シニアー個人旅行のかわら版

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西山森林公園と雲南料理・・・昆明の1日目

2010-06-03 05:09:26 | Weblog
成田空港から広州空港まで

1.広州白雲空港


7時40分広州発中国南方航空(2名430US$=40,500円)で昆明へ・・・1時間前までのチェックインなので、空港に隣接しているホテルでしたが、宿泊代118US$(ツイン11,100円)に含まれる朝食を取る時間がありませんでした。
 広州白雲空港は中国が威信をかけて建設しただけあって、その巨大さに圧倒されます。空港内の食堂で、初めての中国での朝食、牛肉と青梗菜をのせた汁の少ない麺でしたが、口に合いました。家内は、テーブルの間を巡回するカートいっぱいに載せられた万頭の1つをとりました。

2.昆明空港



2時間弱で昆明空港に到着です。写真は乗ってきた飛行機です。シャトルバスから撮りました。シャトルバスは満席でしたが、私たちが乗り込むと、若い女性二人が、席を譲ってくれました。「謝々」とお礼を言い、好意に甘えました。続いて、年配の中国人の夫妻が乗り込みましたが、やはり、席を譲られ、無言で座りました。
 中国では、年配者に席や、列の順番を譲るということが当たり前のことだと日本語ガイドの陸さん(男性)が教えてくれました。譲られた年配者は当然のこととしてその行為を受け入れ、お礼などは言わないそうです。

空港で待っていた陸さんとドライバーの陳さん(女性)とさっそく西郊外15Kほどにある西山森林公園に向かいました。車はドイツ車でどっしりとした足回りで、30キロのスーツケース2つ、大人4人が乗っていても加速十分です。
西山森林公園は雲南省最大の湖・滇池(デンチ)に沿うように海抜2,000M~2,500Mの山々が南北40キロにわたって連なりますが、昆明市自体が海抜1,900Mにありますから,町から見ると高山という感じはしません。

 空港を出るとすぐ市内に入ります。開いた窓から埃や車の排気ガスが舞い込んできます。出発前に読んだ観光案内書には、「海抜約1900メートル、三方連山に囲まれ、街の南は滇池(デンチ)と呼ばれる湖水に面している。気温22度。空気は清涼で誠に心地よい。中国の省都の中でも屈指の生活環境を誇る」とありましたが、それは人口400万当時の昆明の話・・・現在では人口600万に膨れ上がり、交通手段は自転車、オートバイ、車、バスで飽和状態・・・道路改修、地下鉄新設、市街地再開発など街のあちらこちらで工事中・・・すべてが終了し、再びかつての美しい昆明を取り戻すことを願っています。

3.西山森林公園・竜門へ



 西山森林公園地区には20以上の仏教、道教、チベット教の寺院があり、竜門石窟(道教)と華亭寺(仏教)に向かうことに・・・空港から30分足らずで松や杉の原生林の中の坂道を登り始めます。雲南省は世界最大の松茸産地、ここの原生林でも採れるのでしょうか。昆明にはキノコ料理専門店もあり、豊富なキノコ類に恵まれています。
 
 ウオーキングを楽しむ人の姿も見られ、高地トレーニングに昆明に来る日本のマラソン選手も同じ道を走るのかなどと考えているうちに駐車場に到着、10元の遊覧車にのり「竜門」に、40元の入園料を払い、くぐると願い事が叶うと言い伝えを信じて、「登竜門」に向かいます。
300年前、14年の歳月を要して、道士が、垂直に落下し滇池に没する崖をくり貫いて作ったという人ひとりがやっと行きかうことができる狭く急な曲がり石段を登ります。ここは海抜2,000M・・・息が切れます。ガイドの陸さんの話ですと、高山病にかかる観光客もいるとのこと、また、雨天の際には滑りやすい石段は危険なので登竜門までとなるそうです。



 頂上のお堂からの風景は絶景ですが、残念ながら眼下に広がる滇池は水質汚染で緑に変色、陸さんが子供の頃にはよく泳いだという面影はありません・・・その向こうに広がる昆明の町はスモッグで霞んでいました。
 陸さんが、遠くにある陸上競技場の屋根を指差し、高橋直子選手がそこを出発し、滇池を横切る橋を渡り、ここ西山森林公園周辺で高地トレーニングしていたと説明してくれました。
帰りの遊覧車に乗り込むと、売り子が何人もみやげを売ろうと近づいてきます。無視しても、動き出すまで離れようとしません。陸さんによると石林も同様だと言っていましたが、翌日の石林ではこれほどではありませんでした。

4.華亭寺へ



 次に訪れた華亭寺は、静けさに包まれていました(入場料6元)。観光客は私たちだけではなかったでしょうか・・・雲南省最大規模で,往時には境内に200あまりの建築物があり、900年の歴史のある寺院で、植栽豊かな原生林の中に佇んでいました。近年、火災により多くの建造物を失いましたが、民衆の協力や観光客の売店の売り上げで復興したと陸さんが話していました。
静かで、緑豊かな境内・・・奈良を思い出させる亀が泳ぐ池・・・いろいろな表情を見せる仏像・・・殊に五百羅漢は圧巻でした。



