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会津鉄道 キハ8500系気動車「AIZUマウントエクスプレス」~元大手私鉄の異色車両

2008-07-09 | 鉄道[東北]

 

「MAKIKYUのページ」では福島県を走る第3セクター鉄道、会津鉄道の車両に関して何度か取り上げていますが、今日は同社の花形とも言えるキハ8500系車両に関して取り上げたいと思います。

この車両は名鉄~JR直通特急(北アルプス号)の廃止に伴って用途不要となった名鉄の特急用気動車・キハ8500系の5両全てを購入したもので、会津鉄道移籍後は「AIZUマウントエクスプレス」の名称で活躍していますが、MAKIKYUが5月に会津へ出向いた際にも、この車両に乗車する機会がありました。

会津鉄道では専ら2両編成で運用される事から、名鉄から譲渡された5両の中でも、中間車1両だけは殆ど出番がなく、現在は残念ながら除籍されて部品確保用などに供されている様で、5月にAIZUマウントエクスプレスに乗車した際も、会津田島駅に留置されている姿を目撃しています。

ただ他の4両(全て先頭車)は形式をはじめ、塗装なども名鉄時代そのままの状況で使用されており、特徴的な形式番号表記の書体なども健在ですので、名鉄時代を知る人には懐かしの存在とも言える状況(MAKIKYUは残念ながら名鉄時代のキハ8500系には乗車していないのですが…)ですが、乗車した際に次駅などを表示する車内LED案内装置が使用されていなかったのは少々気になったものです。
(指定/自由席表示(会津鉄道では自由席のみ)は稼動していましたが、行先・次駅などの表示プログラムが、会津鉄道移籍後に更新されているのかは気になるものです)

運行区間も会津鉄道線内やJR只見線に乗り入れる会津若松までだけでなく、土休日などにJR磐越西線に乗り入れて喜多方まで延長運転されますが、元の車両使用先である名鉄時代だけでなく、第3セクター鉄道に移籍してもなお、JR線乗り入れの用途に供されています。

その上会津鉄道移籍時には列車設定がなかったものの、野岩鉄道線を経て東武鬼怒川線・鬼怒川温泉まで乗り入れる快速列車が設定されてからは、この列車に充当される事で、短い区間ながらも東武鉄道に乗り入れる事になり、偶然ながらかつて北アルプス号で活躍した時の如く、JR~大手私鉄間直通列車として使用されている事も、この車両の運命を象徴しているかの様に感じられます。

車内設備も元特急用だけあって、回転式リクライニングシートが並ぶハイグレードなもので、その上座席部分が段上げされており、カーテンを閉めても車窓を楽しめる様になっているなど、展望性も考慮されているのも特徴です。

また現在会津鉄道では以前取り上げたお座トロ列車で特別料金が必要(この車両を用いた臨時快速列車では不要)なものの、それ以外の列車は全て普通・快速列車扱いとなっていますし、乗り入れ先の野岩鉄道も現在特別料金の必要な定期列車の運行はありませんので、この両線は普通運賃が割高という事情があるにしろ、快速扱い(会津鉄道線内の一部列車は普通列車)で乗車券のみで利用可能となっていますので、非常に乗り得な車両と言えます。

そのため会津を訪問する機会があれば是非乗車したいと感じる車両の一つですが、東武線~野岩線~会津鉄道経由のルートは、フリーパスなどの設定もあってそこそこの値段で会津へ行けるとは言え、首都圏~会津若松間を移動する場合などは、新幹線利用(郡山経由)などに比べて所要時間を大幅に要する事もあって、MAKIKYUが鬼怒川温泉から乗車した際にも、2両編成という短編成ながらも座席の過半数は空いている状況でしたので、さほど利用されていないと感じたのは惜しい限りです。

それと東武線内では現在特急列車(SPECIAきぬ号など)との接続を考慮して、鬼怒川温泉以北の短い区間のみ乗り入れとなっていますが、鬼怒川線内は普通列車系(線内で各駅に停車する特別料金不要の列車:区間快速などを含む)の本数も決して多いとは言えませんので、特急との接続だけでなく日光などを絡めた観光の利便性向上や、日光線快速(区間快速を含む)利用での会津方面アクセスの利便性向上などを考えるのであれば、現在の乗り入れ区間をもう少し延長し、下今市や東武日光(下今市~東武日光間日光線乗り入れ)までの乗り入れも期待したいもので、こうすれば日光・鬼怒川を訪問した旅行客に会津を宣伝する絶好の機会にもなるのでは…と感じたものです。
(さすがに一部で提唱されている栗橋のJR連絡線を介し、現在稼動中の4両総出で山手線内~会津直通の特急列車を走らせる事は、物理的にはさほど障害はなさそうなものの、車両運用やダイヤ設定上の問題を考えると厳しそうですが…)

とはいえ会津エリア内のローカル輸送に従事していただけの、会津鉄道移籍当初から見ると、2005年以降の東武線乗り入れによるキハ8500系の関東地方進出は喜ばしい限りで、ようやくこの車両の本領を発揮し始めたと感じます(それでもまだ持て余している感がありますが…)が、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も会津へ出向かれる機会がありましたら、是非「AIZUマウントエクスプレス」の利用を検討してみては如何でしょうか?

(お断り)この車両・使用列車は現在東北地方(福島県)/関東地方(栃木県)に跨って運行しており、外観写真も鬼怒川温泉駅で撮影したものですが、「MAKIKYUのページ」においては東北地方のカテゴリー扱いとさせて頂きます。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
AIZUマウントエクスプレス (国仲 涼太)
2008-07-09 13:11:51
この車両,乗ったことがあります!

私が乗ったときは盛況で,鬼怒川温泉駅でスペーシアから乗り換えたときはみんなダッシュで前の座席に向かってました(笑)

前面展望が利くので楽しかったです。
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確かに1両目の方が… (MAKIKYU)
2008-07-09 13:17:13
国仲 涼太様こんにちは。

こちらがこの車両に乗車したのは、会津鉄道線内だけを走っていた時に続いて、5月の乗車が2回目だったのですが、乗車率の低調さは観光利用の比率が高い路線で波動が大きく、乗車日が平日だった事も影響しているかもしれません。

また前面展望の良さゆえに最前部の座席は常に乗客の姿が見られる状況(こちらもこの座席に座っていました)で、それ以外も1両目の乗車率が、2両目に比べて高かったのも印象的でした。
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