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休日のバッハ(9.3.11)

2011-09-03 12:03:03 | 休日のバッハ
今日の「休日のバッハ」は、カンタータ第206番(しのび流れよ、戯るる波)から、第5曲のテノールのアリアです。1736年10月7日に初演。その3年前の同じ日に生まれた、ザクセン選帝候でありポーランドの王だったアウグスト3世の誕生日を祝うために作曲されました。

この3年間のブランクがあった理由は、当時の戦争によるものと、バッハ自身が他のことに忙しかったためです。1772年のポーランド第一次分割から、1795年には当時のロシア帝国、プロイセン王国、そしてオーストリア帝国によって、第三次ポーランド分割が行われておりますが、それ以前の時期の曲ですね。

この曲では、通常のカンタータと同様に、4人のソロイストが歌っておりますが、それぞれはポーランドの次の4つの川に模されております。

 -the Pleisse(ソプラノ)
 -the Danube(アルト)
 -the Elbe(テノール)
 -the Vistual(バス)

このヴァイオリンのオブリガートを伴ったテノールのアリア、誕生日のお祝いの曲にしては、少し哀愁に充ち満ちた独特の曲想を持っており、筆者のお気に入りの曲です。背後のヴァイオリンと通奏低音も、実に控えめながら、きっちりとテノールの歌声を支えております。

コープマンとかリリングの録音が出ているようですが、筆者が持っている206番の唯一のCDは、アンドレ・リュウ指揮のアムステルダム室内管弦楽団のものです。

歌詞は、今回は適切なものがネット上でも見つからず、省略させて頂きます。

様々な帝国により分割を繰り返していく、その後のポーランド、そしてあのアウシュビッツにまで至る1つの国の盛衰について思いを馳せたくなるような曲です。

いつものようにここをクリックして、ウィンドウズ・メディア・プレイヤーでお聴き下さい。期間限定の公開です。

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