新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

悲しくて残念な負けた方

2024-02-04 08:21:26 | コラム
3日夜の対イランのサッカー「負けた方が弱い」のである:

あの負け方は残念で情けなかったし、選手全員と監督に失礼な言い方にはなるが「負けた方が弱かったのだ」となってしまう。これでスンニ派のイラクとシーア派のイランというイスラム教国に負けた形になった。私はイラクに負けた後で「身長と足の長さの差で負けた感が濃厚」と振り返ったが、昨夜もその辺りが敗戦の一因だったとの感を禁じ得なかった。

実は、この対イラン戦は例によって例の如くに、マスコミが何年振りだったかの「アジア制覇」だのと、大袈裟に鳴り物を入れるのが非常に気になっていた。さらに、「この試合はもしかすると、悪い結果に?」と言う閃きが来ていていたので、不安な感じがしていた。そこに思いもかけなかった伊東純也の離脱という案件が発生し、どうやって穴埋めするかが問題かなと見ていた。

中継を見ておられた方は「松木安太郎が常に希望的観測を交えた説明(言いたくはないが、あれは解説とは言えない応援団長の弁であろう)に惑わされて『何とかして勝つだろう』と信じ込まされていたのではないか」と危惧していた。それは「イランは2日前にPK戦までやっているので疲労しているだろう」とか「(後半の半ば過ぎの)イランの猛攻を切り抜けて、最終的には何とか勝ってくれる」などと繰り返して強調していた点を言うのだ。

ところが、前半は先取点も取ったし互角に試合を進めていたが、後半になると疲労していたはずのイランは一人も交代することなく進行し、後半の後半になるや、恰もそれがゲームプランだったかのように(松木も認めていた)ディフェンスの裏を取る縦一発や、ロングボールを蹴り込んで手薄になっていた我が方のバックスとの競争を執拗に仕掛けてきたのだった。結果としては、1点目はゴール寸前の競り合いで抜き去られての失点となった。

恐らく、「この裏を狙う攻め方は、最初から組み込まれていたプレーなのだろう」と読まされた。特に身長差は歴然としていたので、ヘディングの競り合いは大方負けていたし、我が方の中盤での寄せが遅かったし、こぼれ球を殆ど取れなかったので、縦パスを蹴り込む役のミッドフィルダー的な存在を抑え切れていなかった。

残念ながら松木の希望的観測が外れて、アデイショナルタイムにペナルテイーエリア内でイランの攻め込みを防ぎきれずにPKと判定された足をかけて倒す失態となった。

改めて振り返れば、前田大然では伊東純也の穴埋めにはならなかったし、トップ下に置かれた久保建英を活かし切れていなかっただけではなく、小柄な彼は大柄なイラン勢との競り合いでは体を寄せられて押し潰されていた。また、マスコミが持ち上げていた上田綺世は未だ力不足だと露呈していたのも困ったことだった。悪かったことばかりを挙げていくが、これがこれから先に改善/修正すべき点だからだ。

私には「未だ成長途上で代表に使うのは?」としか見えなかったのが鈴木彩艶(Zion)君。出場した全試合で失点したというGKは見たことがない。彼は前に出る判断が遅いし、位置取りが悪いし、パンチングの仕方も訓練不足だ。私の目には「自信(経験?)不足が余りにも明らかで不安」だった。

これらにもまして不愉快だったのが「吉田麻也がいなくても出来た、ディフェンス間の無意味に時間を空費する横と後ろへのパス交換」を挙げたい。アナウンサーも指摘していたことで、前線にいた者どもが動かず、スペースを狙って走り込みもせず、静止画を見ているようなサッカーをやっていたのは余りにも不甲斐なかった。特に後半に動きがないのが目立っていたのは、中2日でバッテリーが上がってしまったのはこちらのことだったかと疑った。

イラクに負けた後では「身長と足の長さの差を補う為には敏捷性を活かせば」と指摘しておいた。だが、昨夜はイランと比べて小柄な我が方は堂安を除いては敏捷に動いて体格と身長の差を補う努力が出来ていなかった。それにしても、森保監督はイラン勢よりも疲労が見えた我が方で、交代に出したのが三苫と南野のだけとは何なのだろう。三苫はマークされると解りきっていたのだから、何故もっと早く使わなかったのだろう。

結論としては「負けてしまったが、改善乃至は修正すべき点が多々見えたのは、ここから先を考えれば必ずしもマイナスではない」のかも知れない。中近東勢が小汚い振る舞いや狡賢い反則を仕掛けてくるのは解っていたはずなのに、その対策が不十分だったのも、結果的には敗因ではないか。