新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

11月12日 我が国の経済力の低下が著しい

2023-11-12 10:43:10 | コラム
世界第4位の経済大国、イヤ小国に成り下がるとか:

マスメディアは罪なき一般の視聴者を余り刺激しないように配慮したのか、落胆させてはならないと自粛しているのか、静かに我が国がドイツ(人口は我が国よりも少ない)にGDPで抜かれて第4位となり、人口が世界最大となった第5位のインドにも肉薄されたと報じている。私は「善くも、4位にでも踏み止まれたものだ」と意外な感すら抱いている。

総理大臣が20%台への支持率低迷に曝され、選んだ政務三役とやらが立て続けに問題を起こして苦境に立っている時に、財務大臣が静かに国会で「減税に引き当てると言われた税収の増加分は既に使い切ってあり、減税は国債の追加発行しかない」と言い切ってしまわれたのだ。このような事態を引き起こしていただけでも「国力が低下したな。4位で良かったな」と情けない思いに沈んでしまう。

マスコミに登場される専門家や有識者の方々は常に「実質賃金の低下傾向が止まらないにも拘わらず、円安その他の影響で物価高に歯止めがきかない。この状況下でも(大手では、の話だが)企業の内部留保は増加傾向にある」と語っておられる。経済などには暗い当方は、こういう話を聞けば「賃金が上がらないのは岸田さんの政治の所為ではなくて、内部留保にうつつを抜かしている経営者たちが悪いのでは」と思ってしまう。

確かに、故安倍総理の時代から内閣が経営者とその団体に「給与の引き上げを」としつこいほど要望されてきた。岸田総理も「経済、経済、経済」と連呼された。だが、経営者たちには「糠に釘」というか「暖簾に腕押し」の感があり、一向に景気に反映するほど上げなかったし、上がらなかった。有識者からは「大手企業だけが円安のお陰で潤って多額の利益が計上されているのだ」とも指摘されている。

かの手厳しい論客兼経営者、デイヴィッド・アトキンソン氏に言わせれば「日本に300万以上もある会社の中で90%以上(だったか?)は従業員が3.4名で、そういう極小企業では賃上げなどままならない」のだそうである。だが、私は何十年もこの手の「そんな事言ったって」
と聞かされ続けてきた。その時期にあって「原資の枯渇した減税を」と言われたのでは、不評となり支持率も下げる訳だ。

勿論、岸田さんにも一層奮励努力して頂かねばならないのだが、私は奮起をお願いするよりも物の見方を変えて大手の経営者たちに「自社を内部留保で豊かな会社にして、業績を上げようということのみを考えないで、少しはお国の為に思い切って給与を10%以上でも引き上げて、社員の可処分所得を増やして内需を喚起しようと考えても良くはないか」と進言したいのだ。

経済界側も岸田さんが担っておられる重責をいくらかでも軽減して差し上げることと、直面しておられる国の景気低迷等の苦境の切り抜け対応に、極小企業にまで及ぶような賃上げ等にまで対策を講じて、救いの手を差し伸べても良いのではないかと思うのだ。

私は「岸田さんもエコノミストの方々も物事を何か必要以上に難しく理論的に考えすぎているのではないのかな」と思うときがある。一消費者としては、税金が減るよりも可処分所得が増えるような収入そのもの(手取りの月給とか)が増える方が実質的で有効な気がするのだ。あの合計4万円とやらいう減税も貯蓄に回そうという意見の人がいた。

一般の市民の萎縮してしまった消費マインドを何とかして復活する方策を考える方が先ではないのか。減税って「これから先に取られるだろう所得税を減らして上げよう」っていう話でしょう。有り難みは薄いと思いますよ、岸田さん。



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