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中国鉄路乗車記:K269次

2006-08-16 | 鉄道[中華人民共和国]
 

(この記事は乗車日にあわせた過去ログ投稿です)

8月13日、MAKIKYUは瀋陽北からの列車(T12次)で北京に到着し、北京到着後はすぐに乗車券売り場へ向かい、16日夜北京西発の京広線の乗車券購入へ。

目的地は武漢ですが、そのままZ列車(直達特快)で向かうのは面白みがなく、また鄭州~武漢(漢口)の間には、「中原之星」と呼ばれる中国鉄路では珍しい電車(EMU)が走っているので、これにも乗車できれば…という事で、鄭州へ向かう列車の乗車券購入に臨み、第一希望の16日発K269次硬臥を鄭州までと記したメモを係員に渡すと、乗車日まで間がある事と、発売開始直後に売り切れる程の列車でもないのか無事購入でき、特に場所(寝台の上中下:料金も多少異なる)は指定しなかったのですが中段で発券(169元)されていました。

ちなみにK269次列車は、車次(列車番号)の筆頭に「K」が付く快速(複数の鉄路局に跨って運行)ですが、北京西站を1951に出発し、MAKIKYUが下車する鄭州には617到着、終点の洛陽には822に到着する夜行列車で、運行距離813kmは中国では決して長距離列車の部類には入りません。
(国の大きさというか、スケールの違いを感じさせられます)

また北京站の乗車券売り場で並んでいる際、前方に並んでいた方々の購入した切符を見ていると…
(売り場窓口にはモニターがあり、発券した乗車券の内容はすぐ分かります)
北京→蘇州 硬座(L次の臨時列車・空調なし)
北京→杭州 硬座(特快・新型空調車)
北京→青島 硬座(特快・新型空調車)

といった感じで、どれもMAKIKYUが購入した鄭州よりも遠距離で、これらは全て夜行にも関わらず皆硬座で、しかも特快の乗車券を購入した2人は見た所20歳位の女性だったので「これは凄いな~」と感じましたが、これはたかだか鄭州でも運賃の高い新型空調車の寝台でないとハードで…と感じるMAKIKYUの様な贅沢で貧弱な人間の発想で、中国の方々から見れば夜行列車の硬座乗車は当たり前の様です。

無事K269次の乗車券を確保した後は、北京市内に3泊し、市内や天津などを3日間廻り、この列車の乗車日・16日は昼間に鉄道博物館へ行き、その後地鉄乗車といった感じでしたが、夕方に地鉄13号線の新型車両や、1号線末端の入庫区間(古城路から分岐して古城車両段へ向かう路線)の乗車に随分と時間を費やし、K269次列車の出発1時間前にまだ蘋果園(地鉄1号線の始発站)に居る有様でした。

これでは急がないと…という事で、地鉄1号線の列車で一路市内へ向かう列車に飛び乗り、車内で市内地図を見て北京西站に近い地鉄站を探し出す有様でしたが、軍事博物館站から徒歩でも15分程度で行けそうな感じで、路線バスもあれば…という事で、ここで下車する事に。

軍事博物館站で地鉄を下車して地上に上がると、目の前がバス停で北京西站の表示を出したバスも走っていたので、やって来たバスにすぐ乗車。
大した距離でもないのに…と思われる方も居られるかと思いますが、MAKIKYUはバス好きで機会があれば利用したいのと、荷物も大きく時間も余りないので1元奮発です。

ただこれでも北京西站に到着したのは1930前、この站を初めて利用するにも関わらずMAKIKYUは随分無謀ですが、これでは非常に慌しくまた北京西站は非常に大きい站で、検票(改札)の場所を探すだけでも苦労しますので、旅慣れた方はともかく、中国旅行初心者はこの様な行動は絶対避けた方が良いと思います。

検票を済ませてホームに入ると、始発站で発車時刻も近い事もあって列車は当然入線しており、まずは先頭に出向き機関車を撮影、連結されている機関車は京広線では主力の電気機関車・SS8形で、既に日が暮れている事もあって写真撮影もやっと…といった感じでした。

その後ろにはオレンジ色の客車・25G形が連なっていますが、編成は1号車が発電車、2~6号車が硬座車、7号車が食堂車、8・9号車は軟臥車で、そしてMAKIKYUが乗車する10号車以降が硬臥車となっています。

