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MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
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寝台特急「あけぼの」号(2)~客車外観編

2009-06-27 | 鉄道[東北]

先日「MAKIKYUのページ」で取り上げた上野~青森間を走る寝台特急「あけぼの」号ですが、今日はその続編として寝台客車の外観に関して取り上げたいと思います。

現在「あけぼの」号は24系と呼ばれる客車の寝台車8両+電源車の計9両が所定の編成となっており、団体利用時や多客時などには客車の増結が行われる事もある様ですが、MAKIKYUが今月初めに乗車した際は所定の9両編成でした。

ブルートレインで9両という編成は、国鉄時代のブルートレイン最盛期などに比べると随分短い編成で、「あけぼの」号の編成としても、最盛期に比べると減車されています。

それでも10~15両程度の長編成列車が次々と行き交う首都圏であればともかく、普通列車は2~3両が主流、特急でも短い列車は3両編成という奥羽本線の現状を踏まえると、みちのくの地ではこれでも結構立派な編成と感じるものです。

客車は一部が「ゴロンとシート」として指定席特急料金で乗車可能ではあるものの、全て寝台車のみ構成されており、食堂車やロビーカーなどの連結はないのですが、バラエティ豊かな構成となっています。

その中でも一般的な開放式B寝台車は、所定の8両編成では1・8号車の「ゴロンとシート」(1号車は女性専用車)と、2~4号車の合計5両が連結され、編成の過半数を占めています。

開放室B寝台車は最も上野寄りに連結され、女性専用車となっている1号車だけ白帯を巻いた装いとなっており、MAKIKYUが「あけぼの」号に乗車した際は、他の車両が全て金帯を巻いた装いでしたので、編成端でこの車両だけが異彩を放っています。


これはたまたま1両だけ異なる装いの車両が連結されただけなのか、それとも女性専用車である事を明確にする為に、敢えてこの様な編成にしているのかは気になる所です。
(余談ながら「ゴロンとシート」充当車両は、車両仕様こそ一般的なB寝台車と同等ですが、「ゴロンとシート」のステッカーが貼られており、充当車両は一応限定されている様です)

他のB寝台開放室各車は装いこそ金帯で統一され、この塗装は国鉄末期にグレードアップした寝台列車の証として用いられた程ですので、1号車に比べると見た目はやや優雅な雰囲気を感じますが、2・4号車と3・8号車で窓の大きさや扉形状が異なっており、しかも4・8号車は車掌室付きで2・3号車とは外見も異なりますので、5両の開放室B寝台車は全て見た目が異なる有様です。

   
その上B寝台として運用される2~4号車では、その中間に組み込まれる3号車が大きく形態の異なる車両であるだけに、尚更雑多な印象を受けたもので、2号車と3号車の連結位置を逆にすれば、多少は整った印象になるのでは…と感じたものです。

そして装いの異なる1号車と共に目立つ存在といえるのが、上段・下段の2段構造で個室を配したB寝台1人用個室「ソロ」です。


先日MAKIKYUが「あけぼの」号に乗車した際は、この車両を利用したのですが、一般の開放室B寝台車からの改造車ながらも、車両構造故に窓配置は原型とは大きく異なり、独特の雰囲気を放っていますが、5・6号車の2両共見た目は同形態で、「あけぼの」号で同形態の車両が2両続いて連結されているのはこの5・6号車のみです。


7号車は「あけぼの」号では唯一のA寝台となる車両で、このA寝台車は1人用個室ながらも、補助ベッドを使用する事で2人使用も可能な「シングルDX」と呼ばれるものです。

小窓がズラリと並んだ姿も、「あけぼの」号の雑多な編成の中では、1両だけのA寝台車である事を知らない人間が見れば、インパクトは意外と薄いのでは…と感じたものです。

また「あけぼの」号は8両の寝台客車以外にも、青森寄りに電源車が1両連結されているのも大きな特徴です。


電源車は隣国の韓国をはじめ、客車列車が一般的な海外の鉄道ではよく見かける車両ですが、日本では客車列車自体が希少な存在になっている上に、客車自体に発電装置を搭載した車両も存在する事から、電源車を見かける機会自体が非常に少なくなっています。

