外しただけなのでこのような穴ぼこができるはずはないので、前所有者がやったのではと思います。(しかし、この#33pinはNUBUSのラインで、シマシマックには関係ないようです)。 
線を修復しても効果はありませんでした。






FPU以外はソケット化したボードです。右のPDSに刺さっているのがPDSのバスチェッカーです。


7) FPUをソケット化 ==>効果なし
 これまででCPU,FPUを除くすべてのICは正常品であることが判明しており、断線もないことから、CPUとFPUを疑いました。

8) CPUの交換
 まさかと思い、CPUを交換したところアルペジオ音の後にシマシマックと、大きな変化が起こりました。
もとのCPUを正常なボードに差し替えると、シマシマックとなったのでどうやらCPUが
怪しいということになりました。
(この段階ではまだCPUがNGとは信じていません)

9) CPUのソケットがOKか疑いました。
オリジナルのソケットですが、なぜかピンの位置が均等ではなく、奥まっている列があります。(後で分かったことですが、このソケットは構造上このようになるので正常でした)



10) 丸ピンタイプのCPUソケットに交換 ==>効果なし
正常なCPUを差し込むと、やはりアルペジオ音の後シマシマック。
元のCPUを差し込むと、音なしのシマシマック。


11) SIMMの差し替え ==>大成功、正常に起動しました。
CPUを含めすべてのICも良品にもかかわらず、シマシマックで本当に万策尽きました。
最後に、もう一度SIMMのチェックをしました。8枚のSIMMは正常なボードで問題のなかったものですが、念のため、別のSIMMに入れ替えたところ、正常に起動。
元のSIMMをほかの正常なボードに入れると、問題なく起動するのでこのSIMMも良品です。したがって、どうやらSIMMソケットの接触不良だったようです。

今から思うとCPUを変えてアルペジオ音となったのは、かなり正常に近いことを示していたようで、
これはハードの異常、特にROMやSIMMが異常という情報発信だったようです。


今回のボードの最終の状態です。



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SE/30 logic boardのコントロールパネルの不具合 その2

2022年12月14日 15時28分55秒 | OLD Macintosh
先回、コントロールパネルでサウンドを選択するとハングアップする不具合品の
1枚目を対策し、解決しました。
今回は同じ現象の2枚目のボードを調べ、解決することができました。

1枚目と同じ現象なのでUE10を疑い、UE10の44ピンの接続先との導通をチェックしました。
ラッキーなことにUE10の3pinとアドレスA(06)との抵抗が200kΩで異常が見つかりました。

実体顕微鏡でUE10周辺を観察すると、基板のラインがところどころ浸食され、虫食い状態であることが分かりました。
3pinのラインを追跡すると、ほぼ断線に近い箇所が見つかったので、ハンダで盛って補修しました。
その結果、不具合は解消し正常にサウンドをコントロールできるようになりました。
本当にラッキーでした。

赤丸が断線状態の箇所です。(200kΩなので完全な断線ではありません)。


UE10周辺の虫食いもついでにハンダを盛って応急処置をしておきました。
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SE/30 logic boardのコントロールパネルの不具合 その1

2022年12月10日 16時33分45秒 | OLD Macintosh
Bolleのボードの移植が成功しひと段落ついたので、調子が悪いボードの修理に取り掛かりました。
現在、3枚のボードが不調で、1枚はシマシマック、他の2枚は正常に起動するのですがコントロールパネルでサウンドを選択するとハングアップする不具合品です。

何とかなりそうなコンパネの問題ボードから手を付けることとしました。

先ず1枚目
このSE/30は1999年の5月に購入したもので、初めてのSE/30です。
当時、ClassicIIやQuadra650を持っていたのですが、どうしても欲しくなり
ニフティサーブの売ります、買いますの掲示板で購入し、
浜松まで車で引き取りに行った、思い入れのあるものです。
これにDayStar Turbo 040で増強し、しばらくは順調に稼働していまた。

