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中国鉄路乗車記:T501次

2006-08-17 | 鉄道[中華人民共和国]

  

(この記事は乗車日にあわせた過去ログ投稿です)

17日朝、K269次列車で鄭州站に到着したMAKIKYUは、列車を降りて改札を出た後すぐに乗車券売り場へ向かい、T501次の乗車券購入へ。

このT501次列車は、比較的最近まで武昌行きとして運行されていた列車ですが、現在は鄭州→漢口(武漢市)を結んでおり、中国では珍しい「中原之星」と呼ばれる動力分散方式の電車(EMU)を使用している事でも知られています。

「中原之星」は14両編成で、両端の車両が軟座車、中間に入る車両は硬座車となっている様で、両端の軟座車と硬座車の何両かが電動車(床下の台車にモーターを装備した車両)となっており、軟座だと確実に電動車に乗車できる事もあって、乗車券購入の際は軟座購入希望の旨を記したメモを服務員に渡すと、乗車券は無事第一希望で発券。

乗車1時間前でも購入できる位の列車という事で、乗車券の購入はかなり容易な様ですが、乗車券を見るとビックリ!

軟座にも関わらず10号車上047号と出ており、軟座で10号車という事自体が異様な上に、「上」という表記はどう考えても2階建て車両、という事は全車平屋の「中原之星」ではない事が確定した訳で、せっかく鄭州まで来てT501次に乗車できるのに…という無念感と共にどんな編成の列車なのか興味も、という状況でした。

乗車券を購入した後は発車まで少々時間があるので、駅前で発着している路線バスの撮影や朝食調達で時間を潰し、7時半頃には站構内へ。

検票(改札)を過ぎてホームに入ると、停車していたT501次は先頭に電気機関車のSS7Eが連結され、その後の1号車が発電車、2~7号車が硬座車、そして8号車以降はMAKIKYUが乗車する10号車を含めて3両が軟座車となっており、列車のサボは漢口止めに短縮されたにも関わらず「鄭州‐武昌」の表記のままで、発着站の修正すら行われていないのは中国のおおらかさと言った所です。

ちなみにこのT501次の乗客が乗車する2~10号車の客車は全て2階建ての客車となっており、2階建て車両で収容力がある事もあってか本来運行されている「中原之星」に比べて短い編成でしたが、軟座車が2階建て車両にも関わらず3両も連結されているのは意外で、これがあっさりと軟座車が確保できた要因かもしれません。

また2階建て客車の後ろには行李(荷物)車が連結されていましたが、その後ろに平屋の硬座車(YZ25K)が連結されている姿は少々違和感を感じるものでしたが、この硬座車は服務員の控車になっている様でした。

編成を一通り確認してから所定の10号車・SRZ25K 110864に乗車すると、車内の設備は日本の普通列車と同程度といった感じのボックス席が上下双方の階に並んでおり、乗車口を入ってから上層へ。

指定された座席に向かうと、座席はMAKIKYUが好まない進行方向とは逆向きの座席で、進行方向の座席に座っている乗客に交換を申し出ても、あまり気乗りしない返事が英語で返ってくる有様…硬座に比べて神経質な乗客が多い様な感じで、車内も静かで張り詰めた様な空気が漂っており、客層を見ると日本のグリーン車に居る様でどうも違和感があり居心地は今一つです。

硬座車も多少座席が狭いとはいえこの列車は特快という事で当然新型空調車、まして「中原之星」でないならばこちらの方が運賃も安いので良かったかな…と感じる状況でした。

列車が発車してしばらく走り、鄭州の市内を抜けると街中以外は単調な景色をひたすら南へ走っていく区間が続き、途中の漯河ではボックス席の乗客の内2名が下車。

これで進行方向の座席がようやく確保でき、それも右窓側という絶好のポジションでしたが、漯河で乗車してくる乗客も居り、こちらのボックスにも漯河を出てから少しした所で補票の乗客がやって来ましたが、車内は鄭州から離れるほどに空いて来る感じでした。

