長崎県と佐賀県に跨って走る第3セクター鉄道・松浦鉄道(MR)に関しては、既に「MAKIKYUのページ」でも何度かに渡って取り上げていますが、今日は現在主力の座を占めているMR-100形に関して取り上げたいと思います。
この車両はJR→松浦鉄道転換時に導入されたほか、その後も数両の増備が行われており、MRでは現在に至るまで最多勢力を占めている軽快気動車で、性能面ではMR転換時に導入された他形式と同等ですが、前面に貫通扉が設けられているのがこの形式の特徴となっています。
このスタイルの車両は新潟鉄工(現新潟トランシス)が、NDCと呼ばれる地方私鉄標準仕様として製造した車両という事もあって、MRに限らず同じ九州内を走る熊本県のくま川鉄道でも、塗装以外はほぼ同等の車両が使われており、災害で路線が莫大な被害を受け、残念ながらそのまま廃線となってしまった宮崎県の高千穂鉄道(残念ながらMAKIKYUは乗車する機会がありませんでしたが…)でもほぼ同等の車両が使われていました。
またJR西日本の閑散線区で活躍するキハ120形と呼ばれる軽快気動車も、木次(きすき)線や越美北線で使用されている鋼製車体の車両は、この車両とほぼ同等の車両ですので、MRに乗車した事がない方でも、何処かで見たことがある様な車両と感じる方は多いかと思います。
車内設備もロングシート主体ながら、ボックスシートも配置されている点は以前取り上げたMR-200形と同様で、ワンマン運転にも対応した典型的な地方ローカル線用車両と言えますが、左右でボックス席の配置位置を変えている点は特徴的で、この点はほぼ同等車両といえるJR西日本の軽快気動車などとは異なっています。
MRでは今のところ、特に狙わなくても新型車両MR-600形の限定ダイヤ(HPでも公開されています)以外では、大抵この車両がやって来る状況ですので、むしろウンザリという感がありますが、これから続々とMR-600形が導入されると運用離脱する車両が次々と発生し、あっという間に今の隆盛振りは見られなくなりますので、興味のある方は今の内に乗車・記録しておいた方が良さそうで、この車両も早くも代替になるとは、先日取り上げたMR-200形などと同様に軽快気動車の寿命が短い事を痛感させられます。
車両を長持ちさせる事で定評のあるJR西日本に所属している同形車に関しては、現時点では特に代替の話などは聞かず、むしろ最近になってトイレ取付改造などを行っている程で、MRと同じ長崎県内を走る島原鉄道の旧型車両(キハ2000形・旧国鉄キハ20形)と大差ない古参車両(エンジン数や車体の長さに違いがありますが…)を今でも使っている有様ですので、こちらはまだ暫く使いそうな気配を感じますが、今後国鉄から継承した他形式で行われた様な凄まじい更新工事を施工して使い続けるのか、それとも新形式導入でMR-100形と同じ様に淘汰の方向に進むのか気になるところで、やはり同形の車両を使用しているくま川鉄道辺りも今後代替の動きが生じるのか気になるものです。