新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

JR山手線の車内放送の英語に改めて物申す:

2024-05-01 06:47:45 | コラム
あのクリステル・チアリの英語の放送は可及的速やかに止めて貰いたい:

あのとても正統派とは評価できない英語を聞いていると、次のような二つの問題点が浮かんでくるので困る。それらとは、

*我が国の英語教育の至らざる点を衆目だけではなく、衆耳?に曝していること、

*JRともあろう大企業が自社の車内放送に使う英語の質に問題があることを知らなかったとは、誠に恥ずべき英語に対する理解と認識の不足である、

なのだ。

つい先日、約2ヶ月振りに山手線をほぼ一周する機会があった。この車内でイヤでも聞こえてくるクリステル・チアリさんの英語での車内放送に対しては、あれが何年前だったかに始まってから直ぐに「あの発音とアクセントとイントネーションは宜しくない。是が非でも止めるべきだ」と指摘してあった。

だが、私がいくら批判してもJRに届くこともなかったようで、未だに続けている無神経振りにウンザリさせられるのだ。何社かの民間の鉄道会社でも彼女を採用している所もあるのも誠に宜しくない流れだ。JRが採用したのだから、立派な英語だとでも思ったのか。

彼女の英語の質は親しくしている英語を正しく理解している方々の間でも厳しく批判されているし、「国辱的だ」との声さえ上がっている。私はその英語の問題点を渡部亮次郎氏主宰のメールマガジン「頂門の一針」に投稿して採用された。それを読まれたアメリカ在住のご夫妻が一時帰国された際に現実に聞かれて「指摘の通りで酷すぎる」と寄稿していただけた。そう言われてしまう程度の質の低さなのだ。

この問題点はUK出身の音楽評論家、ピーター・バラカン氏(Peter Barakan)もその著書の中で「発音とイントネーションの不自然さ」を指摘しておられたと承知している。この指摘は誠に尤もだと思って受け止めているが、私が指摘してきた一つの欠陥は、彼女が前置詞に要らざるアクセントを付けて発音する点なのである。

これが宜しくないことは、上智大学で千葉勉教授に「そういう発音をすると無学で教養がないと看做される」と厳しく指導されていた点なのである。チアリさんは日本生まれのフランス人だと理解しているが、何処でそのような英語を教えられて育ったのかという点が大いなる疑問なのだし、それを知らずして起用してしまったJRを非難したのだった。

私が問題だという点は「我が国の英語教育では何が本当の英語の発音と抑揚であるかを理解していない教師が教えておられるようなので、結果として正しいアクセントの付け方や抑揚等にまで配慮できていない事」なのである。実は、この辺りはアメリカでもある階層以下の人たちは全く心得ていないのであり、単にnative speakerであるからと言って英語を教えさせてはならないのである。

それでは「何処か問題なのか」を10数年前と同じように指摘しておこう。それは”Please change your trains here for the Tokyu-Line.”のような文章で”for”にアクセントを置いているだけではなく「フォーア」のように発音している点なのだ。正しくと言うか正調の英語では「前置詞にはアクセントを置かずに『フ』程度に発音しておくこととされている」のである。また、動詞の前の”to”なども同様にアクセントは付けずに”t”だけで充分なのだ。

彼女はこのような基本を教えられなかったのか、知らずに育ったのだろうと思う。上記の一時帰国されたご夫妻はforを「フォーア」と声高らかに発音するのを聞かれて恥ずかしかったとまで批判しておられた。敢えて言うが、これだけではなく、文章全体を聞いていても抑揚の付け方はおかしいので、聞かされている方が辛くなってくるのだ。だが、JRで担当された方は我が国の学校教育を経てこられたのだろうから、このような問題点を聞き分けるのは無理だっただろうと寧ろ同情している。

私は敢えて取り上げておくが、「英語にも(というのは日本語にも格調が高いか低いかはあるのだから)品位の問題もあれば、育ちもあれば、訛りもあれば、発声の問題等々があると認識しておくべし」なのだ。

私はこれらの点を総合的に理解していれば、アメリカ式かKing’s Englishに準拠するかを簡単に決めつける訳にも行かないとなるだろう」と認識している。だからと言って、チアリさんのような英語を良い英語だと誤認して採用するのは宜しくないと断定する。

そういう英語の正しい形を知らずして「試験の為の外国語(英語でも良いだろう)の教育に重きを置いていると見える我が国の学校教育では、これらの事柄を教えてもTOEICのような試験の役には立たないとされている」のではないかと疑っている。クリステル・チアリさんが何処の学校でどのような英語の教育を受けたのか知らないが、明らかに品位を備えていない英語を話す人たちに教えられたという結果が出ているのが宜しくない。

私はこれまでに何度も指摘してきたことは「英語を何の目的で、何処でどのように使いたいかを充分に認識した上で、深く追求するのが良いだろうと思う。その為には先ず基礎と基本をキチンと教えられておくことが重要なのである。幼稚園児や小学校の児童に現在の試験の為の英語を教えても効果は上がらない」のである。

今からでも遅くないから、チアリさんに「forを強調するのは宜しくないですよ。貴方の教養の問題です。基礎から勉強し直してから出直して下さい」と忠告(「アドバイス」ではなく)して上げたら如何だろうか。同時にJRには「御社は国の恥を曝すようなことをしたと自覚してくれ」と告知したい。


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