先日「MAKIKYUのページ」では、黒部峡谷鉄道のトロッコ車両に関して取り上げましたが、今日はその続編としてMAKIKYUが先月乗車したリラックス客車に関して取り上げたいと思います。
黒部峡谷鉄道の旅客用客車は、先日取り上げた名物のトロッコ客車が普通運賃のみで乗車できる一般車両の扱いで、この車両は普通客車とも呼ばれていますが、それ以外の窓付き車両は運賃の他に追加料金が必要となっています。
この追加料金を要する車両は、ボックス席の特別客車(料金360円)と転換式クロスシートのリラックス客車(料金520円)、そして1両だけの存在で特別客車と連結して運用され、転換式クロスシートを装備するパノラマ客車(料金630円)の3種が存在しており、現在追加料金を要する窓付き客車は、リラックス客車が主流を占めています。
現在黒部峡谷鉄道で運行している旅客列車の大半は、特別客車(パノラマ客車1両を混成した編成も含む)かリラックス客車を6両と、普通客車を混成した編成で運行していますが、中には普通客車のみで運行する列車や、逆にリラックス客車のみで運行する列車も少数存在します。
このリラックス客車は、白と赤の装いのボハ2500・ボハフ2500形と呼ばれる車両(ボハフは車掌室設置車両で、ボハと混成して運行しています)が主流を占めています。
最近ではボハ3100・ボハフ3100形と呼ばれる新型のリラックス客車も登場し、こちらは装いが白に黄緑色とオレンジ帯に改められると共に、車両間に非常用貫通路が設けられ、客扉窓が最近の阪急電車の如く拡大されるなど、既存リラックス車両とは大きく異なりますので、一目で識別する事ができます。
MAKIKYUが欅平駅でリラックス車両券を購入した時には、この車両の充当を期待していたのですが、今後増備が見込まれるとはいえ、まだ1編成だけの少数派だけあって残念ながら既存車両の方でした。
そのため新型リラックス客車は、途中の鐘釣駅でMAKIKYUが乗車した列車とすれ違う列車に充当されている姿を目撃しただけですが、外から見た限りでは最新車両だけあって座席下の足元が広く確保されているなど、既存リラックス客車よりも上等な車両に見受けられたものでした。
ただMAKIKYUが乗車したリラックス客車は既存車両でも主流のボハ2500・ボハフ2500形ではなく、これまた1編成しか存在しない天窓付きの少数派車両ボハ2800・ボハフ2800形で、側面窓も他の既存リラックス客車より大きくなっている様です。
乗車券購入時に列車が指定される黒部峡谷鉄道では、この車両の姿を見て飛び乗るのも…という事を考えると、新型車両ではなかったものの、狙ってもなかなか乗れない車両に当たったのは幸運と感じたものでした。
ちなみにこのボハ2800形をはじめとするリラックス客車は、車体の大きさがマイクロバス並みに小柄な上に、客室内に通路を確保するために、座席は2+1列配置となっており、車両中央に設けられたドアを境に、2人がけと1人がけの座席配置が逆転する格好となっています。
転換式クロスシートの座席も「リラックス」と呼べる程の広さでは…とも感じたもので、決して新しい車両ではないだけに、座席下の足元も塞がっているなど、満席に近い混雑時には車両の狭さもあって、少々窮屈に感じそうです。
とはいえ客車には窓だけでなく暖房装置も備えていますので、雨天時に車内に雨が吹き込まないだけでなく、少々寒い日でもそこそこ快適に過ごせ、この事が雨天時に乗車したMAKIKYUが要追加料金のリラックス客車を選択した大きな要因ですが、土地柄も影響してか冷房装置の装備はありませんので、夏場の利用は要注意です。
またMAKIKYUが旅客列車で乗車したリラックス客車をはじめ、欅平下部駅~欅平駅間の黒部ルート公募見学会参加者移動で乗車した関西電力の事業用車両ボハ2550・ボハフ2550形(ボハ2500・ボハフ2500形とほぼ同形です)は、車内の化粧板や客ドアのガラス支持方法が、一世代前の東武線車両に類似したものとなっており、アルナ工機→アルナ車両が製造した車両(黒部峡谷鉄道の客車は殆どこのメーカーが製造している様で、上部軌道の客車もアルナ車両製でした)ならではと感じたものでした。