埼玉 寄居町・深谷市・熊谷市 ピアノ教室Andante/アンダンテ

~「音楽は楽しい!」から「本物の音楽」へつながるレッスン~

“小耳time”始めました。

2009年09月29日 | レッスンの出来事
ピアノランド勉強会でご一緒している先生のブログで、
レッスンの入れ替えの時間を利用して、鑑賞をされているというのを読み、nice ideaと思ったので、真似させてもらった。


とは言っても、ブログに書かれていたのは、もうずいぶん前で、
やろうやろうと思っていた未完了に手をつけることができて、ホッとしているところ



今、バロックの曲を弾いている生徒が多いので、まずはバロックの曲を流している。

ペツォルト(伝バッハ)/メヌエット ト長調、ト短調  チェンバロでの演奏
ラモー/鳥のさえずり
J.S.バッハ/トッカータとフーガ ニ短調
ヘンデル/水上の音楽
ヘンデル/オンブラマイフ CHISA&MINOの演奏(アレンジが加えられている)


私の好みが存分に発揮されてた選曲なので、偏りはあると思うが、
準備や片づけをしている少しの時間に、生徒たちの“小耳”から潜在意識へと入れていく作戦


生徒たちの様子を見ていても、意外とお家で音楽を聴く時間は少ないように思う。

近場でのコンサートのお知らせをしても、出かけるお家は限られている。

「今、弾いている曲のCDを聞いてみて」「DVDを見てみて」と勧めてみても、「聞いてみました」という声はごくわずか…


でも、世の中には、ステキな曲がたくさんあって、素晴らしい演奏をする方がたくさんいる


私の演奏で満足してもらえるのは、うれしいことだけど、もっと幅を広げていけたらいいな。


そんなことを考えていたら、夫にも音楽を聴く習慣がないことに気付いた

だからか…。何やら思い当たることもあったので、夕食時に音楽を流し始めた。


先週から始めた“小耳time”。
どんな形で効果が表れるでしょうか?

子どもが育つ魔法の言葉 

2009年09月28日 | 
「子どもが育つ魔法の言葉」 ドロシー・ロー・ノルト (PHP出版)

言わずと知れたベストセラーの本。

とても読みやすく、一気に読み終えた。

そして、繰り返し読んでも、うなずいたり、気付かされたりする。



人間、誰もが「自分の気持ちを分かって欲しい」と思っていると思う。

もちろん、私も。

でも、「分かってもらえない」と思うことも多い。

それを繰り返し、「私は、理解されない“はみ出た人間”」と永く思ってきた。


でも最近、生徒たちの心に寄り添えるようになってきて、
「たまたま、私の心に寄り添ってくれる人が、周りにいなかっただけなんだ」と気付いて、ちょっとホッとした。


もっと早くに出会えていたら、こんなに強がりにならなかったかもと思えた本


子どもを持つ親に向けて書かれた本だけど、
大人同士の関わり方にこそ、重要と思われることがたくさん書かれている。


良いことがたくさん書かれているので、うまくまとめることができない
けれど、印象に残ったことと併せて感想を書いてみた。


子どもを信じる

  「あなたならできる」と信じ、励まし、見守る。

  叱るときは、子どもの人格に対してではなく、行動に対して。
  そして、どうすべきだったかを考えさせる。

  子どもを信じることで、子どもの中に価値観や信念が生まれる。
  信念のある人間は、人生の苦難にも勇敢に立ち向かい、自信を持って人生を歩んでいくことができる。

  …“信じる”ことは、とても難しいことだと思う。
   特に、近くにいればいるほど、欠点だって多く見えてくる。
   でも、その前に長所がたくさんあって、すばらしい可能性もたくさんあることを忘れてはいけない。

