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富山地方鉄道16010形「アルプスエキスプレス」(1)~先頭車編

2014-12-03 | 鉄道[北陸]

先月「MAKIKYUのページ」では、富山地方鉄道(地鉄)市内電車で活躍する、某有名デザイナーが改装に関与した「レトロ電車」に関して取り上げましたが、地鉄では市内電車だけでなく鉄道線でも、レトロ電車より一足早い2011年に、某有名デザイナーが改装に関与した電車が運行開始しています。

この電車が今日取り上げる「アルプスエキスプレス」で、種車は元西武鉄道の特急車両(レッドアロー)の車体に、旧国鉄→JRの廃車発生品の下回りを組み合わせた16010形の1編成を充当しています。


某有名デザイナーが既存車両の改装を手がけた事例では、車両の前面形状には殆ど手を加えない反面、塗装に関しては種車とは大きく異なる装いにイメージチェンジする事が多いのですが、「アルプスエキスプレス」は某有名デザイナーならではの特徴とも言えるロゴや英文字標記などが追加された程度で、外観に関しては改装前種車の雰囲気を強く残しているのが大きな特徴です。


しかしながら車内は大きく改装され、フローリングに改められた床をはじめ、至る所に木がふんだんに用いられ、様々な柄の座席モケットが混在する座席をはじめ、ワンマン運転時に用いられる運賃箱まで鮮やかな装いに改められています。


西武時代にトイレだった区画を撤去し、立席スペースに改められた車端区画(右側写真は比較対照用:アルプスエキスプレスに改装されていない編成の車端区画です)も、フリースペースとして小柄な木製ベンチを設置しているなど、至る所に手が入り、改装前とは大きく異なる雰囲気に改められているのは、某有名デザイナーが改装に関与した車両ならではと感じます。

また16010形は3両編成で導入されたものの、導入以後地鉄では列車のワンマン運転化拡充→大半の列車が2両運転化された事もあり、同形は中間車を外した2両で運行される事も多くなり、一時期は2編成活躍する16010形の両編成が常時2両で運行→中間車は運用から外れて保留車扱いとなっていた事もある程です。

アルプスエキスプレス改装後は、基本編成は中間車を組み込んだ3両となっていますが、中間車を外した2両での運行も可能となっており、平日の運用では2両での運行も多くなっています。

3両での特急運行時には、中間車は特別車両追加料金の特別車、両先頭車は乗車券と特急券のみで乗車できる一般車両として運行しています。

 
両先頭車は元々が有料特急車だった事もあり、種車の回転式クロスシートは大半が活用され、乗り心地は改装前と大差ない状況ですが、グループ客向けのボックス区画に改められた車端部分の一部座席は、種車とは大きく異なるものに取り替えられており、改装前とは雰囲気が大きく異なっています。
(右側は比較対照用:アルプスエキスプレスに改装されていない編成の客室内です)


結構な古参車という事もあってか、足元の狭さなどは近年の車両に比べると…という状況になっていますが、古参車故に窓脇の簡易テーブルには、最近の車両では見かけない栓抜きなども残っており、大改装を施しながらも、敢えて年代モノの車両ならではの雰囲気を残しているのも大きな特徴です。


大改装を施しながらも、古参特急車ならではの雰囲気が残存する車内は、座席下の足元が狭いなど、JRや私鉄有料特急の最新型などと比べると、見劣りが否めない部分もあると感じたものです。

しかしながら普通列車でも運用する車両にしては格段のグレードを誇っており、運賃は割高ながらも特急料金が比較的割安に設定されている地鉄の運賃体系も考慮すると、特急運用でも充分過ぎる設備と感じたもので、古参特急車の雰囲気を敢えて残していると捉えれば、観光向け列車としてこれもアリと感じたものです。

また3両運用時のみ連結される中間車は、両先頭車とは大きく異なる雰囲気に改められており、「アルプスエキスプレス」最大の目玉的存在とも言えるのですが、この車両に関しては近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。



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