MAKIKYUが硬臥車に乗車すると既に先客は多数居り、通路にある折り畳みイスは全て使われている様な状況で、服務員に乗車券を預けて換車票を受け取り寝台の下段に着席すると列車は程なく出発、列車が発車するとほぼ同時に車内には音楽が流れ出し、なかなかいいムードを演出して居ました。

ちなみにこの列車は洛陽車両段の担当で乗車した車両はYW25G 675042、カード式の換車票にも「洛陽車両段」の表記がありましたが、MAKIKYUとしては換車票は昔ながらの金属片よりもこのカード式の方が好みで、それは扱いやすい(金属片は小さいので他の物に紛れる)のと、乗車券が綺麗に保管される(金属片の場合は、乗車券を何回か折られた状態で保管される)メリットがありますが、金属片の方が…という方も居られる様で、好みは色々の様です。

また寝台は指定された寝台(中段)の下段が進行方向とは反対側で、とりあえずここに着席しましたが、進行方向でないとどうも落ち着かないMAKIKYUは相席の中国人に頼んで進行方向の座席と交換、ちなみこの相席の乗客には荷物の収納を手伝ってもらい、その後漢字の筆談で色々質問がやって来たりします。

列車が出発してしばらく走ると街明かりも少なくなり、この頃車内視察に行きますが、まずは出発前に視察できなかった後方の硬臥車へ。

硬臥車は18号車までの8両が連結されており、MAKIKYUが乗車した10号車から16号車までの車両は四方製、この車両は通路と寝台の間に仕切りがあり、荷棚も通路から見えなくなっているなど見栄えが良いだけでなく、各寝台に読書灯が装備されているなど他の車両より少々上等な感じで、MAKIKYUが今年の中国旅行で乗車した中国鉄路の車両では最上等ともいえる車両でした。

ちなみに17・18号車は長春製で設備的には大差ないとはいえ、こちらはやや劣る感じ、また18号車の後側は「旅客止歩」と書かれたカーテンで仕切られており、服務員の控室になっている様でした。

後方の車両を視察した後は前方へ、軟臥車は乗車前は1両だけかと思っていましたが、この列車は快速にも関わらず8・9号車の2両連結されており、硬臥よりややゆったりとした感じの2段ベッドですが、こちらはMAKIKYUが見た際はどう見ても中国人や日本人には見えない様な欧米系の乗客グループが過半数、恐らくツアーかなと言った感じで、これでは何処の国の鉄道に乗車しているのか?と思う程でした。

図体の大きな欧米人は硬臥ではきつそうですが、英語もロクに話せないMAKIKYUとしては、ここに乗車していたらかえって居心地悪いだろうな…と感じる程で、大混雑の硬座は論外ですが、この列車では中国人に紛れて硬臥に乗車した方が気楽で違和感なく乗車できるのでは…と感じます。
(余談ですがMAKIKYUは欧米人相手に英語で対応するよりは、中国人と漢字で筆談の方が気楽に感じます)

軟臥を通り抜けた後は食堂車へ、ここでの乗客向けメニューはセットメニュー1品のみの様で、銀色のトレー1つに米飯と3~4種類程度のおかずが盛り付けられて25元、見た目は学校給食の様な感じで余り美味しそうには見えず、値段も高いので利用は控えましたが、服務員には別メニューがある様で、彼らが食べている炒飯とスープの方が美味しそうな感じでした。(その後覗いた時には、面類を食べている服務員を目撃しています)

食堂車の先には硬座車がありますが、硬座車は両数が少ない事もあって座席だけでなく通路やデッキにまで人が溢れ寝台車とは雲泥の差、あまりに混雑し過ぎて動きが取れない程でしたので巡回断念です。

車内巡回を終えて自席に戻った後は、相席の中国人と漢字で筆談となり、まず最初に「何処の国から?」といった事から始まり、「どんな目的で中国へ来たのか?」「年齢はいくつ?」といった一般的な事がいくつか、あと「何故中国語が話せないのに漢字が理解できるのか?」といった事も聞かれたのは意外でした。

