MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

中国鉄路乗車記:K202/3次(1)

2006-08-25 | 鉄道[中華人民共和国]
 
 

(この記事は乗車日にあわせた過去ログ投稿です)

8月20日は重慶行き列車乗車希望日の6日前、即ち広東省内を出発する列車の乗車券発売開始日で、この日MAKIKYUは広州站前のホテルに宿泊していた事もあり、日付が変わったばかりの頃に広州站の乗車券売り場へ。

というのも広州~重慶間の列車は一日5本運行されており、これだけ本数が運行されていれば発売当日に買いに行けば自力でも乗車券購入が可能と踏んで、旅行会社などへの手配を依頼していなかったからです。

ところがここでは広州站発の乗車券は4日前からしか発売しない(広州発以外の広東省内発は6日前から発売する様です)と言うことで、売り場の係員が発券しようにもコンピューターが発券を受け付けない状況、結局こんな時間にわざわざ乗車券売り場へ出向いたのも無駄足同然で、さすがにそのまま引き返すのも…という事で、当日午前中に深センへ向かう列車(これは比較的購入も容易です)の乗車券だけ購入して退散する事に。

ちなみにこの広州站前は治安が悪い事で有名な様で、MAKIKYUが広州站前を歩いている際は特にトラブルなどは無かったものの、警察官や警備員の数が異常に多く治安の悪さを象徴している様で、また夜通しで列車を待っているのか、それともホームレスなのかも分からない様な人物も站前に多数居り、異様な感じでしたので、深夜この一帯を歩かれる際は細心の注意と覚悟が必要です。

未明の乗車券購入が失敗に終わり、このままでは…という事で、今度は夜が明けてから7時半過ぎに広州站近くのホテル・流花賓館へ。

ここはMAKIKYUが宿泊している安ホテル(それでも1泊130元なので、高いという方も居られるかもしれませんが…)に比べると少々広州站まで遠い(それでもかなり近いです)とはいえ随分高級なホテルですが、このホテルの中には7時~22時まで営業している列車の乗車券売り場がある事を前日に確認しており、またここでは広州站発車の6日前でも発券が可能な様なので、何とか重慶行き列車の寝台乗車券を入手したいMAKIKYUここで購入に臨む事に。

中国語の話せないMAKIKYUの事なので、当然希望の日時や列車などを記したメモを渡して後は筆談という有様ですが、重慶へ向かう列車は乗車券が買い難いと言われる西南地区という事もあってか、第一希望の8月25日広州発1076/7列車硬臥は発売開始日の朝にも関わらず「没有」(売り切れ)と係員に筆談で伝えられ、同じ25日広州発のK202/3次列車の硬臥上段なら空席があるというので、早速この列車の乗車券を購入。

この列車は第一希望ではないものの、広州~重慶間を運行する5本中3本の空調車で運行される列車で、また最も利用したくないと思っていたK356/7次(この列車は武漢経由で既乗車区間が長く、また興味のある貴陽方面を経由しない)でもないので、これでも確保できただけ上等かもしれません。

またこの乗車券売り場は広州站の乗車券売り場と異なり空いており、発券待ちの間も椅子に座っていられるので乗車券購入も楽ですが、乗車券購入時に乗車券代金391元とは別に発券手数料が5元上乗せされるのが難点で、購入金額は396元と少々高くついてしまい、その上このK202/3次は昼間の運行時間が長く車中泊数が予定より1泊少ないので、手配の変更にも動く状況に。
(これは結局重慶の宿泊日を1泊分前にずらし、その後の成都で宿泊数を増やす事で解決)

無事重慶までの乗車券を確保した後は、これでようやく落ち着いて朝食を摂る気分になったものの、朝から油物の中華は…という事で、流花賓館のすぐ側にあるマクドナルドで朝マックにしましたが、このマクドナルドは店内に鉄道写真や模型が幾つも飾られ、レールファンの方には是非オススメの場所です。

この日はこの後、宿泊していたホテルをチェックアウトし、広州を出発して深センへ向かい、更にそこから香港へ陸路で入境しましたが、広州站を出発する際には隣のホームにK202/3次の列車が…

