どうしようもなく興味のない建築史のテキストも
近世までは来て
ようやく勉強してよかったという実感がわいてきた
そしてサブテキストに月刊PENのバックナンバーを取り寄せた
これはギリシャ・ローマ特集をしていた最近刊を見て
中に記されていたからだ
その中には漫画家ヤマザキマリがハドリアヌス帝について記していた
ヤマザキマリのプロフィールに
バックナンバーにもエッセイを書いたと載っていた
ヤマザキマリとは、
かの「テルマエ・ロマエ」の原作者なのだ
知性派とは聞いていたけれど
いったい何者
そう
バックナンバーを取り寄せた理由は
レポートのためでもあるけれど
ヤマザキマリについて
もっと知りたいからだった
取り寄せた本の目当てのページを読みだしてほんの書き出しのところで読むのをやめた
あまりに面白すぎ
ふつうに読むのはもったいないと思えたから
ごちそうはちゃんとそれなりの環境をととのえてから
頂戴すべきだ
それはルネッサンスの建築家パッラーディオについて書かれたものなのだが
なぜ彼女がパッラーディオにひかれたか
に至るまでの彼女の人生が書かれていた
14歳でヨーロッパを一人旅したときに話しかけてきたマルコという老人
それによって彼女の人生は180度変わってしまう
人との出会いがこんなにも大きな意味を持つ面白さ
面白くするだけの度量が彼女にはあったともいえる
ヤマザキマリの文は
マエストロの腕を持つ職人が作った馬車に乗ったように
危なげなく極上の乗り心地で目的地へ連れていってくれる
漫画界の人にはもうしわけないけれど
私は感覚的に漫画やアニメの画風が好きになれない
ヤマザキマリほどの知性があるなら
大作の作文を著してもらいたい。
必ずや塩野七生を超えるヨーロッパの男たちの話が書けるに違いない
たぶん一時期札幌のローカル局で生活のために
タレントみたいなこともしていたので
そんな表情で写真はうつっているが
もっと別の路線を期待する
というわけで
月刊PENは置いといて
またテキストに戻らねば
“フランスルネサンスに伝統的な両翼部の頂部飾りや急勾配の寄棟屋根を放棄し、
イタリア風の手摺のある陸屋根を用いることにより、ファサード全体をペディメントを
冠した中央部に従属させただけでなく、内壁が後退することによって独立して立つ
コロネードによって滑らかなスクリーンを作り上げた。ここに見られる、主知的な
空間の拡張性と中心志向性は、建築対象に限らずこの時代のフランス古典主義に
反映されている”
ウハアー
こんな文読まされてあくびもせずに
すんなり頭に入っていく人なんて
おるのやろうか
ローマへの道は遠い