先月MAKIKYUが熊本県の人吉を訪れた際には、じゅぐりっと号やさるく人吉をはじめとする路線バス以外に、人吉駅周辺で韓国の現代(HYUNDAI)製観光バス・UNIVERSEの姿を見る事も出来ました。
UNIVERSEは日本の三菱ふそう製観光バスとよく似たデザインが特徴だった現代の先代観光車に代わり、近年製造されている現代自動車の大型観光バス最新モデルで、韓国ではかなりの多数が走り回っています。
韓国では長距離の高速バスや市外バス、団体ツアーの貸切バスなどでその姿をよく見かけるほか、日本ではまず見かけない中扉付きの車両も多数活躍しており、MAKIKYUも昨年韓国へ訪問した際には、中扉付きのUNIVERSEに乗車した程でした。
(韓国のUNIVERSEに関して以前取り上げた事もありますので、興味のある方はこちらをクリックして下さい)
また最近では韓国だけに留まらず、日本国内にも右ハンドルの日本向け仕様として韓国から輸出された車両が存在しており、やはり韓国のメーカーである大宇(DAEWOO)と共に、日本製の同等車種に比べて割安な車両価格をウリに、若干ながらも日本市場にも進出しています。
現代製UNIVERSEは、日本では鹿児島県のいわさきグループが多数導入している事で有名で、他にも小規模貸切事業者などでの導入事例も存在していますので、日本国内では全国的に見るとまだ珍しい存在であるものの、既にいわさきグループでは20台以上が活躍しており、南九州では決して珍しい車両とは言えない状況になっています。
MAKIKYUが目撃したUNIVERSEも、鹿児島県境に近い熊本県南部の人吉と言う土地柄だけあって、現代製観光バスを多数導入している事で知られるいわさきグループに属し、鹿児島県有数のバス事業者の一つであるいわさきバスネットワーク(旧林田バス)の車両で、乗車機会こそなかったものの、許可を得て車内の様子を伺う事も出来ました。
如何にも韓国的なデザインに加え、日本のバスに比べて大きめのシフトレバー(フィンガーコントロール)や、車外からドアを閉める際にはコックではなくボタン(しかもドア開閉時は韓国で良く聞くブザー音が鳴ります)を用いている辺りは、日本のバスとは随分異なるものです。
この様な車両でも南国らしい椰子の木を配したシンプルなデザインのいわさきグループ塗装は、新旧様々なバスに似合う装いだけあって、UNIVERSEにも意外と似合っている様に感じたものです。
ちなみにMAKIKYUが遭遇したUNIVERSEは、大手旅行会社の貸切で熊本から鹿児島県内へ向かう途中で、いわさきグループに所属するUNIVERSEも、貸切に充当される車両が多数を占めています。
しかしながらUNIVERSEの中には貸切ではなく、現在熊本~鹿児島間の高速バス路線に用いられている車両も存在しており、車両価格の割安さが評価されていわさきグループで導入が進む現状を踏まえると、今後更に他の高速路線などにも進出するか気になる所です。
日本の国内製バスは、メーカーの統合などで車種が減少し、以前に比べると面白みが減っていると感じるだけに、この様な車種の登場は興味深いものですが、活躍舞台がいわさきグループとなると首都圏からは極めて遠く、乗りに行くなら本場(韓国)も距離的にはさほど…という状況なのは惜しい限りです。
また韓国勢は観光車こそ続々と進出しているものの、路線車は韓国では新車でもまだ2段ステップ車が主流という事もあってか、日本への進出は聞きません。
とはいえ最近では割合こそ少ないものの、韓国でもトルコンATを装備したノンステップ車の姿もよく見かけるようになっていますので、韓国製一般路線車の日本進出も今後出てこないのか気になるのはMAKIKYUだけでしょうか?
このバスはsanq passステッカーがないのを見ては、passロハジいないような気もします。このバスは熊本や鹿児島を結ぶ路線に投入されたというニュースを聞いて一度乗車するつもりだったが、sanq passが出来なければ、再検討する必要ですね。
室内が韓国仕様に比べると室内が単調ですね。
この記事で取り上げているいわさきグループのUNIVERSEは、運賃箱などのワンマン装備を持たない貸切専用の観光車という事もあり、SUNQパスステッカーも貼付対象外となっていますが、熊本~鹿児島間の高速バスであれば、SUNQパス全九州版の通用対象です。
(ただいわさき以外のバス会社が運行する便が多く、いわさき便でも他の車両が充当される可能性もありますが…)
また鹿児島は北部九州版の範囲から外れており、SUNQパスで熊本~鹿児島間の高速バスに乗車したいのであれば、全九州版のみの通用となる点は要注意です。
首都圏など東日本でも、元高速ツアーバスから移行した高速バス事業者などでは、ユニバースを走らせている事業者が幾つもありますが、一般路線を中心に運行している老舗の事業者では、富士急の様な事例はまだまだ少数派ですね。
特定メーカーで揃える事で、整備や取り扱いを統一したいと考えているケースもあると思いますし、車両価格は割安でも耐久性などを考えると様子見という事業者が多いかと思います。
またこちらは現代製車両の都市間バス(ユニバースではないのですが…)には、数日前にも乗車する機会があり、日本の地方事業者で活躍している古参観光車などに比べれば…とも感じましたので、富士急での運用実績が好調であれば、同社の後を追って導入に踏み切る事業者が続いても良いかと思います。
路線車に関しても、現段階では本国などでは多数活躍する反面、まだ日本向けモデルは出てきていませんが、こちらも最近はCNGハイブリッドのノンステップ車なども登場し、車椅子固定方法なども日本より進んだ方式を取り入れていますので、個人的には日本向け路線車の登場にも期待したいと感じています。