発電装置を客車とは別とする事で、客車の居住性を確保している24系客車ならではの車両で、荷物室を併設しているのも特徴ですが、この車両もMAKIKYUが乗車した「あけぼの」号に連結された前面貫通路付きの車両以外に、前面非貫通となっている車両も存在しています。

ちなみに寝台客車でも14系は一部の客車床下に発電装置を搭載しており、そのお陰で電源車を別途連結する必要がありませんので、途中駅での分割併合も容易で、機関車以外は全て乗客を乗せる事が可能な事もあって、編成長が限られる路線・区間で輸送力を確保出来る利点もあります。
(「あけぼの」号の場合は寝台客車8両に対し、機関車と電源車という乗客が利用できない車両が計2両、比率にして5分の1にもなります)

ただディーゼル発電機が発する騒音と振動に夜通し…という事を考えると、運用上はともかく、乗客の立場から見て寝台列車としてどちらの方が良いかは言うまでもない事です。
(世の中には14系客車の発電装置を搭載した車両を、敢えて指名買いする方も居られる様ですが…)

この寝台特急「あけぼの」号は寝台列車にしては比較的地味な存在であるが故に、今まで寝台列車の中では余り注目されていなかった列車という印象がありますが、寝台列車の廃止が相次ぎ、貴重な現存する寝台列車の一つとなった今日では、大きく脚光を浴びる存在になりつつあります。

編成構成もB寝台主体の実用性が強いものですので、観光的要素は薄いものの、編成は寝台客車の見本市とでも言うべき様相を呈しています。

B寝台1人用個室「ソロ」の5・6号車を除くと、全て隣り合う車両が別形態という見るからに雑多な編成は、非常にインパクトがあって面白く、「あけぼの」号の大きな特徴と言えます。
(客車の組み合わせによっては、B寝台車で同形態の車両が2両以上連なる可能性もありますが…)

寝台特急としては比較的短めの編成という事と合わせ、鉄道模型で実際の編成を再現して走らせる対象としても絶好なのでは…と感じてしまう程です。

「あけぼの」号に関しては、車内の様子なども続編として取り上げたいと思います。


寝台特急「あけぼの」号(1)~機関車編

2009-06-23 | 鉄道[東北]

  

今月初めにMAKIKYUが青森・函館方面へ出向いた際には、JR東日本が通年で発売している「青森・函館フリーきっぷ」を利用したのですが、この乗車券では基本的に首都圏~フリーエリア間の往復は東北新幹線経由(IGRいわて銀河鉄道&青い森鉄道利用の際は、同区間分の運賃が別途必要)となっています。

しかし上野~青森間を運行する寝台特急「あけぼの」号に乗車する事も可能で、この場合に限りフリーエリアまでの途中下車は不可能(=弘前までは下車前途無効)ながらも、羽越本線~奥羽本線経由での利用も認められている事から、「往復で同じ列車に乗るよりは…&同じ経路を通るよりは…」という事もあり、往路で「あけぼの」号に乗車する機会がありましたので、少々取り上げたいと思います。

「あけぼの」号は国鉄時代から続く寝台客車を連ねた「ブルートレイン」で、九州方面などへ向かう寝台列車が絶滅した今日では、指の数程しか残っていない希少な「ブルートレイン」の一つになっています。

それに加えて今日の日本では、定期旅客列車での客車列車が次々と電車や気動車に置き換えられ、JR線上では旅客6社全てで昼行定期列車から客車列車が消滅するなど、機関車が客車を牽引する姿自体も見る機会が非常に少なくなっていますので、この点でも非常に希少な存在といえます。

また「あけぼの」号の場合は、上野~青森間の列車運転区間で直流電化区間と交流電化区間の双方を走る事になるのですが、交直両用のEF81形電気機関車などを用いれば機関車交代なしで全区間走破も可能で、現に比較的最近までEF81形が全区間通して「あけぼの」号の牽引を務めていました。

しかし今年春のダイヤ改正からは上野~長岡間では直流電気機関車のEF64形が牽引を務める形態に変更され、長岡駅で機関車が交代する事になりましたので、1列車で2つの機関車が牽引を務める姿を見る事が可能になっています。

