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十勝バス・広尾線~かつて「愛国から幸福ゆき」の縁起きっぷで知られた路線は…

2008-07-19 | バス[北海道]

   
 

昨日ジェイ・アール北海道バスの日勝線に関する記事を取り上げましたが、今日はMAKIKYUが日勝線のバスを終点の広尾で下車した後、帯広へ向かう際に乗車した十勝バス・広尾線に関して取り上げたいと思います。

帯広~広尾間はかつて国鉄広尾線と呼ばれるローカル線が走っており、この路線の途中には「愛国」「幸福」をはじめとする縁起の良い駅名が幾つも存在した事でも知られていますが、これらの駅名が並んだ乗車券が一時期大ブームになった(MAKIKYUはこの頃の事は知らないのですが…)とはいえ、国鉄末期の大赤字の中では不採算線区の一つである事には変わりがなく、国鉄広尾線はJR北海道に引き継がれる事はなく、1987年の国鉄民営化直前に残念ながら廃止されています。

そのため昨日取り上げたジェイ・アール北海道バス日勝線(旧国鉄バス)も、鉄道の終点間を結ぶ鉄道連絡路線ではなくなっていますが、廃止された広尾線の代替交通機関としては、帯広を中心に十勝一帯の路線バスを手がける十勝バスが、国鉄廃線後20年以上を経た現在に至るまで、帯広~広尾間の路線バスを運行しています。

現在系統番号60番が付けられているこの路線は、十勝バスでも広尾線と呼ばれ、かつては快速便なども存在した様ですが、現在は普通便のみの運行となっており、80km強に及ぶ帯広~広尾間を、2時間以上かけて走破しています。

そのため一般路線バスとしては比較的長距離の部類に入り、十勝平野の広大な農村風景の駆け抜けるこの路線はなかなか乗り応えがありますが、車窓風景に加えて「○○□号線」(○は地名・□は数字が入ります)といった停留所が幾つも続く様は、如何にも北海道ならではと感じさせられるものです。

運賃も全区間を乗り通すと1830円を要し、十勝バスでは回数券も1乗車1人3枚までしか使用出来ないのは少々手痛い感がありますが、運行本数は1日14往復(但し土休日運休の便もあり)が運行され、広尾発の始発は5時台、帯広発の終車も21時頃(広尾到着は23時過ぎになります)となっており、土地柄を考えるとかなり健闘している部類に入ると言えます。

現在使用されている車両も、十勝バスではお馴染みの黄色い塗装の車両ではなく、「南十勝夢街道」と書かれ、虹をイメージした専用塗装の車両が用いられています。

この車両は一般路線タイプとはいえ、比較的長距離を運行する事もあって、座席も背もたれが大きく、比較的高級感のある座席(リクライニングまでは付いていませんが…)を装備していますが、車両自体は現在大型車が主力とはいえ、一部で中型車も運用されており、MAKIKYUが乗車した際は中型車による運行でした。

またかつての広尾駅舎も、現在も十勝バスの案内所(十勝バスの終点は別の場所ですが、ジェイ・アール北海道バスの起終点や乗り継ぎはこの場所になります)として活用されており、ここで広尾発の十勝バス定期券や硬券乗車券(朝5時台の始発前から窓口が開きます)も扱っているほか、駅舎内は広尾町鉄道記念館として、国鉄広尾線に関する資料や写真の展示が行われており、鉄道運行当時の改札までそのまま残存している事は嬉しい限りです。

広尾線沿線では他にも幾つかの駅が、今でも姿を留めていますので、今回の旅行では時間の関係もあって立ち寄れず、十勝バス広尾線を乗り通す旅となったのですが、その内また広尾線沿線を訪れる機会があれば、これらも是非訪問してみたいと感じたものです。

あと「愛国から幸福ゆき」の乗車券は、広尾での取り扱いはないものの、現在広尾線を運行する十勝バスでも、硬券による乗車券(勿論券面区間での利用も可能です)を販売しており、帯広駅前にある案内所で購入する事が出来ますので、MAKIKYUも1枚購入して来ました。

