埼玉 寄居町・深谷市・熊谷市 ピアノ教室Andante/アンダンテ

~「音楽は楽しい!」から「本物の音楽」へつながるレッスン~

のぼりおり

2009年08月10日 | ピアノランド
プレ・ピアノランド2で「のぼりおりゲーム」というのが出てくる。

メロディーの「のぼるとことろ」と「おりるところ」を調べて、心をこめて歌いましょう、というもの。

シドレミの4つの音で作られている小さな曲のときに、出てくる。

この時点で、音の起伏を表現して歌うことを身につけさせる。


その前のプレ・ピアノランド1に出てくる「のぼりおりゲーム」は、
先生がピアノで弾いた音列を聞いて、「のぼる」か「おりる」かを聞き分けるもの。

一般的には、「のぼる」「おりる」ではなく、「あがる」「さがる」という言葉を使う。

それをあえて「のぼる」「おりる」としている意図は、その言葉のほうが“意志”があるから、と。

確かに「あがる」「さがる」は、エスカレーターのように動かされている感じだけど、
「のぼる」「おりる」は、自分で坂道を歩いている感じ。


プレ・ピアノランド1では、歌うときに「のぼりおりゲーム」の課題はないが、
ドレだけの曲のときも、“ドの気持ち、レの気持ちになりきる”、“ドとレの音程感を感じて”と、
樹原先生は何度もおっしゃっていた。


これらプレピ1,2をレッスンしているころは、それほど重要と思わずに、「のぼりおりゲーム」をレッスンしていた。


ちょうどマスターコースに通っていたころに、プレピ1,2のレッスンをしていた生徒が多かった。

その子たちが今、そのとき歌っていた曲を次々にピアノで弾いている。


そしたら、「のぼりおり」なんて言わなくても、ちゃんと感じて弾いている

ドレだけの曲でも。シドレだけの曲でも。

平坦だなと思っても、「のぼるきもち、おりるきもちは?」「レの音、感じてる?」と聞くだけで、演奏が変わる!

初めて弾く曲であっても、「のぼりおり」が理解できて、表現しようとしている!

それを目の当たりにして、改めてピアノランドと子どもたちの素晴らしさに感動


感じたように歌い、歌ったように弾く。

この作業を素直な心でやっている。



私は、学生のころから先生に「うたいすぎ」とよく言われていた。

うたう曲のほうが得意で、敏捷性を求められる曲は苦手…。

なので、ピアノ講師になってから、生徒に「うたって」と言っても、うまく伝わらない。

「うたうって、どうしたらいいんですか?」と聞かれることもある。

その根本が、「のぼりおり」であることに最近やっと気づいた。


平坦な演奏には、「のぼりおり」がない。

弾いている本人も、「のぼりおり」を感じていない。

でも、感じれば音に表れる。

単純だけど、大切なこと。


もうずいぶん前に行った、椙山知子先生のセミナーで、メロディーの動きに合わせて、
やわらかい布をひらひらさせていたのが印象的だった。

小さな子どもたちに、さまざまな音楽を聞かせながら、その布で音楽を感じさせているというお話で、とても興味深かったのを覚えている。

これも「のぼりおり」を布で表現することから、音楽を表現することが始まっているのだろう。


これからも大切にしていきたいこと。

生徒たちの演奏の「のぼりおり」を聞き逃さないようにしたい。

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