その上首都圏の上野駅を発着する列車だけあり、多くの人々の目を引く事もあってか、ブルートレインはおろか、客車列車自体が日本では希少になりつつある現状では、かなりの注目を集める存在となっており、MAKIKYUが「あけぼの」号に乗車する際は、乗客以外にもその姿を一目見てカメラに収めようとする人の姿が絶えず、利用の低調振りが騒がれ、列車廃止が続くブルートレインも、人気は絶大である事を改めて感じさせられたものです。

ただ「あけぼの」号は下りの出発時刻が上野駅21時台となっており、列車が発車する上野駅地上ホームも薄暗いなど、EF64形の姿を捉えるにはやや不適なコンディションになっている事や、深夜に行われる機関車交換は、長岡駅が運転停車となっており、乗客がホームに降りてその姿を目撃する事が出来ない点などは、少々惜しいものです。

また「あけぼの」号は新幹線~特急乗り継ぎ(八戸乗換え)では、首都圏から片道4時間程度で到達可能な上野~青森間を、12時間以上の時間を要して運行する上に、下り列車の青森到着時刻は朝一番の新幹線から乗り継いだ場合とほぼ同等です。

それどころか上り列車に至っては、「あけぼの」号発車時刻より後に青森駅を出発する八戸行き特急~新幹線乗り継ぎでも、青森~首都圏間をその日の内に移動出来る程で、「あけぼの」号は首都圏~青森間を直通する交通手段としての必然性は乏しく、専ら首都圏~奥羽本線沿線間の交通手段としての役割がメインとなっていますので、青森までの運行は、奥羽本線内での昼行列車としての役割を兼ねている事や、車両運用上の都合が大きいといえます。

この様な有様ですので、全区間乗り通す乗客は物好き程度…というのが現状ですが、「あけぼの」号を青森駅まで乗り通した場合、青森駅到着後の客車取り込みでは、列車を牽引しているEF81形は切り離された後に単機回送となり、代わりにディーゼル機関車のDE10形が基地への客車取り込みの任務に当たります。

そのため青森駅到着後は営業中ではないものの、上野出発時点から数えて3機目の機関車が客車を牽引する姿も見られ、途中駅で下車した乗客は見る事が出来ない姿を見る事もでき、全区間乗り通した乗客への特典?とも感じさせる光景を見る事が出来ます。
(この姿は下り列車の青森駅到着時だけでなく、上り列車の青森駅入線時にも見る事が出来る様ですが、こちらは時期によっては暗くなってからの入線になってしまいます)

この姿はEF64形やEF81形が客車の先頭に立つ姿とは異なり、「あけぼの」号のヘッドマークこそありませんが、今日では主に入れ替え用途で用いられる機関車とはいえ、DE10形自体が過去に様々な旅客列車牽引にも用いられ、今日でも臨時列車などで登場する機会が多く見られます。

それどころか「あけぼの」号自体も、ミニ新幹線工事に伴う迂回運転時に一部区間でDE10形が牽引を務めた事もあるだけに、この姿も結構様になっているのでは…と感じたものです。

「あけぼの」号に関しては近日中に続編として、客車の外観や車内の様子などに関しても取り上げたいと思います。


JR東日本 キハ40形気動車(津軽線)~内装はかなり綺麗なものの…

2009-06-17 | 鉄道[東北]

  

先日MAKIKYUはJR旅客各社の定期営業路線の中で、最後まで未乗車で残存していた津軽線中小国~三厩間に乗車し、JR完全乗車(これは人によって若干定義が異なりますので、厳格な捉え方をしている方からは「まだまだ」という声もあるかと思います)を達成したのですが、その際に蟹田(中小国の一駅南:三厩発着列車の大半はこの駅を始終着とします)~三厩間で乗車したキハ40系列の気動車に関して取り上げたいと思います。

津軽線は中小国以南こそ電化され、蟹田以南を走る普通列車は大半が電車での運行となっていますが、中小国~三厩間は定期旅客列車が5往復のみ、貨物列車の設定も無いJR東日本屈指の閑散線区だけあり、当然ながら非電化区間となっています。

そのため電車での運行は不可能で、必然的に気動車の出番となるのですが、現在津軽線で運用される気動車は、国鉄末期に製造されたキハ40系列のみとなっており、同系列は青森県内では八戸線や五能線といった他の非電化線区でも用いられています。