この乗車券の地紋は、広尾で記念に購入した新生までの乗車券(広尾で発売している硬券乗車券の中で最も額面の安い乗車券で、係員の方によると記念に購入するケースも多いとの事です)とは異なっており、また十勝バスの回数乗車券もまた異なる地紋を用いているのは特徴的です。
(硬券乗車券は「幸福から愛国ゆき」の方が新タイプの地紋ですが、この地紋の表記は「とかち」と「TOKACHI BAS」(BUSではない)になっているのも特徴です)

写真はMAKIKYUが乗車した広尾線の中型車(帯広駅到着後に撮影したもので、行先表示は回送になっています)と主力の大型車(帯広到着の翌朝撮影したもの)、乗車中のワンシーンと広尾駅舎、十勝バスの硬券乗車券と回数券(赤斜線はMAKIKYUが追加)です。



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4 コメント

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Unknown (八雲運転所(函クモ))
2008-07-21 15:18:05
 こんにちは。十勝バスでも愛国→幸福の乗車券が買えるのですね。
 以前、札幌から18きっぷで日帰りで帯広まで行ったことがあり、その際に愛国駅・幸福駅とも立ち寄っているのですが、廃止直前の愛国→幸福の運賃が200円なのに対しバスは440円と倍以上の値段だったので、ちょっとびっくりした覚えがあります。
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今もこの運賃は相変わらずですが… (MAKIKYU)
2008-07-22 10:23:26
こんにちは。

写真の「愛国から幸福ゆき」の乗車券は十勝バスバージョンで、今でも同区間は440円ですが、この運賃は地方の路線バス運賃にしては決して高い水準とはいえず、土地柄を考えれば尚更ですが、国鉄~JR線の運賃水準は、特に10~15km程度は割安に設定されていますので、今のJR北海道地方交通線運賃と比べたとしても、割高に感じてしまいますね。

またこの乗車券は愛国辺りで売られているか否かは分かりませし、広尾では発売していませんでしたが、帯広駅前の案内所では容易に購入できますので、もし帯広へ行かれる機会がありましたら、記念に一枚購入されるのも良いかと思います。
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懐かしい (第二の故郷)
2013-08-04 10:29:48
今から25年前に 幸福の奥にある 中札内村に三年間、高校時代を過ごしました。 が廃止される 直前までを利用して、帯広まで良く団体で遊びに行った 事を覚えています。 元々の故郷は釧路ですが、十勝は第二の故郷だと、学生時代の事を想い出します。 堆肥の臭いや畑 等、十勝ならではの環境は素晴らしいと思います。
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道東には何度か足を運んだだけですが… (MAKIKYU)
2013-08-05 11:34:00
第二の故郷様はじめまして。

こちらは北海道へ足を運ぶ機会自体が限られ、ましてや道東ともなれば数度訪問した事があるだけですが、十勝平野一帯の鉄道は帯広から南北それぞれに向かう路線や、池田から北へ向かう路線など次々と廃線になり、今や東西の幹線だけになっているのは、廃線となった路線の往時を知っていれば、相当寂しく感じられるかと思います。

元々の人口密度が低い事に加え、平坦で道路条件の良い所が多く、自家用車の使い勝手が良い事も、鉄道には不利な要因だったかと思います。

どの様な形であれ地域の足として公共交通は必須ですので、鉄道廃止後に代替運行を行っている十勝バスも、状況は決して芳しくはない様ですが、末永く運行される事を願いたいものです。

また道東でも帯広周辺(十勝)と釧路は、距離的にはさほど離れていない(それでも100km以上はありますが…)にも関わらず、気候や街の雰囲気などは大きく異なり、それぞれ異なった趣がありますね。

この記事で取り上げている広尾線などは、乗車して車窓を眺めているだけでも、十勝の雰囲気を存分に感じることができ、機会があれば十勝のまだ足を運んだ事がない所へも訪問したいと思っています。
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