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JR東日本・五能線を走る観光列車「リゾートしらかみ」(1)

2010-06-03 | 鉄道[東北]

 

先月MAKIKYUが所用(旅行も兼ねてですが…)で秋田県内へ出向く機会があったのですが、その際にはJR東日本が発売している「秋田・大館フリーきっぷ」という乗車券を利用したものでした。

この乗車券は首都圏からの新幹線(寝台特急あけぼの号も選択可)往復に加え、概ね秋田県内のJR線が範囲に含まれるフリー区間が乗り放題(自由席であれば特急・新幹線の立席も可ですが、寝台立席は別途立席特急券が必要です)となっているのですが、このフリー区間は秋田県内以外に五能線や弘前周辺も含まれています。

「秋田・大館フリーきっぷ」は、単純に首都圏~秋田間を新幹線で往復するだけでも、普通に乗車券を購入するより割安ですので、フリー区間までの往復で途中下車不可と言う制約(その気になれば盛岡だけは途中下車する方法も存在するのですが…)はあるものの、新幹線で首都圏~秋田を移動するだけでも利用価値はあります。

普通に乗車券を購入すると新幹線より割高な寝台特急あけぼの号(MAKIKYUも片道はこちらを利用しました)を使うのであれば、尚更利用価値の大きいきっぷですが、単に秋田県内への手段として利用するだけでなく、フリー区間乗り放題の特典を生かすと、更に利用価値が大きなものとなります。

先月のMAKIKYUの秋田県内訪問は、多忙な仕事の合間を縫っての2日間(+車中1泊)という強行日程だった事もあり、秋田周辺を存分に堪能と言う訳には行かなかったのですが、それでも所用ついでにフリー区間末端の弘前周辺まで足を伸ばし、日本海を望む絶景でも知られる五能線にも乗車したものでした。

五能線にはMAKIKYUも既に何度か乗車しており、一般型気動車による普通列車で全線を乗り通した事(今日のダイヤではかなり困難です)がある他、かつて五能線で運行していた「ノスタルジックビュートレイン」と呼ばれるディーゼル機関車牽引の客車列車にも乗車した事がありました。

しかし近年五能線には乗車機会がなかった事もあり、「ノスタルジックビュートレイン」の後釜として登場した観光列車「リゾートしらかみ」号は今まで乗車した事がなく、先月の秋田県内訪問時に初めて乗車機会に恵まれたものでした。

随分前置きが長くなってしまいましたが、本題ともなるこの「リゾートしらかみ」号は、秋田新幹線開業の1997年から走り始めた一般型気動車(キハ48形)改造の観光列車で、五能線を含む秋田~弘前(一部は更に青森まで)間を運行していますが、もう既に運行開始から10年以上もの月日が経過していますので、JR東日本における観光列車としては大ベテランの部類に入ります。

「リゾートしらかみ」号は五能線や沿線観光の活性化に大きく貢献し、閑散としたローカル線の印象が強かった五能線に新駅が開業する程の効果をもたらした程評判が上々な事もあって、当初1編成のみでスタートしたにも関わらず、現在は3編成が運行する程に成長しています。

運行開始当初の1編成は、当初から複数編成での運行を想定していた訳ではなかった事もあってか、「リゾートしらかみ」以外に編成固有の名称は付けられていなかったものの、第2編成となる「橅」(ブナ)編成登場後にはこの編成と識別する事や、青系の装いにも違和感がない名称という事で急遽沿線の観光地である十二湖にちなんだ「青池」という名称が付けられています。

この「橅」編成登場時には、「青池」編成は登場時からの4両編成のままだったのですが、その後第3編成となる「くまげら」編成登場時には中間車1両をこちらに転用して3両編成となり、現在では3編成ある「リゾートしらかみ」号はどの編成で運転しても支障がない状況になっており、この事を生かして時期によって編成をローテーションする事も行われています。

MAKIKYUが先月乗車した「リゾートしらかみ」号は、3編成が存在する「リゾートしらかみ」号の中でも、元祖リゾートしらかみ号とも言うべき「青池」編成で、後に「青池」という名称が付けられた事もあってか、側面に貼られた編成名称のステッカーも、やや苦し紛れな印象を受けたものでしたが、それ以外にも外観などがその後登場した「橅」「くまげら」編成などとは異なっているのが特徴です。

「リゾートしらかみ」号は五能線や沿線観光の活性化には欠かせない存在に成長し、来る新幹線新青森延長に合わせ、更に新編成が導入される計画が発表されており、今度は既存の一般型気動車改造ではなく、最新技術を用いたハイブリッド気動車となりますが、これに伴って1編成が運用離脱する事になっています。

「リゾートしらかみ」号から運用離脱する編成は、他編成と外観などの仕様が異なり、座席配置も僅かに異なる「青池」編成(車椅子対応の1人席が用意されておらず、他編成より座席数が1席だけ多くなっています)である事はほぼ確実かと思います。

そのためMAKIKYUとしては、先月五能線で乗車した「リゾートしらかみ」号で「青池」編成に当たって良かったと感じていますが、五能線の看板列車と言う事もあってか綺麗に使われ、まだまだ使える車両と言う印象を受けたものです。

JR東日本の他地域ではキハ58系列改造の古い観光列車用気動車も複数存在しており、「青池」編成はこの車両に比べれば遥かに程度も良好かと思いますので、出来る事ならこの古い気動車の取替えで他地域に転属し、引き続き活躍する事に期待したいと感じたものでした。

写真は「青池」編成の外観・車内や乗車した際の様子などに関しては、近日中に別記事で取り上げたいと思います。



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2 コメント

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あくまで快速 (6994)
2010-06-03 20:07:06
 JR東日本はこの種の列車を快速にしてくれているのがありがたいですね。青春18きっぷや北海道&東日本パスでも指定券を加えて乗れます。九州でしたら、問答無用の特急でしょうね(笑)。一方で、東日本としては、快速扱いでいかに客単価を確保していくかが課題でしょう。このような列車にこそ、「急行」の種別と料金を活用すべきとの意見もよく聞きます。
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続編記事でも記しましたが… (MAKIKYU)
2010-06-09 00:10:19
6994様こんばんは。

先程公開した続編記事でも記したのですが、そちらのコメント通り「リゾートしらかみ」号は破格の設備にも関わらず、快速普通車扱いとしている点は評価できるものですね。

客単価に関しても、1人当たりの占有空間の広さを考えると、青春18きっぷなどの格安乗車券では…という所ですが、列車単独での採算だけでなく、新幹線など自社他列車の利用促進につながる事なども考えると無駄ではないと思います。

またJR各社の中でも、観光列車で大成功を収めているJR九州では、「特急」扱いとなっている鈍行観光列車が幾つも存在していますが、こちらは設備費だけでなくソフト面でのサービスなども非常に優れており、こちらが乗車した限りではどれもが金額以上の価値を感じたものでした。

「特急」扱いになると青春18きっぷでの乗車は不可能になりますが、JR九州は観光列車以外の特急も魅力を感じる列車が多く、こちらは青春18きっぷを主体とした旅行でも九州内だけは…と感じる程です。

青春18きっぷの旅行も悪くないですが、各種割引乗車券などとの併用や、短距離乗車(九州内では25kmまでの自由席特急料金は非常に安価です)などで、是非JR九州の特急列車にも乗車してみては如何でしょうか?
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