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熊本電気鉄道5000形電車~永年の営業運行も遂に終焉

2016-02-14 | 鉄道[九州・私鉄等]

今日はバレンタインデーという事で、チョコレートを楽しみにしているという方も居られるかと思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、興味対象は「チョコより電車」という方も少なくないと思います。

そんな方の中には、今日限りで営業運行終焉となる熊本電気鉄道(以下電鉄と記します)の旧型車両・5000形電車のラストランへ足を運ばれている方や、現地まで足を運ぶ事はなくても、この話題に注目している方は少なくないと思われ、MAKIKYUも後者の一員です。

同車は元々昭和30年前後に東急線で導入、後に電鉄へ移籍した車両で、電鉄以外にも長野県内の地方私鉄などに多数が移籍していますが、老朽化で次々と引退し、近年の稼働車両は電鉄のみという状況になっていました。

東急線時代は中間車も挟んだ長編成で運行する事も多かったものの、熊本では最大でも先頭車同士を連結した2両、片運転台だった先頭車を両運転台車に改造した車両も存在しています。


近年は上熊本支線(上熊本~北熊本)で運用される両運転台車のみが健在という状況で、片側は5000系の原型そのものながらも、後に増設した運転台側は機能一辺倒と言っても過言ではない貫通型スタイルで、前後で対照的な姿をしているのも面白いものです。


同車は一時期水色を基調とした独自塗装を纏った事もありますが、近年は往年の東急線時代と同様の緑色1色塗装で活躍しており、この装いで活躍する事で、希少な存在の車両が更に際立ったのでは…と感じています。


ただ移籍各社でも離脱車両が相次ぎ、幾ら短距離の支線運用ながらも今日まで活躍し続けたのが奇跡的と感じる車両だけに、MAKIKYUが最後に乗車した2年前でも、相当老朽化が進行していると感じる状況でした。

その際に乗車したのは昨年退役した5102A号車、今日まで活躍し続けた5101号車に限れば、最後に乗車したのは約4年前になります。


電鉄移籍後に設置された幕式の運賃表示器(これはICカード導入に伴って取り替えられたようです)などもレトロ感を演出するアイテムと化しており、夏場に乗車した際には、非冷房車である事に対するお詫びまで見受けられた位でした。


趣味的には非常に注目される存在である反面、旅客サービスや現業従事者の乗務・整備と言う点では、5000形の末期は非常に問題の多かった車両と言わざるを得ない状況でした。

そのため東京メトロ銀座線で活躍した01系の改造車が昨年電鉄で稼働開始してからは稼働機会も減少、予備車的な活躍で最後を迎える事になり、状況を考慮すると当然と言えますが、最後まで残存した1両は非常に希少な車両という事もあり、営業運転離脱後も解体せず動態保存するという話が出ているのは喜ばしいと感じます。


電鉄では既にモハ71号というこれまた非常に希少な車両(広浜鉄道:現在のJR可部線)が、北熊本工場の入替用として今日でも健在、この車両と共に稼働可能な状態で保存するとなると、2両の非営業用車両を抱える事になり、電鉄の事業規模を考慮するとかなり負担も大きい気がします。

島根県・一畑電車の体験運転用車両の如く、貴重な体験を売りにすると共に沿線への集客にも貢献する車両として活用できれば、かなり有用かと思いますが、5000形営業運転引退後の去就も気になる所です。

個人的には一旦は製造メーカーにおける保存車両として綺麗に整備されたものの、後に生首晒しといっても過言ではない姿で、渋谷駅前に鎮座している同型トップナンバー車の2の舞にならない事を願いたいと思っていますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方は如何お考えでしょうか?



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