日本銀行総裁の年俸は3,500万円:
昨10日のことだった。毎度のことで何処の局か記憶はないが「日本銀行総裁の年俸は約3,500万円、内閣総理大臣が約4,000万円」と報じていた。そもそも余り高額ではないとは承知していたつもりだったが、こう言われてしまうと「余りに低すぎるのでは」と感じた。
比較対照する先を上場企業(今なら「プライム」とでも言うのか)の社長さんたちでは、今日1億円を超えていても不思議ではないと認識している。都市銀行の頭取の地位におられる方で3,500万円の年俸という事があり得るだろうかとも思って聞いていた。
内閣総理大臣にせよ日本銀行総裁にせよ、年俸の多寡でその地位を選ぶ方はおられないだろう。後難を恐れずに言えば「この程度の年俸では激職をこなし、国家と国民の為に働こう」という意欲を削ぎはしないかとまでが心配になった。
私が知る限りでは(為替レートの問題もあるが)必ずしも高額ではないと言われているアメリカの紙パルプ産業界のCEOたちの年俸が、90年代でも1億円にも達していなかったなどという話は聞いたことがない。尤も、アメリカにはストックオプションという制度があるので、年俸のみでは高いか低いかを論じられないとも言えるが。
世間では(マスコミ論調でも良いが)国会議員は歳費の他に色々と特典があるのは如何なものかということが言われている。だが、それとても日本銀行総裁よりも高額ではあるまい。低額であれば、それなりの人材しか立候補しないのではないかという説もあると聞く。そう言うのならば、もっと思い切って高額にして人数を絞って「少数精鋭」にしたらどうかと言いたくもなる。
因みに、アメリカでは業界の専門誌が報じた、1990年代後半の我が社10代目の一族以外では2人目のCEOの年俸は200万ドルで、ストックオプションは1,200万ドルだった。$1=¥100で換算してみても年俸は2億円である。
新総裁に就任される植田和男氏は年俸の多寡を云々されないのだろうとお察し申し上げるが、決して容易ではない職務の地位に就かれて、我が国の金融を担われるのである以上、上場企業の社長たちよりも高額の年俸であっても良いだろうと思って、ニュースを見ていた。
最後に一言。「3,500万円はめっきり衰えた我が聴力が年俸の金額を聞き違えたのでなければ良いが」とも願っている。
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