公式サイトへのリンクを取り扱っているリンク集(2)では、最近MAKIKYUの未乗事業者に「★」を付けて識別する改変を行っていますが、この取り組みを開始した後、「九州郵船」の社名脇から「★」マークを除去する闇更新を実施しており、もしかしたら「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、この事に気付かれた方も居られるかもしれません。
実際にMAKIKYUは先月、この九州郵船を利用する機会があったのですが、その際の目的地は長崎県の壱岐島で、九州郵船の旅客航路は福岡(博多)~壱岐~対馬(壱岐までの区間便もあり)と、唐津~壱岐の2航路を運航しています。
同じ長崎県の離島でも、五島方面は主に「九州商船」という事業者が運航しており、両者は社名も似ていますので、余所者には少々紛らわしいですが、こちらは専ら長崎港や佐世保港からの離島便を運航しています。
(博多からも「野母商船」という事業者が五島方面へのフェリーを運航していますので、少々紛らわしいのですが、九州商船で博多発着便はありません)
九州郵船と九州商船、九州本土から長崎県の離島へ向かう社名の紛らわしい2社は、共にフェリーだけでなく高速船(ジェットフォイル)も運航しています。
こんな話をすると更に紛らわしく感じる方も居られるかと思いますが、前者のジェットフォイルは「ヴィーナス」という愛称名が付けられており、博多を起点に壱岐までの区間便と、壱岐を経由して対馬まで向かう便の双方が運航されています。
(繁忙期などには、壱岐へ寄港せずに対馬直航となる場合もあります)
MAKIKYUが壱岐へ向かう往路には、このヴィーナスを利用したのですが、現在九州郵船のジェットフォイルは「ヴィーナス」「ヴィーナス2」の2艘があり、MAKIKYUが乗船したのはヴィーナスの方でした。
2艘とも装いは同様ですが、ヴィーナスは船体前部に「KAWASAKI JETFOIL F-009」と記されているのに対し、ヴィーナス2は「BOEING」と記されているのは大きな違いです。
個人的には川崎重工業ライセンス製造ではなく、ボーイング製でも929なら別に構わないのですが、ボーイングというと、つい先日も壱岐から数百km程度しか離れていない都市に拠点を置く某事業者が運航する777が、アメリカで一部旅客の死亡と言う重大事故を怠起しており、同じボーイング製でも700番台の機種は、出来ることなら極力利用したくないと感じます。
ちなみに博多港を発着する九州郵便の船は、ジェットフォイル・フェリー共に博多ふ頭(ベイサイドプレイス)を発着しており、JR九州高速船「BEETLE」など韓国行きの航路が発着する中央ふ頭(博多港国際ターミナル)とは場所が若干離れています。
両者は一応双方が見渡せる距離(写真は博多ふ頭から博多港国際ターミナルを見渡した様子です)ですが、路線バスも「博多ふ頭」行きと「中央ふ頭」行きを間違えてしまうと、両者間はシャトルバスの運行などもなく、少々面倒な事になりますので要注意です。
(徒歩でも15~20分程度を見込んでおけば、どうにかなる距離なのですが…)
博多ふ頭は先月初めて利用したものでしたが、ターミナルビルが第1・第2の2つあり、手前の第1ターミナルからは博多湾内など近距離の航路と高速船(ヴィーナス)、「壱岐 対馬 五島」という表記のある奥の第2ターミナルからは長距離フェリーが発着しており、ヴィーナス乗船の場合は要注意です。
そして博多港でヴィーナスの乗船券を購入、乗船すると程なく出航となりますが、ジェットフォイルに乗船して博多湾を航海するというのは、BEETLEやKOBEEに乗船して韓国へ旅行する時ばかりでしたので、海外旅行にでも行く様な錯覚を覚えます。
ただヴィーナスは国内航路と言うだけでなく、乗船時間も壱岐までは1時間強、対馬まででも2時間強と、福岡~釜山間約3時間のBEETLEなどに比べると乗船時間が短い事もあり、船内設備などは類似点も多いものの、今までに乗船したセブンアイランド(東海汽船)やぎんが(佐渡汽船)などと同様に、全体的に簡素な印象を受けます。
座席は特別席のないモノクラス、リクライニング機能はなく、1階席(青系統)と2階席(赤系統)でモケットが区分されているのが大きな特徴です。
有名な某デザイナーが絡み、ドーンと強烈な個性を放つJR九州グループの同型船などに比べると、全体的に機能重視で簡素な印象を受けます。
1階席後部に売店スペースが設けられているのも大きな特徴で、この点は海中生物衝突対策で売店撤去→ワゴン販売に切り替えたBEETLEが、売店撤去前は船室前方で売店営業を行っていたのとは対照的です。
またBEETLEでは改装を伴う売店撤去後、グリーン席として運用している1階前方区画も、モノクラスだけあって他区画と同じ座席が設置されており、この点はMAKIKYUが以前乗船した事がある東海汽船や佐渡汽船のジェットフォイルと同様です。
1階最前部区画は、東海汽船では前面窓ガラスを塞いでいるのですが、九州郵船では佐渡汽船と同様に前面展望が堪能できる「展望席」となっており、ヴィーナスは定員制になっているものの、座席指定制ではない為に任意の空席に着席する事ができます。
乗船時は時間帯の関係もあってか、比較的利用が少なく多数の空席がありましたので、MAKIKYUはこの展望席で壱岐までの1時間を過ごしたものでした。
乗船日は天候も決して良好とは言い難く、船体も多少揺れる可能性が…という案内もあったものの、さほどの揺れもなく1時間の航海はあっと言う間に過ぎ、壱岐入港となりますが、ヴィーナスでは1階・2階双方に出入口が設けられているものの、乗下船は博多・郷ノ浦共にBEETLE(出入口は1階のみに設置)などと同様に1階からとなります。
(東海汽船「セブンアイランド」では、乗下船は基本的に2階からとなっています)
壱岐では便によって郷ノ浦港と芦辺港に発着港が分かれていますので、特に壱岐から乗船する際などは、間違えて他方の港へ行ってしまう事がない様に注意が必要です。
(両者は10km以上離れており、路線バスでも30~40分程を要し、その運行便数も限られています)
ジェットフォイルに乗船しての壱岐初上陸は、博多からはかなり近いと感じましたが、一応小型プロペラ機による長崎空港発着の航空便は存在しているものの、直接長崎県本土との間を直結する旅客航路が存在しない事もあり、対馬と同様に長崎県と言うのが意外な印象を受けます。
壱岐の北に位置する対馬は、島の東脇を何度もジェットフォイルで通り過ぎており、姿は何度も見ているのですが、まだ未訪の地ですので、壱岐へ足を運んだら今度は対馬にも…と感じています。
そうなると個人的には更に北を目指したいと感じ、かなり大掛かりな旅行になります。
彼の地へは所要時間だけでなく、旅費の面でも福岡から直接向かった方が経済的で、MAKIKYUの手元にあるパスポートの日本出国・帰国スタンプは、過半数(更新前パスポートへの押印も含む)が「HAKATA」のスタンプという状況ですが、一度位は古の時代から続くルートを辿ると共に、長崎県からの出国(或いは長崎県への帰国)もしたいと感じています。
(ただ長崎県からの出国(或いは長崎県への帰国)も、大村市内某所の利用だけは、個人的には勘弁願いたいものです)
MAKIKYUの周囲には、ジェットフォイルでの海外渡航が可能な事を知らず、その話をしただけでも驚かれる事もしばしばで、知っていても利用した事が内という声が圧倒的多数なのは、少々残念な話なのですが…