今月初頭MAKIKYUが日本一の路線バスとして知られ、奈良・和歌山両県に跨る奈良交通・八木新宮線(大和八木駅~新宮駅)に乗車した際には、同線は所要時間が片道約6時間半と非常に長い上に、車両もトイレを装備していない事もあって、途中3回の休憩がありました。
その中でも八木新宮線のほぼ中間地点、十津川村北部に位置する上野地(Uenoji)では、約20分という一般路線バスにしては比較的長い休憩時間が設けられており、この様を見ると八木新宮線のバスが名乗る「特急」という種別は一体…と感じる方も居られるかと思います。
この上野地での休憩時間は、谷瀬(Tanize)吊り橋と呼ばれる吊り橋の見学も可能な様に長めに設定されており、市販の全国版時刻表でも上野地で20分停車する旨が記されている程ですが、MAKIKYUも八木新宮線に乗車した際には、この休憩時間を利用して吊り橋見物に出向いたものでした。
谷瀬吊り橋は八木新宮線などの奈良交通バスや、十津川村営バスの発着する上野地バス停(バス3台分程度が駐車可能で、小さなターミナルの様になっています)から100m位離れた所にかかっており、大和八木駅方面からの新宮駅方面行きバスに乗車した場合、吊り橋の目の前を過ぎて少し走った所でバスが停車します。
吊り橋自体は名前の通り、上野地の対岸にある谷瀬集落へ向けて川を跨ぐ格好でかかっているのですが、長さは297m、高さも54mと歩行者専用の吊り橋にしては極めて規模が大きいものです。
MAKIKYUもこれだけの吊り橋は今まで他に…と感じた程(さすがに鉄道や高速道路が通る吊り橋とは比較できませんが…)でしたが、大規模な吊り橋だけあって常時補修が行われている様で、足元の踏み板が所々で新しいものになっている所が見受けられ、補修作業を行っている姿も目撃していますので、維持管理も相当なものと感じたものです。
これだけの吊り橋ですので、十津川村では有数の観光名所にもなっており、混雑時には上野地→谷瀬方向への一方通行(谷瀬→上野地は有料の村営臨時シャトルバス利用)も実施される様です。
MAKIKYUとしてはシャトルバスにも興味はありますが、八木新宮線のバスを乗り通すとなると20分弱しか見物時間がなく、一方通行が実施されると吊り橋を対岸(谷瀬)まで往復する事は出来なくなってしまいます。
また大雨などの天候になると、一方通行が実施されていなくても橋を渡るのに難儀しますので、一方通行が実施されておらず、雨にも殆ど当たらない時に訪問できて良かったと感じたものです。
ちなみにMAKIKYUの足では上野地バス停から吊り橋へ向かい、対岸の谷瀬まで行って来た道を戻るだけなら、20分の停車時間でも充分と感じたものでしたが、谷瀬吊り橋をゆっくり見物するとなると上野地での停車時間はやや短く、八木新宮線自体も「特急」を名乗るとはいえ急ぎのビジネス利用などはまず考えられない路線ですので、もう少し停車時間があっても…と感じたものでした。
あと上野地バス停の写真を見て気付いた方も居るかと思いますが、上野地ではバス停に隣接して小規模な郵便局が設けられており、吊り橋見物と共にこちらへも訪問したいとなれば、当然20分の休憩時間では厳しいかと思います。
路線バス利用で上野地を訪れる場合、途中下車可能な乗車券(168バスハイク乗車券)を利用して次の便まで待つのが賢明かと思いますが、八木新宮線自体が一日3往復しか運行しておらず、他路線も含めた奈良交通バス全体でも運行本数は指の数程…という状況ですので要注意です。