それどころか基本的に新系列のキハ100形で運用される大湊線でも、キハ100形の配置両数が少ない事から、代走などで一部列車に充当される事が常態化していますので、青森県内ではJR非電化線区の全てで活躍ぶりが見られ、青森では最もありふれた存在の気動車とも言えます。

その中でも五能線を走る車両は配置区所が異なり、塗装も五能線専用の装い(秋田県内を走る男鹿線と同じ塗り分け、運用の関係でこちらが五能線に充当される事や、逆に男鹿線に五能線塗装の車両が充当される事も時折あります)となっています。

それ以外のキハ40系列は八戸に配置された車両で、津軽線で運用される車両もこちらに該当しますが、白に赤帯の装いは近年まで盛岡地区で活躍していた旧型気動車でも見られたものの、今日では八戸に配置されたキハ40系列のみとなっています。

この車両は配置区所と津軽線末端区間が離れている事もあって、東北本線八戸~青森間や、津軽線青森~蟹田間でも車両送り込みの関係で一部普通列車に充当されています。

東北本線を走る列車に関しては昨年MAKIKYUも乗車機会があり、「MAKIKYUのページ」でも取り上げた事がありますが、車内は化粧板や座席モケットが交換されており、その内装は青森県内ではありふれた存在のステンレス製・ワンマン運転対応のVVVFインバーター制御を採用した通勤型電車を凌ぐ程ですので、旧型ながらも随分綺麗な印象を受けるものです。

ただその一方で未だにワンマン化改造や冷房改造、エンジン換装などは行われず、寒地向け仕様の特徴であるデッキと客室との仕切りも残存(ワンマン化改造に伴って撤廃された車両が多く、北海道以外でデッキ付きのキハ40系列は余り多くありません)しているなど、旧態依然とした姿で活躍しているのも特徴で、同じ青森県内を走るキハ40系列でも、ワンマン化改造を行い、冷房装置取り付けやエンジン換装を行った車両を良く見かける五能線の運用車両とは対照的です。

ちなみに八戸に配置されたキハ40系列は、両運転台のキハ40形と片運転台のキハ48形の2種類が存在していますが、2両編成で運転する列車では、片運転台のキハ48形同士では編成を構成せず、2両の一方に敢えて両運転台のキハ40形を連結した編成で活躍している姿ばかりを見かけるものです。

MAKIKYUが津軽線末端区間に乗車した際も、蟹田から乗車した三厩行の列車はキハ48形+キハ40形の編成で、この傾向はJR東日本の一部他エリアにも見られるのですが、この編成では2両で2箇所のトイレは過剰と判断してか、一方のトイレを封鎖(MAKIKYUが乗車したキハ48+40形の編成では、キハ48形のトイレが封鎖となっていました)しており、残りの1両はトイレ利用が可能な車両を充当する必要がある上に、これに加えて無人駅での集札を容易にする事もあるかと思います。

また八戸に配置されているキハ40系列は、キハ40形の方がやや多い事もあって、キハ40形同士の2両編成で運用される事もあり、MAKIKYUが津軽線末端区間に乗車した際も、三厩を夕方に出発する上り最終列車ではこの編成でした。

単行運転可能なキハ40形も、津軽線では営業運転でその特性を活用する事は無く、専ら2両以上の編成で走っているのですが、津軽線末端部の閑散振りを考えると、僅か5往復しかない普通列車でも2両編成は輸送力過剰に感じたものです。

津軽線末端部では少なくとも一方はキハ40形が連結される事が殆どと言う事を考えると、キハ40形1両での運転でも充分なのでは?と感じてしまった程です。

津軽線末端部は超閑散区間にも関わらず、他路線に比べてワンマン運転実施などの合理化が進んでおらず、未だに非冷房車ばかりが活躍するなど、国鉄末期のローカル線さながらの状況なのは気になったものです。

この様な状況にある路線は数多くあるJRローカル線でもごく僅か(何故かJR東日本に集中しているのですが…)なだけに、この状況が今後も暫く続くのか、それとも近い将来に大きな動きが生ずるのかも気になる所です。