漯河を出てしばらく走っている時までは列車もほぼ定時で運行していましたが、信陽へ向かう途中の明港(T501次は通過)の手前にある信号所でしばらく運転停車に。

ここでは隣に2234/1次(太原→漢口)が停車しており、この列車は本来なら終点漢口までT501次の前を走っている筈なので、こちらは1時間以上遅れている様な感じでした。

この辺りから車窓には変化が出始め、畑に変わって田園が車窓のメインとなり、緩やかな丘陵地をカーブやアップダウンを繰り返して行きますが、荒涼とした平野をひたすら真っ直ぐ駆けていくよりも乗り応えある気がします。

ただこの辺りで列車はノロノロ運行になり信陽に到着した際は約40分遅れ、ここでは多数の乗客が下車し車内も随分空いてきましたが、発車前には隣のホーム(同じ站台)に先程の2234/1次が入線する姿も…本来は前方を走っている列車とはいえ、さすがに随分格下に当たる普快なので、この列車に進路を譲ることはなくこちらが先発です。

信陽を出発した後は車内も空席が随分目立つようになり、車窓は所々で茶畑が散見される丘陵地帯の中を走り、所々で上下線が少々離れる区間も…

またこの列車には食堂車はないものの、信陽で積み込んだのか弁当の販売も巡回し、当初は漢口到着後に昼食でも…と考えていたMAKIKYUも、列車の到着が随分と遅れそうな事もあり、これを1個購入して昼食に。

ちなみに弁当の値段は1個10元、中国で車内販売される弁当はカート販売で購入時に容器に盛り付けという事が多いですが、カート販売が困難な2階建て列車で、それも既に調製済(食堂車を連結している列車はここで調製します)という事もあって、おかずとご飯の容器それぞれに盛り付け済となった弁当でした。

ちなみに肝心の味ですが、おかずはラー油で味付けされているのかやや辛めでしたが、なかなかご飯が進む感じでボリュームも充分、決して悪くない買い物だった気がします。

弁当を食べ終えてしばらくすると車窓は丘陵地帯から田園風景に変わり、前方に列車が支えているのか、それとも線路の工事でもしているのかまたも減速運行に。

考感近くになると放牧された牛の姿が目に付くようになり、また線路脇には「厳禁耕牛上鉄路」といった掲示も線路脇に見える状況でしたが、こんな掲示が出ると言う事は、線路上に耕牛を歩かせる者が居るという事の現われで、国情の違いを感じさせられます。

考感を過ぎると昼食を済ませた後という事もあって睡魔に…目が覚めた頃には既に車窓は既に街並みが並ぶ状況で、視界に線路が多数見えてくると程なく終点漢口で約50分の遅れで到着、昼下がりという事もあってか站構内は閑散とした感じでしたが、站の改札を一歩出ると客引きなどが…というのは中国では典型的な事です。

改札を出た後は翌日の乗車券を購入するため乗車券売り場へ、これは予想外の結果が待ち受けていて大変でした。(興味のある方は、T179次乗車記をご覧下さい)
T179次乗車記 http://blog.goo.ne.jp/makikyu/d/20060818

今回のT501次乗車では、2階建て客車に代走されて「中原之星」に乗車できなかったのは残念でしたが、この車両が現在どの様な状況に置かれているのか気になります。
(「中華之星」をはじめ、他の動車組はなかなかうまくいっていないモノが多いようですし、ただの検査代走等なら良いのですが・・・)

今回乗車した2階建て客車での運行が常態化しているのか、それとも検査等での代走なのかも気になりますが、もし今度またT501次(あるいは復路のT502次)に乗車する機会があるならば是非「中原之星」に、と思っていますが、どうなることやら…


写真はT501次列車と車内販売の弁当、列車のサボ(行先表示が以前のまま)です。



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