先日読んだ、金子由紀子さんの『毎日をちょっぴりていねいに暮らす43のヒント』の中に、
「手づくり・無添加の梅干しが高いワケ」というのがありました。
スーパーで売られている梅干しは、
安いけど、原材料名にいろいろ書かれている。
古い乾物屋さんの原材料名に
「梅・塩」だけ表示されている梅干しは高い。
おいしいのは「梅・塩」のみの梅干し。
乾物屋さんに、梅・塩だけのほうがなぜ高いのか尋ねたら、
「時間だよ。時間と手間がかかっている分高いんだよ。」と。
この世でいちばん高価のは「時間」なんだ!
そうなんですよね。
世の中に出回っているものの多くは、
コストを下げ、生産量を上げるために、
薬のようなものを使い、それらしき味にしている。
梅干しを作っている母の様子を見ていると、
お天気を見ながら、干したりしまったり…。
そんな手間のかかること、私にはできないので
もらって食べる専門だけど
本来、食べ物には、その手間と時間が必要なのですよね。
音楽だってそう
以前に、どこかで、
お金持ちが、どんなにお金を積んで、
「明日までにピアノを弾けるようにしてほしい」と願っても、
その願いが叶うことはないのです。
毎日練習するから、弾けるようになったのよ。」
というお話をうかがったことがあります。
練習という名の手間と時間をかけているから、
弾けなかった曲が弾けるようになるんですよね。
おぉ!“手間”も“時間”も、どちらも“間”という漢字が使われてる
きっと、この“間”が大事なのね。
練習した時間を時給で換算したら、ものすごいことになりそう
自分で曲が作れるようになって知ったのも、手間と時間
やってきたメロディーを歌い、ピアノで弾き、
忘れないように五線譜にメモる
それから、私の場合、コードがあやふやなものだから、
ちゃんとコードがつくまでに、
あぁでもない、こぉでもない、と弾いたり書いたり消したりの繰り返し
コードができたら、アレンジはどうしよう?
アレンジができあがったら、五線譜に清書。
これがまた、手間がかかる
頭の中にイメージできているものが、
コピーのようにピッ
と出てきたらいいのに…と何度思うことか
でも、その手間と時間が“音楽”になるんだなぁと思います。
曲を作っている時間、ピアノを練習している時間、
コンビニにバイトに行っていたら、一体いくら稼げるのでしょう
それがいくら稼げるとしても、
私には、お金にはならないピアノと過ごす時間のほうが大切。
そんなことにやっと気付いて、
今、たっぷりと私に与えられている時間を愛おしく思えるようになりました