観光ドライバー

2019-07-01 19:55:07 | 日記
京都の噺まだ続きます

さんぽも終り

一日の最初の御出かけは

平岡八幡に決めていた

歩けば三キロくらい

以前は七キロ平気で歩いていたから

ゆっくり進めばいいのだが

それがそうはいかない

私はスニーカーに、荷物は20センチほどの布製ショルダーだけ

その中にパンツと靴下ぎゅっと詰め 財布だって家に置いてきた

それなのに ア…さんは・・・アルミのキャリーバッグごろごろだもんねー

一体何が入ってるの 一泊なのにい

10年前まではMKタクシーを貸切で一日乗り回すのが当たり前だった

ア…さんはその頃からの京都旅の仲間だから貸切タクシーがふつうになっている

こんなこともあろうかとタクシーを使う案も考えてはきた

ところがちょっとまずった

その頃お世話になっていたドライバーのケータイ番号の記された名刺を

家のデスクの上に忘れてきたのだ

その人の所属営業所に電話をすると

御指名はダメ、ケータイは教えられないと言う

それなら別のドライバーを頼めばいいのだけど

これがなんというかしゃべり過ぎの人にあたるとほんと疲れるから

賭けである

配車センターに三時間貸切で手配を頼んだ

ユースホステルに迎えに来たのは今風にボックスカーで

あいそのいいドライバー

「平岡八幡に行って下さい、向かいの家の写真をとりたいから」

「あの茅葺の家ですね。今は横にお寺を作っていて工事中です」
        

その通りでがっかりだった。先日テレビでみたときはまだ趣味がよかったのに

駐車場を借りた平岡八幡では

池でモリアオガエルのおたまじゃくしが動いていた

ドライバーはつかず離れず余計なことは喋らず

合格

「延長でもいいですか、最後は京都駅に三時に着くようにお願いします」

というわけで

次も駐車場のためにお寺を行先に指示する

すると受付に

にゃにゃにゃにゃにゃーん
        

私がアーオアーオというとゴロンとなって心が通じた

とろけるように撫でていたら

「京都で猫でしたら、梅宮神社というところにいます
 松尾大社の対岸になるような小さな神社です」

はいはい伺っておきます

10年前に行ったときは猫などみかけなかった

これはいい情報か余計な情報か

観光ドライバーの案内はア…さんにあてがって

私はひたすら植物観察に逃げるのだった