 中国絵画、刺繍、壷などを販売して華亭寺の運営を担っているという境内の売店に案内されました。客は私たち夫婦のみ、ボランテイアだという日本語を話す女性が一人で待っていました。お茶を入れてくれて、展示される絵画や刺繍の案内をしてくれましたが、私の家には飾るスペースもなく、購入しませんでした。落胆の表情を見せる店員には気の毒なことをしました。ガイドの陸さんからの連絡で待機していたのでしょうが・・・  

5.昆明市内へ



 午後1時を過ぎ、昆明に戻り、昼食を取ることになりました。中心街に入りましたが、市内の主要道は、交差点以外での左折(中国は左ハンドル)を避けるため中央分離帯があり、また、一方通行の道路も多く、渋滞とひっきりなしの車のホーンが耳につきます。
 陸さんがよく出入りするという「老東粥皇金尼店」に入りました。大衆的な感じのレストランで、店員は若く、お客が入ってきても、店員同士は雑談で夢中・・・陸さんが大声で呼んでいます。注文したのは5品、最も高い麻婆豆腐が20元、飲み物も入れて総計90元、1,300円(1元=14.3円)に過ぎません。麻婆豆腐というと四川省が本場ですが、隣接する雲南省でもよく食べられるようで、どのレストランにもあり、店ごとに味付けが異なり、日本のものよりずっとおいしく、三日間連続しては食べていました。

6.ホテルへ   
 ホテル「桜花酒店」に向かいました。ホテル近くの民生局という政府機関の入り口で10人くらいの初老の人々がスローガンを掲げて座り込んでいました。働いていた会社が年金を支払わないことに抗議しているのだそうです。周囲には銀行が並び、大型高級ホテルの昆明飯店が西隣にあります。



7.夕食は雲南料理店で




 夕方5時、今日のハイライト雲南料理の名店「福照楼汽鍋鶏飯店」に出かけることにしました。インターネットで名前を知り、昆明ではぜひ、訪れようと決めていました。
 汽鍋(チーコー)は素焼きの鍋で、中央に蒸気を通す煙突状の円筒があります。その鍋ごと蒸し、中央の穴から出てくる蒸気が具材の上に落ち、エキスを抽出してスープとなっていきます。本来は水を入れないでスープを作る調理法で、少々の塩と僅かな薬味の生姜だけの素朴なスープは透明、鶏のうまみが凝縮されています。この肉とスープを取り出し、雲南料理の特色である柑橘・薬草・香料などが入った独特のタレで食します。滋養食で薬膳料理の一種です。

 ホテルでタクシーを頼みましたが、桜花飯店ではタクシー会社との契約がないらしく、ベルボーイが道路に出て車をつかまえます。夕方のラッシュアワー、来るタクシー、来るタクシー、すべて乗客が乗っています。待つこと20分、ようやく空車です。ホテル備え付けのカードに、福照楼汽鍋鶏飯店の名前を書いてベルボーイが運転手に渡しましたが、道が分からないようです。やがてホテルのコンシェルジェがやって来て説明、ようやくの出発となりました。
 
 夕方の昆明の町は活気にあふれ、ネオンサインと街路樹がマッチします。あのスモッグに覆われた街は、夜になると本来の輝きを取り戻すのでしょう。乱暴な運転にひやひやしながら30分、ようやく福照楼汽鍋鶏飯店に到着、メーターは14.8元、15元を渡しました。陸さんから悪徳運転手だとあちらこちら回って30元にすることもあると聞いていましたから、良心的な運転手に出会ったようです。




 テーブルに着くと、三七とハマナスの花を加えたお茶が出されました。このお茶はかすかな苦味と甘みがあり、料理に合います。少しでも飲むと次々と注がれます。早速、28元の汽鍋鶏(小)とユリ根、胡瓜、トマト、かぶの生野菜一皿を注文しました。日本なら生野菜にマヨネーズとなるでしょうが、ここでは2種類のタレに漬けながら食べます。写真の上から二つがそのタレ、下が汽鍋鶏のタレです。どうやら、雲南料理はこのタレに秘密がありそうです。

 伝統の汽鍋鶏は絶品でした。薄味で雑味がまったくありません。中国料理というと濃い味というイメージですが、雲南料理はまったく異なります。最後に注文したグリーンピースの蒸しご飯は、日本の懐かしい味そのものでした。ジャポニカ米に似ていて粘りと甘みがありました。ビールと白酒も含めて、わずか105元!でした。
 
 大満足の食事を終え、タクシーを頼みました。ボーイと鍵を腰にぶる下げた男性が二人でタクシーを呼んでくれました。この男性はマネージャーの許濤さんで、英語を話します。名刺を貰い、この店の紹介記事をブログに書いたら送ることを約束しました。 

 途中の公園では数百人の人々が踊っているのに出会いました。初夏の夜を楽しむ人々で賑わいを見せる昆明の夜の街をホテルに向かいました。帰りのタクシーは11元でした。

福照楼汽鍋鶏飯店・北大門店 昆明市朕盟路393号 電話0871-5710/158


昆明の2日目

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