先日「MAKIKYUのページ」では、万葉線で活躍する「ドラえもんトラム」に関して取り上げましたが、富山県内の路面電車は近年話題になる車両が多数登場しており、「鉄軌道王国とやま」と名乗るだけあると感じます。
話題になる注目車両は、どちらかと言うと新鋭車両の方が多いのですが、既存車両の改装車でも注目を浴びる車両があり、その一つが富山地方鉄道(地鉄)の「レトロ電車」です。
地鉄市内電車は2013年に開業100周年を迎え、この事を記念して主力の旧型車両・デ7000形の1両(7022号車)を改装したもので、この改装ではJR九州や両備グループなどの車両デザインを手がけている某有名デザイナーが関与しています。
この某デザイナーは英文字やロゴなどを多用し、他ではまずありえない独特なデザインの車両を続々と登場させており、交通機関では余り考えられないものを次々と取り入れるなど、非常に個性が強いモノが多くなっています。
「レトロ電車」でも、この某デザイナーが関与した車両以外ではまず考えられないと言っても過言ではない特徴が多数見受けられ、好みが大きく分かれる所かと思いますが、個人的には1両程度なら同形式の他車両とは雰囲気が異なる独特な車両が走るのも…と感じます。
車内に足を踏み入れると、某デザイナーが近年手がけた車両のデザイン傾向が強く感じられ、木をふんだんに用いた内装はこのデザイナー絡み以外では…と感じる仕上がりと言っても過言ではないと思います。
1席毎に区分された座席モケットは、1席毎にモケットの柄が異なり、その違いを見比べるだけでも…と感じる状況ですが、イベント用に設置された木製テーブルは、混雑時などには厄介かと思いますので、ダイヤ限定での運行は妥当な運用と感じます。
座席の背もたれにはクッションがなく、木が剥き出しとなっている辺りは好みが割れる所で、JR九州で最近続々と登場しており、一部では「板切れ」などとも呼ばれている一般車両の座席を連想させられます。
しかしながら硬いながらも合板の薄さ故に背もたれが安定しない「板切れ」とは異なり、背もたれの安定感はありますので、長時間乗車を考慮するなら少々厳しいかもしれませんが、専ら短時間乗車となる路面電車の座席としては、個人的には問題なしなのでは…と感じたものです。
(個人的には「板切れ」は少々問題ありですが、首都圏の標準軌某大手私鉄が近年続々と導入している「ブカブカした感触の座席」など
に比べれば…と感じています)
また普通なら余り気にしない天井の照明カバーにも、レトロ電車のロゴなどと共に「TOYAMA REGIONAL RAILWAY」という社名の英文字標記が記されており、この様な所までデザインする辺りは、某デザイナーならではの拘りを感じたものでした。
地鉄では路面電車だけでなく、鉄道線でも某デザイナーが関与した観光列車を走らせており、9月にはこちらも乗車機会がありましたので、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。