新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

北京五輪の外交的ボイコット

2021-12-09 09:27:39 | コラム
岸田内閣の態度か方針は未だに曖昧だ:

矢張りというか何と言うか、岸田総理も官房長官も林外務大臣も今までの所態度を鮮明にしていない、高市政調会長は外交的ボイコットを主張していたが。そこにUKとオーストラリアが参加した。中国の報道官は「外交使節団が来なくても、オリンピックが開催されることは変わらない」と例によって高飛車な姿勢を見せていた。ここまでは全く当方の予想通りの展開である。何れはG6かG5が同調してしまうだろうから、その後になってから態度を決めるのは、如何にも後出し的であり、少しみっともないのではないかという気がしている。

中には弥縫策で室伏スポーツ庁長官か山下JOC会長の派遣もあるとの報道もあった。だが、ここまでかなり岸田色を鮮明に打ち出して来られた総理も、矢張り中国が相手の外交案件ともなると、多少懸念されていた優柔不断振りが見えるように思えてならない。もしも何れはボイコットに踏み切るのであれば、言い訳的なことをモゴモゴ言わずに結論を発表するまでは黙っていた方が良いように思えるのだ。

私はこの「外交的ボイコット」(=diplomatic boycott)という表現を何処の何方が言い出したのか知らないが、アメリカのジェン・サキ(Jen Psaki)報道官は発表する記者会見ではボイコットという言葉を使わなかった。また使節団では“representative”だった。UKのジョンソン首相はハッキリと“diplomatic boycott”という表現を使っておられた。私には選手団は派遣するのであれば、ボイコットではないように思えてならないのだ。

そこで、英語の講釈であるがOxfordでは“to refuse to buy, use or take part in ~ as a way of protecting”となっていた。ここからだけ考えると、選手団も送らないことになるので、頭にdiplomaticを付けて中国との軋轢を回避しようとしたかの如くに感じたのだ。既に述べたように、岸田総理は仲間内だったはずのG7から何とも難しい踏み絵を突きつけられたと思えてならない。

余談だが、ジーニアス英和ではBoycottは人の名字であるとあり、どの辞書を見ても発音記号は「ボイカット」か「ボイカート」となっていた。