見た所ありふれたオレンジ色の25G形客車で、これは予想通りでしたが、車両は結構手入れが悪いのか荒れている様な感じで、またどちらの鉄路局所属かも気になっていましたが、車両の所属表記や乗務員のバッジを見て重慶側の管轄である事も発覚、遠距離列車らしく見送りの人間が何人も列車の乗車口付近に集まっている姿が印象的でした。

ちなみにノービザで中国の大陸本土へ入国したMAKIKYUの場合、1回の滞在期限は15日しかありませんが、一旦香港へ出境した場合は再び大陸本土に入境してから15日滞在可能という事もあって、一旦香港へ。

その後24日にはMAKIKYUも再び大陸本土に帰還し、その翌日(25日)にはいよいよ広州1018発の重慶行き快速・K202/3次に乗車へ、ちなみにこの列車の終点重慶到着予定時刻は翌日の16時32分、中国ではこの程度の長距離列車は多数走っていますが、東アジアの某島国とはスケールの違いを感じさせられます。

この日も例の如く広州站前の安ホテルをチェックアウトして広州站へ向かいますが、朝がゆっくりめという事もあり、列車乗車前も朝食と銀行での両替を済ませた程度で、あとは一日列車乗車だけで潰れてしまうという、レールファンなら嬉しい一日です。(レールファンでない方は、少々厳しいかもしれませんが…)

広州站へ向かい、検票(改札)を済ませてホームに向かうとK202/3次は既に20日と同じホームに停車しており、20日と同じ様に見送り客が多数といった風景が繰り返されているのですが、20日には隣のホームに停車してMAKIKYUが乗車した深セン行き特快は別のホームの発着となっており、出発ホームが定まらないのは中国ではごく当たり前の様です。

発車まではまだ暫く時間もあるので、まずは先頭の機関車を撮影へ向かいますが、先頭に立っていた機関車は京広線ではありふれた存在のSS8形電気機関車ですが、途中で他の機関車に交代します。

その後は指定された硬臥の15号車へ向かい、車内に入ると既に乗客は多数居ましたが、子供連れが多い事もあってかなり騒がしく、こちらの寝台にも子供連れがいる状況でした。ちなみに乗車した車両の番号はYW25G 672562です。

列車はほぼ定刻で広州を出発、暫くは広州の市街地を走っていきますが、11時頃には市街地も抜け、この頃に服務員が乗車券と引き換えに換車票を渡しに来ましたが、子供連れの乗客は大人の分だけ乗車券を購入し、子供と二人で一つの寝台を使っている乗客が多く、60cm程度の決して広いとはいえない寝台に2人で寝る中国人は、硬座で夜を過ごすよりはマシとはいえ大したものです。

ただ親子で寝台を利用する場合、小児分の追加料金(広州~重慶で100元を少々超えていましたので、恐らく硬座の小児運賃相当程度と思います)が別途必要な様で、この乗車券は事前購入できないのか、それとも乗客側が購入していないのか分かりませんが、この小児券発券で結構手間取っている感じでした。

ちなみにこの列車の換車票は昔ながらの小さな金属片タイプで、また服務員が使用していた車内補充券発券器はCASIO製でした。

換車票への引き換えが終わると、ホテルをチェックアウトしてすぐ列車に乗り込んだMAKIKYUは全然平気なのですが、もう既に寝台で寝始める者も居る状況でした。

その後12時前には車内の様子を視察に巡回へ、硬座車は始発からまださほど経過していないにも関わらず既に無座の乗客が多数通路を占拠し、また座席もただでさえ狭い3人掛けを4人で使用するなどかなり混雑しており、MAKIKYUが通路を歩くだけでも大変な状況で、これではカートでの車内販売などはかなり大変そうな感じです。

またこの列車の硬座車は、新型空調車にしては随分格下とでもいうのか、車内はあまり綺麗ではなく、試しに座ってみた座席も何だか硬い物が当る様な感触を感じ、また通路には食べかすのゴミ等が散らばるなど、全体的に荒れた感があり印象は良くありません。