   “自分信じる”ことができたら、人を信じることもできるのではないかと、私は思っている。


親自身が、子どもに恥じない言動をする
   
   完璧な手本である必要はない。謝るべきときには謝り、許しあうことも必要。

   自分自身の欠点も長所も素直に受け入れ、己の幸福を“幸福”とする親の姿が、何よりの手本。

   自他の違いを認識し、人の弱さや欠点を広い心で受け入れられれば、家庭は、子どもが心から安らげる暖かい場所になるでしょう。

   ちょっとした不都合や不便にいちいち腹を立てていては、待つこと、我慢することを教えることはできない。

   親の心配性は、気づかぬうちに子どもに伝染し、子どもの心を暗くします。

   夫婦が互いに敬い合い、どのように互いの不満を解消しているかを見て、子どもはコミュニケーションのとり方を学びます。

   …冒頭に「子は親の鏡」という詩があるが、まさに「鏡」。
    子どもの行動を見て、戒めなくてはいけないのは、子どもではなく自分なのだと感じた。

    レッスンをしていても、生徒たちの言動から、自分を顧みたり、学んだりすることは多い。

    生徒があってこそ“先生”として成長できる。
    それは、“親”であっても同じことなのだろう。


   
私には子どもがいないので、毎日の生活の中で子どもと向き合うことの大変さは、計り知れない。

でも、レッスンの短い時間の中でも、生徒たちを認め、信じ、思いやることは十分にできる。

それが、生徒たちの人生の支えの一部にでもなれたら、うれしい


そして、親子の礎は“夫婦”に、家族の礎も“夫婦”にあることが強調されていたように思った。

そういえば、夫を信じることも、敬うことも、足りない気がする…。

大切なことに気付けた本。

折に触れ、読み返したい

ブレない手

2009年09月25日 | レッスンの出来事
以前に「ブレない自分」について(“こころ”のカテゴリー)書いた。

最近、「ブレない手」の大切さを感じる。

「ブレない自分」も「ブレない手」も基本は同じ。


片手ずつは弾けるのに、両手になると弾けないことはよくある。

このとき、「弾けないのは何が原因?」「どういう練習をしたら弾けるようになる?」と聞く。

生徒たちは、さっきの自分の演奏を分析する。

そして、心当たりのある原因や、練習のアイデアを話し合う。

その練習をしてから、もう一度両手にしてみる。


それで、弾けるようになったり、弾ける気配を感じたりすれば、後はお家で練習すれば大丈夫


それで弾けない場合……共通点があることに気付いた

それが「ブレない手」。


両手で弾けないのは、両方へ気持ちが入りきっていないから。

こう考えると、ピアノってホント難しい

これを反復練習のみで弾けるようにするのは、最後の砦にしておきたい

片手ずつはある程度弾けているので、気持ちの問題が大きいと思う。


で、


その部分で要になっている手(たいてい左手)を「ブレない手」にすればいい

生徒によっていろいろだけど、目をつぶって弾いてみたり、これでもか!というほど大きな音で弾いてみたり、
とにかく自信を持って、何が起きてもそれを弾き続けられるようにしてしまえば、
もう片方の手を入れたら「あら不思議」っていうくらいに簡単に両手が弾けちゃう


どっちかの手に流されてしまう手でいるときは、両手が交わらない。

両方の手がはっきりした意志を持って弾いていれば、両手にしたら相乗効果


アンサンブルも、そう!

相手が何を弾こうと、自分の信じた演奏ができれば、合わせることは簡単



生徒たちによく話すこと。

以前に聞きに行った2台ピアノのコンサートの最中に、停電

もちろん、ステージも真っ暗

でも、そのお二人は弾き続けた

演奏後の拍手や歓声は、その素晴らしさをたたえるものだった。

「そんなふうに、何が起きても動じずに弾けるようにね」と。



ちょっと話がそれたけど…、

自信の有無は、ちゃんと手に表れる。

気持ちが入っているかどうかも、手に表れる




橋本武夫先生 講演

2009年09月24日 | セミナー
2009年9月22日(火) 銀座 山野楽器


昨日書いた、ボディーパーカッションのワークショップは3部構成になっていて、
第1,3部が、ボディーパーカッションのワークショップで、
第2部は、久留米市の聖マリア病院で小児科医をされている橋本武夫先生の講演だった。

“乳幼児のタッチケアの効果から見たボディーパーカッションの魅力”

これがとても興味深かった

以下は、覚え書き。



今の子どもの問題
  ・子どもが抱かれていない。
    保育園に来る乳幼児で、保育士が抱くのを嫌がる子がいる。

  ・子どもが遊べていない。
    周りの大人が「危ない!」と言いすぎる。子どもが怪我を怖がる。

  ・家主と先生の響育が衰退している。
    家庭に“親父”が存在せず、“お母さん”が二人いる状態。
    家訓のない家が多い。
    家庭のルールを知らない子は、社会のルールを守ることは難しい。


愛着形成
   生後6~8ヶ月ごろに、特定の人に好意や安心感をもつ“愛着”が形成される。

   そのときに大切なのが“抱いて、語りかけて、おっぱい”


カンガルーケア
   出産直後、赤ちゃんを素肌に抱くこと。
   少しすると、赤ちゃんがお母さんの乳首に吸い付く。
   これは、お母さんの乳首からフェロモンが出ていて、赤ちゃんの嗅覚がそれを求めていくそう。

   出産後、赤ちゃんは覚醒ホルモン「カテコーラミン」が出て、お母さんは、愛情ホルモン、催乳ホルモンと呼ばれる「プロラクチン」が出る。
   これによって、お母さんには自然に母性が生まれる。


お母さんの百面相が、最高のおもちゃ
   コミュニケーションの60%は表情から。
   
   保育器で育った未熟児の赤ちゃんが、退院後笑わない。
   それは、医師や看護師が、マスクをして表情を見せていなかったから。その後、聖マリア病院では、マスクを外したそう。