この写真は入手したころの写真で、一部の電解コンデンサが交換された状態で、SIMMの挿入時にクリップが折れたので、針金で固定しています。


2年ほど前にSCSIのHDDから起動できなくなったので、すべてのコンデンサをrecapしたり、SCSI 53C80のPin-11とGLUEのPin-65をジャンパー線で直結して何とか修復してきました。
このころはまだコントロールパネルのサウンド不具合はなく、順調でした。

その時の記事です(https://blog.goo.ne.jp/masaharu221208/e/ed974c135f1fa2b0c9e74ce235f1eac5)

1年前に起動チェックしたところ、サウンドのトラブルが起こったため、UE10のICの問題かと思い、これをソケット化しチェックしたのですが、ICは正常でした。未解決のまま放置していました。


今回、チェックのため起動すると状況はさらに悪化し、起動すらできずにシマシマック状態となってしまいました。
(NECのVRAMなので縦じまです)。


以前には起動できていたので、手を加えたところがまずかったのではと考え、UE10のソケットを調べたところ、半田付けしていない脚が3本ありました。以前に起動できたのはたまたま脚がパッドに接触し導通できていたようです。
そこでソケットの半田付けをやり直した結果、正常に起動でき、サウンドのハングアップも解決しました。UE10はシマシマックにも関係するようです。
(ほんとにPLCCのソケットの半田付けには泣かされます...)
 なお、PDSソケットに挿入されているのは丸真商店さんから購入したシマシマック対策のPDSバスチェッカーのボードです。
このボードや接続表には大変助けられています(一部誤記があるものの回路図で確認すれば済む話です)。

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SE/30 BOLLEのロジックボード基板への移植 その4

2022年12月08日 16時27分34秒 | OLD Macintosh
副題:予備1ボードのトラブル(半画面シマシマック)

BOLLEのボードのPLCCのソケットを改善した方法で半田付けし直した結果、当初出ていたシマシマックが解決し、すんなり起動することが出来ました。

しかし、部品取りした予備1ボードは移植の途中で半画面がシマシマックという変な不具合となり、修復が難航しました。

経緯は次の通りです。

予備1ボードの各ICを外してはBolle用に確保し、その代わりにジャンクの予備4と#6ボードから使えるICを予備1に移し、1つのICを移す毎に通電し、起動することを確認し、次のICを移植するという方法で、一歩一歩すすめ、下の写真のように大部分のパーツは順調にソケット化できました。


次に、SONYのIC(sound) UB10,UB11をソケット化し、起動したところトラブル発生です。


この画面のように、半画面が横縞のシマシマック、右半分に正常起動の画像という、奇妙なことになりました。


sonyのICがなぜ影響したの理解に苦しみ、1カ月ほど費やしてしまいました。
Appleの診断プログラムでもVRAMのfailと表示されるので、Video系の問題には違いないのですが、UC6,7,UE6~UK6のチップは正常と確認できているので、ダメもとでUA8~UG8の7つのICを新品に入れ替えました。


その結果、半画面シマシマックは解決し、このような画面になりました。 どのICが悪かったのかは分からないものの大きな進歩です。 しかし、縦の線が出ておりまだ完全な解決ではありません。


診断プログラムでもまだVideoRAMがFailとあります。


そこで再度、Video系統の断線チェックを行ったところ、UC7の20pinがDATA(27)と繋がっていないことが分かりました。
そこで20pinとUK6の15pin(DATA27)とをジャンパーでつなぐと、この画面のように縦じまが消えました。
そこで、ボードの裏面でUC7 20pinとUK6 15pinをジャンパー線で半田付けしました。


その結果、Appleの診断プログラムも正常に通過しました。


これが予備1ボードの最終的な形です。CPU,FPU以外はほとんどソケットしました。
それにしても、シマシマックが現れると心臓に悪いです。
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