写真は津軽線末端部の普通列車に充当されたキハ40形+キハ48形の編成とキハ40形同士の2両編成、随分綺麗な印象を受ける車内の様子です。


JR東日本・三厩駅~最果ての雰囲気が漂う駅は利用実態の割に…

2009-06-10 | 鉄道[東北]

数日前MAKIKYUはJR旅客各社の定期営業列車運行路線で、最後まで未乗のまま残っていた区間への乗車に出向き、MAKIKYUは晴れて念願のJR全線完乗(人によって多少定義が異なり、完乗とみなさない方も居られるかもしれませんが…)を達成したのですが、最後まで未乗のまま残っていた区間が津軽線中小国~三厩間(これも厳密に言えば中小国駅より三厩方にある新中小国信号所以北ですが…)でした。

この最後まで未乗のまま残存した区間への乗車は、当然ながら中小国方からとなった事もあり、津軽線終端の三厩(Mimmaya)駅到達で晴れてJR全線完乗となったのですが、今日はこの記念&先日出題したクイズ記事の回答公開も兼ねて、三厩駅に関して取り上げたいと思います。

  
三厩駅舎/駅名標/入線時の様子(到着前の車中から)

三厩駅は津軽線蟹田~三厩間開業と共に開設され、以来今日まで津軽線の終端駅として営業を続けていますが、同区間の開業は戦後になってからで、同駅の歴史も50周年を達成してまもないという状況ですので、旧国鉄→JRの駅の中では、比較的歴史が浅いと言えます。

所在地は現在でこそ平成の市町村合併で青森県東津軽郡外ヶ浜町となっていますが、近年蟹田町などとの越境合併(旧蟹田町~旧三厩村の間に位置する今別町は合併を行っておらず、旧三厩村域は飛び地となっています)を行って外ヶ浜町となる前は三厩村でした。

三厩駅は青函トンネルとその両端部で路線を構成する海峡線を除くと、津軽半島では最も北に位置する鉄道駅で、閑散とした雰囲気もあって本州の最果てという印象を受けます。
(ただ現在の本州最北駅は、青函トンネル内にある海底駅を除くと、陸奥湾を挟んで反対側に位置する下北半島を走る大湊線の下北駅ですが、こちらはむつ市の中心部から少々外れた所に位置しており、三厩駅の様な果てという印象は余りありません)


三厩駅の発車時刻表

その三厩駅を発着する定期列車は、1日僅か5往復の普通列車のみとなっており、本数の少なさや立地故に訪問し難い事もあって、JR各線の中でも最後まで未乗で残存した程ですが、この程度の運行本数という事もあって、新中小国信号所~三厩間は当然ながら1列車しか入線しないダイヤとなっています。

このダイヤ構成であれば、単純に考えれば終端の三厩駅も棒線配置(ホーム1面・線路も1線のみ:盲腸線の典型)を思い浮かべてしまいますが、三厩駅は通常駅舎から離れた側のホームのみ用いているものの、島式ホーム1面の両側に軌道が敷設されています。

  
三厩駅構内の様子①・②/待機している除雪用車両

このため三厩駅手前に設置されたポイントはスプリング式で、三厩駅入線時の進入番線は固定されてしまうものの、構造上は2本の列車が停車可能になっており、このホームの先には車両格納庫をはじめ、除雪用車両(側面に描かれたイラストも立派です)が待機している姿も見られます。
(ただ駅舎側の軌道は列車が殆ど入線しない事もあり、線路の表面には錆が見られたものですが…)

しかも5往復しかない普通列車の中でも、三厩着最終~三厩発始発列車は三厩駅で滞泊する事(地元のニーズを考えると妥当な話ですが、津軽線末端区間の乗車を狙う外来者にとっては、ただでさえ運転本数が少ない所に、有効本数が更に減少しますので痛手かも…)もあって、駅構内には乗務員宿泊用の建物も設けられています。

津軽線末端区間は運行本数から察しがつくと思いますが、乗客数は非常に少ない閑散区間で、全駅駅員無配置でもおかしくない状況ですが、運行上の都合もあって三厩駅には駅係員が配置されているのも特徴(さすがに三厩以外の各駅は駅員無配置ですが…)です。