硬座車を視察している時には、丁度昼食時という事もあってか車内には弁当販売のカートも巡回し、こちらは硬座車では10元で発売していましたが、内容はご飯とおかずの2容器に分かれ、おかずは重慶局の列車だけあって辛そうなマーボー豆腐など3品、また容器はフタなしのもので悪くはなさそうでしたが、18日に通った際に気になったものの購入できなかった韶関站の弁当を食べたいと思っているMAKIKYUはパスです。

ちなみにこの列車の編成は先頭から順に、19号車が行李(荷物)車、18~13号車が硬臥車(その内18号車は服務員用の宿営車)、12号車が軟臥車、11号車が食堂車、10~4号車が硬座車となっており、その後ろに発電車などが連結されていた様です。

編成を確認した後は食堂車を通って硬臥車に戻りますが、食堂車では服務員の呼び止めが…MAKIKYUはどう考えても彼らには硬座の乗客にしか見えないらしく、乗車券を改められましたが、換車票を提示したら無事彼らも納得です。

その後硬臥車へ戻ると、こちらでもカートによる弁当の車内販売があり、ここでは弁当のおかずが一品多く(4品)、また少々おかずが高級そうなのと、容器がフタ付きになっているなどの違いはあるものの15元で発売しており、どう考えても5元の価格差程ではなく、寝台の乗客は少々高値で販売しても購入するという計算がある様な感じですので、このK202/3次車内で弁当を購入する際は、少々手間がかかっても硬座車へ出向いて購入した方が良さそうです。

その後12時40分過ぎには最初の停車站・韶関へ、ここでは期待通り陶器入りの弁当がホームで販売されており、売り子が多数ホームに居るので、MAKIKYUも早速1個購入。

ただこの列車の韶関站到着時刻には、既に方便面(カップラーメン)や車内販売の弁当などで昼食を済ませた乗客も多い様で、ホームへ降りた乗客は各車両数名、中国人の間ではあまり知名度が高くないのかもしれません。

ちなみにMAKIKYUが韶関站で購入した弁当の内容は、陶器の容器中にご飯が入っており、その上に鶏肉・サラミ・ゆで卵が乗っかったモノで、更に購入時にほうれん草を盛り付けて箸を刺すものでしたが、列車が出発の際にホームを見ると、他にも種類はある様です。

列車が韶関站を出発した後は、早速購入した弁当を頂きますが、この弁当は温かくご飯にも味がしみており、容器の底についたおこげも楽しめるなかなかの絶品で、18日に目撃して期待していただけの価値は充分あり、陶器でできたこの弁当の容器は取っ手とフタも付いた立派なモノです。
(MAKIKYUも記念に持ち帰ってきました)

また弁当のフタには「韶関車站」の掘り込みもあって持ち帰るといい記念品にもなる一石二鳥の弁当ですので、K202/3次列車に乗車される機会がありましたら、四川風味が好きな方以外は、車内販売の弁当よりも韶関站の弁当を買われた方が良いかと思います。
(他の列車に乗車される場合も、昼間京広線で韶関站に停車する列車に乗車される方には是非オススメです)

弁当を食べ終えて少々経過した頃には、今度は車内で面類のカート販売も登場、弁当の他にもう少し食べても…という所で、またこれは5元という事で一つ購入。

こちらはこんにゃくの様な軟らかい麺に、四川風の辛くて山椒の効いた味の脂っこいタレがかかったモノで、食べれない程ではないものの味がきつく、好みが大きく分かれそうな感じの代物でした。

昼食を終えて14時頃になると、昼寝をしている乗客も多く、また広州出発時には騒がしかったお子様方も飽きてきたのか車内は随分静かになり、また列車は山中の車窓の良い所を走るので、なかなかいい感じです。

そして14時45分頃には2つ目の停車站・郴州に到着、ここでも韶関站と同じ様な陶器の容器入りの弁当が10元で販売されているのを目撃、食事時から外れて時間帯が悪いのか殆ど売れている様子はありませんでしたが、韶関站で弁当を買い逃した場合、ここで弁当を購入するのも悪くないかもしれません。

