16*◎8『世界と人間の歴史・世界篇』その後の全球凍結と生物たち(約22億年~約5億4200万年前)

2018-11-13 22:03:18 | Weblog

16*8『世界と人間の歴史・世界篇』その後の全球凍結と生物たち(約22億年~約5億4200万年前)

 約15億年前に、生物たちにとってさらなる転機が訪れたのではないか。約25億年前からカンブリア紀の前までが「原生代」と呼ばれる。彼らの中で、有性生殖をする種が現れたのだ。生物の生存の変化には地球環境の変化も重要で、十数億年前には、それまでの複数の大陸が集まってゴンドワナ大陸となり、古生代に入ると、その他の大陸も加えて超大陸パンゲアが形づくられたと考えられている。

ドイツの気象学者A・ウェーゲナーが、大陸移動説として提唱し、後にプレートテクニクス理論と結びついて、この説の正しさが認められた。それからも時を重ね、約8~6億年前の全球凍結の頃にさしかかっていく。その頃の海には、酸素が一杯に溶ける迄になっていたのではないか。ちなみに、古生代以降は、顕世代としてまとめて語られる。
 さらに時間が経過してゆき、およそ7億年前に再び、この地球に全球凍結があったと推定されており、スターチアン氷河時代と呼ばれる。
 その後、およそ6億5000万年前にもスノーボード・アイス(全球凍結)があったとされ、こちらはマリノアン氷河時代と呼ばれる(全球凍結に至らない規模での氷河時代もあることに留意されたい)。現代では、この2度目のスノーボード・アイスの直前あたり、約5億7000年前あたりで、多細胞生物が多種多様な形で出現したことが分かっている。

具体的には、オーストラリア、アデレートの北方にある、エディアカラ丘陵において、実に様々な形をした軟体性の生物化石が大量に出土している。多細胞ながら、固い殻や骨格というものがなく、軟体部のみからなっていたので、概して平たいものが多かったようだ。大きなものは1メートルを超える。
 これらは、1946年にオーストラリアの地質学者レッグ・スプリッグにより発見された。そのため、「エディアカラ生物群」と呼ばれる。そこでは、数え切れないほどの「エディアカラ化石群」の名で知られる化石が折り重なって、地層を形成していた。

それからは、オーストラリア以外でも、ロシアのホワイトシー、カナダのニューファンドランド島などでも同様の化石が発見されている。このため、今日ではエディアカラ生(動)物群は世界に広く分布していたこととされている。殻や骨格を持たないので、化石としては遺りにくいに違いない。

そんな中でも、グロスモーン国立公園を擁するカナダのニューファンドランド島のそれは、噴火による火山灰が彼らの棲息していた海底に積もっていったため、化石が程よく保存されたものと見える。原生代末の最後のスノーボード・アイスが終わって直後の約5億7000万年前頃の地層から見つかっている。

そのポイントだが、この島のアバロン半島南端にある、全長約17キロメートルもある断崖だ。ここに先カンブリア紀末期にエディアカラ生物群が生息していた。そもそもこの地域では、大陸の移動の始まった約6億年前に北アメリカ大陸とユーラシア大陸のヨーロッパ部分が分離し始め、その間隙を通って地殻下部のマントルが上昇して間を埋めかけていた。

やがて、今度は両大陸が押し合うようになる。すると、大西洋プレートが北アメリカ大陸のカナダ側へと沈み込む過程で、その一部がめくれ上がり、地下深くのマントルごと地上に飛び出した。言い換えると、海洋プレートとマントルの一部が地上へと押し上げられた。

やがてプレート表面が冷え、風化ないし降雪や雨に晒されていると、地表にマントルそのものが露出して現在の地形となった。

こうして、かつては海の底にあったエディアカラの化石群が私たちの眼前に現れた、と考えられている。ともあれ、これらで出土した化石は、約38億年前の最初の単細胞生物から、初の多細胞生物まで約32億年をかけて、ようやくここまでたどり着いた訳だ。
 いずれの化石も、輪郭がぼやけていて、跡という形だけが残るものが多く、軟体質の生物が多かったことを予想させる。もっとも、これらの化石が生物として生きていた時、ディアカラ生物群を初の多細胞生物ではないと考える説もあって、学説はいまだどれとも定まっていない。一つは、エディアカラ生物群以前に、原生代中期に小型の多細胞生物がすでに誕生していたという。もう一つは、エディアカラ動物群は巨大な単細胞生物だという。
 彼ら光合成生物のさらなる大量出現は、それまでの有機物形成とその海底への堆積のスピードを早めことであろう。この過程は、酸素の放出過程でもあった筈だ。つまり、プランクトンなど多細胞生物の大量出現により、有機物の海底への沈降量が飛躍的に増えていき、二酸化炭素(CO2)固定効率の上がったのではないかと考えるのである。
 ところが、このエディアカラ生物群は、古生代のカンブリア紀直前のヴェンド紀とカンブリア紀の境界(V/C boundary)の時期に大量に死んでいく。これを「エディアカラ大絶滅」といい、そのなかでわずかに生き残ったものたちが、その後の「カンブリアの生物大爆発」へとつながっていくのである。

(続く)

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