また「何処へ行くのか?」と聞かれた際に鄭州で下車し、武漢へ行く列車に乗車すると伝えると相手は残念そうにしており、「洛陽人?(洛陽の方ですか?)」と尋ねるとその通りで、「歴史のある良い所と」勧められる状況。(中国人は自分の郷里が一番という発想を持っている方が多い様です)

ただ中国の大陸本土は広大にも関わらず、日本人がノービザで旅行できるのは15日以内と限られており、それも陸路で…となると随分慌しく、色々取捨選択をしなければならないのでその旨を説明、ノービザでの滞在期間ももう少し長くなれば…と感じます。

またこの相手は同年代か少し年下位かと思っていましたが、年齢を尋ねるとまだ16歳との事で、兄弟と2人で北京からの勉強帰りで乗車していた様でしたが、この乗客に限らず中国人は日本人よりも大人びて見える気がします。(日本人が幼く見えるだけかもしれませんが…)

こんな事をしている間に列車は最初の停車站・高稗店へ、この站を出た後直ぐに高稗店からの硬臥乗車券を持った乗客が通路を歩いているのを見かけましたが、あまり大きくないこの站に寝台の割り当てがあるのか、それとも列車長から補票で購入したのか気になる所です。

高稗店を過ぎてしばらく経った頃夕食にしますが、この列車は食堂車が連結されているにも関わらず弁当販売がなく、食堂車もあまり…という事で持参の方便面(カップ面)と鮮の毎日C(ジュース)で夕食に、中国鉄路では熱湯は殆どの列車で各車両に用意されているので心配無用です。

ちなみにカップ面は中国製ばかりだと飽きてしまい…という事もあって食べ慣れた農心・辛拉面、ただ中国で売られているモノはフォーク(プラスチック製)入りになっているのも特徴です。

列車内の車内販売で方便面程度ならあり食料調達は可能ですが、値段は市価より高くまた種類も限られますので、いつでも食べれる様なモノを多少余計に持っているのがベストです。

21時半頃には2つ目の停車站・保定に到着し、北京を出発してから始めてようやく街らしい所に辿り着いた感じですが、ここでは数本の直達特快をはじめとする列車の退避で1時間程停車です。

こうでもしないとK269次の様な運行距離の短い列車(これでも800km強ありますが…)は目的地に早く着き過ぎてしまうので、時間調整は夜行列車ではある意味有り難いサービスですが、列車のトイレは垂れ流し式(最近一部で異なるモノもある様です)という事もあり、この間はずっと施錠されてしまうので要注意です。

保定站停車中にはホームに数名の売り子が居り、ジュースや方便面などを販売して買い求めている乗客も散見といった感じでしたが、ここでも弁当の販売は見かけず…他の列車だと駅売りと車内売りでどちらにしようか迷う事もありますが、このK269次は食事情に関しては少々貧相な感じです。

また保定站停車中に消灯時間(硬臥は22時に一斉消灯となります)を迎え、車内は暗く…MAKIKYUが乗車した車両には各寝台に読書灯があるのが幸いですが、少々不便です。

保定発車後は一度トイレに向かうので寝台を離れた位ですが、途中停車した信号所の様な所で緑色の客車(最近運行が開始されたラサ行き特快)に抜かれたのを覚えている程度で、あとは外も真っ暗なので寝台で寝るのみです。

そして翌日目が覚めると5時30分過ぎ、霧が出ている田園風景の中を一路南へ真っ直ぐ進んでいる様な感じで、程なく40分頃には服務員が換車票と引き換えに切符を返却、MAKIKYUが見ている限りでは洛陽まで行かずに鄭州で下車する乗客も結構いる様でした。

50分頃には黄河を渡り、過ぎた先にはその名もズバリ!といった感じの「黄河南岸」站を通過、ここを過ぎてから少々走ると街並みが見えてきて鄭州に到着です。

列車はほぼ定刻・6時20分前には鄭州に到着、昨日筆談を交えた相席の中国人に「再見!」と伝えてMAKIKYUは下車ですが、朝が早いので少々慌しく、また随分とあっけない感じでした。

この列車を降りて鄭州站の改札を出たら、今度は直ぐに乗車券売り場へ出向きT501次の乗車券購入へ。

この続きはT501次の乗車記に記していますので、興味のある方は以下へ
http://blog.goo.ne.jp/makikyu/d/20060817


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