郴州発車後はMAKIKYUも腹が満たされ、睡魔が襲ってきた事もあり寝台で昼寝に。

上段の寝台からは車窓が望めないのは残念ですが、昼間座席として使用される下段と比べるとどちらが良いのか…個人的には邪魔が入る事もなく、寝台で寝ている状態でも車窓が望める上に、狭いとはいえ寝台への出入りもさほど苦労しない中段が良い気がしますが、上段は運賃が最も安く、また下段は空間が広く階段を上がる事もないので、これは好みが大きく分かれそうです。

そして昼寝から起き出すと18時前、そろそろ株州に到着という頃で、株州に到着すると列車は10分程の停車で駅舎側のホーム到着、ホームでは飲み物や方便面などの販売をはじめ弁当の販売も行っており、MAKIKYUは購入しませんでしたがフタなしの陶器の中に辛そうな感じ(湖南省の料理は辛い物が多い事で有名です)のおかずが盛られているのを目撃しています。

またここでは機関車の交代も行われていた様で、列車は株州を出発すると京広線から分かれて西へ向かう湘黔線へ、この路線に入ってから最初の停車站・湖潭を過ぎて街中を抜け、田園風景の中で日没を迎えます。

外も暗く車窓も楽しめなくなると、再び車内視察に向かい、ついでに寝台車より安い値段で販売されている硬臥車の弁当でも購入しようかと思いましたが、食堂車から硬座車に向かおうとするとストップが…すると硬座車の方から顔を黒い布で覆われ、手錠を掛けられた2人組が乗警の誘導で連れられ、列車で護送を行っている様な感じでした。

食堂車で足止めを食らっている時には、列車員から何かを話しかけられ、中国語が話せないMAKIKYUは外国人である旨を漢字で伝えると、向こうは食堂の伝票を手に持ち何を注文するか聞いてきて、硬座車の方に行けそうな状況でもないので、乗車記念も兼ねてここで食事にしましたが、食堂車の撮影はとても出来る状況ではありませんでした。(それでも記念に注文した品だけは撮影しましたが…)

中国鉄路の列車に連結されている食堂車では、最近はバイキングや定食形式で価格が決まっている方式を採用している列車も多い様ですが、この列車の場合は一般的な街中のレストランなどと同様にメニュー毎に価格が決められ、任意の品を注文する方式でした。

メニューは主菜が微辣・麻辣などの味に別れ、この他スープや飲み物、米飯などがあり主菜は15~25元程度(20元前後が多い)、主菜は中国では一般的な2~3人前の大皿に盛られたもので、一人旅では一品で充分といった感じのものですが、中国人はあまり一人旅はしない様で、専ら数人のグループで複数の品を注文している感じでした。

MAKIKYUは酸菜肉絲湯(15元)を注文、酸菜肉絲湯は名前の通り肉や野菜(酸菜)が入った酸味のあるスープで、唐辛子や生姜も入っているものの、比較的さっぱりとした感じで味もなかなかでした。

またこれだけ注文しようとすると列車員が奇妙な顔(大半の乗客はおかずを複数注文する模様)をしていたので、「米飯?」と尋ねると2元というのでこれも注文しましたが、米飯は日本とは米の種類が違うのか、それとも炊き方が違うのか水分が少なめで、少々パサパサした感じでした。

昼も色々食べてずっと列車に乗り続けているMAKIKYUはこの二品で充分過ぎるほどでしたが、大食漢の中国人から見ると足りない量かもしれません。

食事を終えた後は、護送されている人物も居る様な所には長居する気にもなれないので、再び自分の寝台に戻りますが、21時過ぎには外は雷の稲妻が見える状況、列車もスピードを落として走っている様で、何だか異変を感じます。

そして22時にはMAKIKYUの乗車している硬臥車は一斉消灯(一斉消灯は硬臥車のみです)、あとは床に就くのみです。


乗車日が2日間に跨り乗車記も長くなりますので、翌日(26日)分は (2) として別記事にさせて頂きます。興味のある方は以下の続きもご覧下さい。
中国鉄路乗車記:K202/3次(2)  http://blog.goo.ne.jp/makikyu/d/20060826


画像は広州站停車中のK202/3次列車とそのサボ、韶関站の弁当と食堂車での夕食です。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。