昨日「MAKIKYUのページ」では阿武隈急行からJR線に乗り入れる「ホリデー宮城おとぎ街道号」に関して取り上げましたが、MAKIKYUがこの列車の終点・仙台駅で下車した時間は18時過ぎ、この日は臨時快速・おもいで湯けむり号が運転されており、丁度この列車も終点の仙台駅に入線する時刻でしたので、この列車には乗車こそしていないものの、その様子も見てきました。
「おもいで湯けむり号」は、かつてはJR非電化線区の大半で姿が見られたものの、今や老朽化で廃車が進み、希少な存在となっている急行形気動車・キハ58系列を用いた臨時快速列車で、運転日限定で仙台~新庄間を1往復だけ走る全席座席指定制列車です。
この列車で用いているキハ58系列は、国鉄時代に修学旅行専用列車が纏っていた朱色と黄色の装いに改められた車両を用いており、修学旅行専用列車が掲げていた「おもいで」ヘッドマークまで付けている有様ですので、外見だけなら2両と編成は短いものの、「昔懐かしの修学旅行列車」をリバイバルしたかの様に感じられます。
仙台駅では運転日限定で1往復のみにも関わらず、ホームにもきちんとイラスト入りの乗車位置目標が出ていたのは驚いたもので、現在行われている宮城県観光キャンペーンの一環として、JRも随分力を入れていると感じたものです。
この装いとなったキハ58系列は、JR化後に急行月山・よねしろ号用として、特急並みの回転式リクライニングシートに改められた車両で、月山号・よねしろ号が廃止になった後は快速列車の指定席などに用いられていた車両ですので、MAKIKYUもこの車両には何度か乗車した事(中には知名度の低い臨時快速・千秋号での乗車もありましたが…)があり、普通・快速列車ではかなり乗り得に感じた反面、修学旅行専用列車をイメージさせる列車での抜擢には不似合いな感もあり、乗るよりも見て楽しむ列車と考えた方が良さそうな感を受けたものです。
ただ全席指定制で指定席料金を要する事を考慮すると、設備も「昔懐かし…」のレベルでは非常に限られた日数のレールファン向け列車であればともかくとして、鳴子などの陸羽東線沿線を訪れる一般旅行者には、現代のサービス水準には遠く及ばず、それどころか今や比較的新しい気動車(キハ110系列)で運転される同線のワンマン列車と比べても、明らかに見劣りしますので、レトロなイメージを持ちつつも、別途料金を徴収する列車に見合う車両を用いる必要性がある事を考えると、この車両の抜擢はまさに適材適所なのかもしれません。
またこの列車が終点の仙台駅に入線した際は、降車扱いを終えた後も暫く停車しており、その時には隣のホームに原ノ町行きの普通列車が停車していましたが、原ノ町行きは見るからに現代の車両という雰囲気を漂わせる低床の新型ステンレス車・E721系でしたので、30年以上前を連想させられるレトロな雰囲気(MAKIKYUがまだ生まれていない頃の話ですので、MAKIKYUは写真でしか知らない世界ですが…)が漂う列車と並ぶ姿は対照的で、この様はリバイバル列車ならではと感じたものです。
しかし,ちゃんとリクライニングシートになっているとは驚きです!
常磐線が455系か717系の時代だったらあまり違和感もなかったかも知れませんね。
修学旅行色のキハ58形は、写真が18時過ぎに仙台駅で撮影したもので暗い事も、「顔色の悪い…」という印象を受ける一因かと思います。
またポピュラーな急行色と異なり、こちらの様に比較的若い世代では見慣れない装いという事も、違和感を感じる要因かと思いますが、並んだ車両が最新鋭で低床のE721系という事も、違和感を増大させているのは確かです。
あとリクライニングシートの件は、指定席料金を徴収する事や、仙台地区で残存したキハ58系列が、南三陸号で最近まで指定席車で運用されていた車両程度…という事も影響しているかと思いますが、JR東では新潟にまだボックス席(ドア付近はロングシート化改造されていた筈ですが…)のキハ58系列が残存しているだけに、これを用いた方が修学旅行列車らしさを醸し出すには適任だったかもしれません。
9月一杯まではキハ58系「おもいで湯けむり号」ですが、10月からはこないだ上野駅で展示公開していた「リゾートみのり」にバトンタッチします。好ましいスタイルやカラーリングの車両だけに引退は残念ですが新たにデビューする「リゾートみのり」に期待したいですね!
おもいで湯けむり号で使用されているキハ58形は、ご指摘の通り原型では存在しない行先表示幕まで装備しており、修学旅行用列車にしては豪華すぎる車内設備(今では首都圏で183系が修学旅行列車として頻繁に走っていますので、現代の水準からすると相応ですが…)と共に、非常に奇妙な感じになっていますね。
これもリバイバル列車ならではで、興味をそそられる点の一つですが、9月限りでの運転終了は惜しい限りですが、10月以降に運転開始するリゾートみのりにも期待したいものです。
またそちらは5月に「土日きっぷ」で只見線を走るSL会津只見新緑号にも乗車されたとの事ですが、運行時刻を考えると一日での両者乗車は不可能ですので、会津若松などで1泊する行程を立てられた様ですね。
こちらもこの時には偶然東武会津フリーパス+あいづぐるっとカードで会津に1泊旅行に出向いており、この列車の存在には不覚にも当日若松駅前のホテル客室でSLの姿を目撃して、初めて運転日と気付いた有様でしたが、当日でも空席があった事もあり、予定を少々変更して柳津→若松間でこのSL列車に乗車したものですが、そちらもこの時期にこの列車に乗られたという事は、もしかしたらそちらと同じ列車に乗り合わせたのかもしれませんね。