タッチケア 
   赤ちゃんの素肌に触れ、語りかけながらマッサージする。
   これによって、お母さんに「育てる力」、赤ちゃんに「育つ力」が生まれる。


10歳までに、神経が末端まで出来上がる。
   3歳は、いたずら期。自我の目覚め。
   10歳までに、友だちの中でルールを学ぶ。
   ケンカの仕方、上手な逃げ方を学べていれば、その後、さまざまなことを乗り越えていける力になる。


ボディーパーカッションとの関係
   ボディーパーカッションは、子どもたちの社会問題、育児学と直結している。
 
   一人の子を粗末にしたら、教育は光を失う。

   タッチケアもボディーパーカッションも、触れ合いがもたらす“親愛効果”がある。


HUGは百薬の長なり
   HUG=すべてを受け止める。

ボディーパーカッション ワークショップ

2009年09月23日 | セミナー
2009年9月22日(火) 銀座 山野楽器 山田俊之先生

ボディーパーカッションは、簡単に言えば、体を打楽器のように叩いて楽しむもの

以前に発表会で、ボディーパーカッションを取り入れて好評だった。

それは、本で読んだだけだったので、いつか実際の様子を見てみたい、セミナーに行きたいと思っていたのが、やっと行けた


ボディーパーカッションは、音楽性を育てる、豊かにするということよりも、コミュニケーション能力を養う目的を持っている。


山田先生自身は小学校の教員で、クラスの協調性を高めるために効果があったそう。



山田先生がおっしゃっていたこと。
「間違え」はない。間違えても笑える、ごまかせる気持ちが大事。

難しいことをやると緊張感ができてしまうので、楽しんでやれることを。

全員が絶対にできることを必ず1つ入れる。

先生がやっている指揮を生徒たちにやらせたり、自分の作ったものをみんなが真似たりすることで、自尊感情を向上できる。
  間違えはないし、即興的にできるので、“みんなに認められた”という成功体験を積み重ねていくことができる。



内容は、私の覚え書きになっているので、細かいです…

・マーチやサンバのリズムに乗って移動→指定された人数で集まって簡単な自己紹介(テーマを設けるといい)

  コミュニケーション能力が低いと、「集まる」ということができない。
  近くにいる人同士で、声を掛け合って「集まる」ことが大切。

・ハンカチを回したら拍手、投げたら拍手。
  フェイントをすると、子どもたちは大興奮

・手を回したら拍手。
  肩から、手首からなど回す大きさで、拍手の音量も変える。

・両手を互い違いに上下に動かし、交わるタイミングで、手を叩かせる。
  これと手を回すのを組み合わせる。

これらは子どもでもできることなので、ドキドキしながらもやって、
認められる(みんなが自分を見てやってくれる)成功体験を積み重ねていくと、人前に出ることや、コミュニケーションをとることに積極的になれる。

・“トン、トン、トン”のリズムで、手・お腹・ひざ・おしり・肩・おでこを叩く。

  先生がやるのを見て真似して叩く。コール・アンド・レスポンス・

  生徒たちの様子を見て、簡単なことから、ちょっと刺激のあるレベルも入れ、最後は全員が絶対にできることで終える。

  下から上、上から下、同じところを2回、などは簡単。

・「手拍子の花束」3~4パートでできる、山田先生の曲。

  生徒たちのレベルによって、リズムを変えたり、回数を変えたり、足を加えたりするとよい。
  自由に創作できる場面も作る。少人数で相談したり、大人数で相談したりしてオリジナルを作っていく過程が大切。

  創作には「引き出し」が必要。ほかの人のを見て学ぶ。  


・興奮してくると、テンポが速くなる。
  それを無理やりきっちりしたテンポに抑えようとすると、緊張感が出てくるので、上手に心を落ち着けさせることが大切。

・「手拍子の花束」を「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」に応用することができる。


これらを実際にやっている幼児や養護学校の生徒たちの様子をビデオで見せてくださった。

みんな楽しそうで、一生懸命で、簡単なことだけど、みんなで楽しさを分かち合っているのが、見ている私たちにも伝わってきた



私の教室には、ありがたいことに、子どもでも大人でも、ステージを怖がって発表会に出たがらない生徒がいない。

「出たくない」と私に言えない雰囲気があるのかもしれないけれど


ステージで演奏するということは、自分をさらけだすのと同じ。
だから、誰でも「自分の演奏を認めてもらえないんじゃないか」「間違ったら笑われるんじゃないか」という不安を抱える。

でも、ボディーパーカッションを普段から取り入れることで、
「自分をさらけ出しても認めてもらえるんだ!」「間違っても平気なんだ!」と安心感を生徒たちに与えることができる気がした