新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

「岸田文雄様、失礼致しました」

2021-08-27 08:28:33 | コラム
お見それ致しました事をお詫びします:

昨26日の岸田文雄氏の自民党総裁選挙への出馬表明の記者会見は良い意味でも衝撃的だったし、自らの不明を恥じて岸田氏にお詫びせねばなるまいと痛感していた。それは、ほんの一昨日、岸田氏が打って出られる決意であるようだとの報道に接して、下記のように述べてあったのだから。

「その菅総理・総裁の対抗馬となるだろう岸田文雄氏もまた、何が言いた いのかがハッキリしない語り口なのだ。しかも、菅義偉氏とは口下手とは違うのだが尋常ではない慎重居士で、率直に自分の意志を表明しない人物のようだ。そのお二方が次期総理・総裁の座を争うとなったら、如何なる論戦 の形になるのだろうか。」

何とnaïveにもこのように解ったような事を言ってしまったのだった。実は、あの記者会見での嘗て無かったような岸田氏の明るい表情と、何か吹っ切れたかのように公約として「自民党の幹部役員の任期を1年とし、3年を以て限度とする」と堂々と表明されたのには、下世話な表現をすれば「ぶっ飛ばされた」感があり、その衝撃の激しさに驚くだけだった。私には岸田文雄氏が変わってみせるなどとは予想だにできなかった。この声明は取りも直さず「選ばれた暁には、二階俊博幹事長を外す」と言った事と同じだったのだ。

私は既に菅内閣誕生の際に「二階幹事長を外せなかった事を以て、この内閣の命運が決まった」と評したし、二菅内閣だとも揶揄している。しかも、先頃「菅さんは何と言う事をされたのだろうか。その心理は解らないでもないが本末転倒だ」と呆れたように、菅首相は自民党本部に二階幹事長に会われるべく訪れられたのだった。CEOがCOOのオフィスに相談に出向くかと言う事。

岸田文雄論に戻ろう。政治や政界の事情など承知していない私如きが論じるのは烏滸がましいとは、百も千も承知している。だが、地味で寡黙で明るくない個性の菅義偉総理から、一夜にして変貌した嘗ては安倍前首相の下で禅譲の最有力候補だった岸田文雄氏が本当に本格的に覚醒されたのであれば、何かを変えてくれるのではないかと期待したくもなる。昨夜のPrime Newsでも専門家の論客の方々が岸田氏の変容と「二階外しの意思表示」に驚きを表明されたほど、意表を突く岸田氏が初めて見せた積極性だったと思う。

では、もし岸田氏が選ばれた場合に何をどのように変えてCOVID-19を制圧し、菅政治の何とも言えない(表現しにくい)閉塞感と、明るくない世の中を変えてくれるかは、どう考えても未知数だと思う。だが、自民党の若手の中にある「菅さんでなければ誰でも」という空気に、岸田文雄氏が最善の選択なのかなどが解る訳はない。マスコミ論調では今でも「河野太郎待望論」や「石破茂期待感」も残っている。高市早苗前総務相も推薦人の目処が立ったと言っておられる。

未だ未だ来月の29日と1ヶ月以上も先の事だが、それまでの間を岸田文雄氏が変貌した姿勢を維持できるかどうかと、その努力が如何なる結果をもたらすかに、私は大いなる期待感と興味と関心があるのだ。



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