その上津軽線末端部を運行する列車もワンマン運転に対応していない事から車掌が乗務し、その編成も基本的に2両編成(利用実態を考えれば単行でも充分過ぎる程です)であるなど、列車のワンマン運転化や駅無人化など、合理化が進んでいる各地の現代JRローカル線の現状を踏まえると、旅客数や運転本数などの利用実態の割には随分立派なもので、今日のローカル線にしては設備過剰と感じてしまう程です。

挙句の果てに津軽線で通常運行される車両も国鉄末期に製造されたキハ40系列なのですが、未だに冷房改造が施されずに非冷房のままという有様ですので、国鉄ローカル線の典型的光景が今日に残る稀有な事例と言っても過言ではないと言えます。

ちなみにMAKIKYUの三厩駅訪問時には、白に赤帯のJR発足後の装いとなった車両が充当されていたものの、近年リバイバル塗装として再登場したタラコ色の車両が入っていたら…と感じたものでした。

津軽線末端部(中小国~三厩間)は、外来者にとっては訪問し難い路線でもありますが、本州の最果てを強く感じさせる三厩駅や、その道中のローカルムード溢れる雰囲気は一度は乗りに行く価値有りと感じたものです。

ただ三厩を訪れる機会があるなら、時間が許すのであればそのまま来た列車で折り返すのでは無く、出来ればバスに乗り換えて更に北を目指し、津軽半島北端の竜飛岬も訪問したいもので、こんな事を記しているMAKIKYUも当然竜飛まで足を伸ばしたものでしたが、こちらに関しても近日中に取り上げたいと思います。


米坂線・今泉駅ですれ違った「べにばな」号~この姿を見ると急行時代を連想しますが…

2008-09-28 | 鉄道[東北]

先日「MAKIKYUのページ」では、米坂線・米沢駅に停車中の気動車群に関して取り上げましたが、MAKIKYUが今月初頭に米沢駅から乗車した列車(米沢駅を10時台に出発する坂町行です)は、坂町まで約90kmをおよそ2時間かけて運行するにも関わらず、途中での列車行き違いは僅か2回という有様でした。

しかもその内の1回は、新形式キハE120形の試運転列車でしたので、途中駅での反対方向の旅客列車との交換は僅か1回のみ、この話を聞くだけでも米坂線の相当な閑散ぶり(それにも関わらず現段階でワンマン運転が全く行われていないのは凄い話ですが、JR東日本では超閑散線区でワンマン運転を行っていない路線が幾つもあり、他社との大きな違いと言えます)が伺えるかと思いますが、その1回だけの交換列車は今泉駅で行き違いとなる快速「べにばな」号でした。

「べにばな」号はかつて山形~新潟間を、奥羽本線~米坂線~羽越本線~白新線経由で結んでいた急行列車で、その後山形新幹線開業に伴う改軌工事(軌道幅1067mm→1435mm)によって、在来線車両(軌道幅1067mm)が奥羽本線福島~山形間(その後標準軌区間は更に新庄まで延伸)を走行不可能になる事もあって、米沢~新潟間に運行区間が短縮、種別も快速に格下げとなった列車です。

「べにばな」号は現在米坂線から直接羽越本線に乗り入れ、新潟まで直通する唯一の定期列車(他の普通列車は米坂線内のみ運行)となっていますので、一応米坂線の花形的存在とも言えますが、快速を名乗りながらも米坂線内は「各駅停車」となっており、かつての急行時代などに比べると、随分寂れた感があります。

ただMAKIKYUが先日米坂線に乗車した際に見かけた快速「べにばな」号は、運行形態こそ完全なローカル列車になっているものの、2両の編成は旧型のキハ58+キハ28形急行気動車コンビで、それも以前はありふれた存在であったものの、最近は見る機会も激減した国鉄急行色リバイバル塗装車同士でしたので、よく新潟でも数少ない国鉄急行色キハ58系列のみで構成された編成が走っているモノと感心したと共に、種別表示の文字を見なければ、見た目は随分前にMAKIKYUが乗車した急行「べにばな」号なのでは…と錯覚しそうな感じでした。

また先日の記事で取り上げた米沢駅では、ただでさえ様々な形態・塗装の車両が見られる状況でしたので、この編成が米沢駅に到着した際には、相当な状況になる事は察しがつくかと思いますが、これに加えて新形式気動車の試運転列車(これもMAKIKYUが目撃した際は新鋭キハE120形気動車単独ではなく、敢えて形態の大きく異なるキハ110形気動車と併結したアンバランスな編成で試運転を行っていましたので…)までもが揃ったとすれば、どれだけ凄まじいものかと連想してしまったものです。


米坂線・米沢駅の国鉄型気動車群~気動車の見本市を連想する状況でしたが…

2008-09-25 | 鉄道[東北]

   

今年夏の青春18きっぷ有効期限が迫っていた今月上旬に、MAKIKYUが18きっぷを使って仙台方面へ出向いた帰りには、随分久々に米坂線を経由するルートを用いた(以前乗車した際は、EEきっぷ利用で今はなき急行べにばな号乗車でしたので、事情に詳しい方はどれ位久々の乗車であるか分かるかと思います)のですが、その際に米坂線の始発・米沢駅では、乗車する列車(3両全てが異なる塗装:写真1枚目が乗車列車の先頭)以外にも、数編成の気動車が留置されている姿を見かける事が出来ましたので、少々取り上げたいと思います。

MAKIKYUが訪問した日には、キハ47形・キハ52形・キハ58形の3形式、また塗装も新旧新潟色に加え、首都圏色(通称タラコ:キハ47形のこの塗装は山陰地区で多数が走っていますので、余りリバイバル塗装という印象はありませんが…)や、赤・クリーム2トーンの国鉄リバイバル塗装車が入り混じり、留置両数の割によくここまでバリエーションが揃ったものと関心してしまう程で、まるで気動車の見本市を連想する状況でした。

ただ米坂線では新形式キハE120形が試運転を始めており、MAKIKYUが米坂線に乗車した際にも、キハ110形と併結して走る姿を目撃しており、各駅のホームにも米坂線ではまだ行われていないワンマン運転(路線の状況を考えると、今でも各列車に車掌が乗務している事自体が驚異的ですが…)に対応する為のミラーが設置されているなど、新型車両の運行開始が近づいている事を実感させられたものです。

またこれと共に国鉄型気動車の中でも旧式で、今では随分希少な存在になってきた新潟地区のキハ52形や、キハ58形は代替される事にもなっていますので、これらの車両が活躍する姿を見れる場所はますます減ってしまう事になりますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も関心がありましたら、是非旧型気動車が最後の活躍をしている米坂線を訪問してみては如何でしょうか?


臨時快速・おもいで湯けむり号~見た目は昔懐かしの車両ですが…

2008-09-13 | 鉄道[東北]

 

昨日「MAKIKYUのページ」では阿武隈急行からJR線に乗り入れる「ホリデー宮城おとぎ街道号」に関して取り上げましたが、MAKIKYUがこの列車の終点・仙台駅で下車した時間は18時過ぎ、この日は臨時快速・おもいで湯けむり号が運転されており、丁度この列車も終点の仙台駅に入線する時刻でしたので、この列車には乗車こそしていないものの、その様子も見てきました。

「おもいで湯けむり号」は、かつてはJR非電化線区の大半で姿が見られたものの、今や老朽化で廃車が進み、希少な存在となっている急行形気動車・キハ58系列を用いた臨時快速列車で、運転日限定で仙台~新庄間を1往復だけ走る全席座席指定制列車です。

この列車で用いているキハ58系列は、国鉄時代に修学旅行専用列車が纏っていた朱色と黄色の装いに改められた車両を用いており、修学旅行専用列車が掲げていた「おもいで」ヘッドマークまで付けている有様ですので、外見だけなら2両と編成は短いものの、「昔懐かしの修学旅行列車」をリバイバルしたかの様に感じられます。

仙台駅では運転日限定で1往復のみにも関わらず、ホームにもきちんとイラスト入りの乗車位置目標が出ていたのは驚いたもので、現在行われている宮城県観光キャンペーンの一環として、JRも随分力を入れていると感じたものです。

この装いとなったキハ58系列は、JR化後に急行月山・よねしろ号用として、特急並みの回転式リクライニングシートに改められた車両で、月山号・よねしろ号が廃止になった後は快速列車の指定席などに用いられていた車両ですので、MAKIKYUもこの車両には何度か乗車した事(中には知名度の低い臨時快速・千秋号での乗車もありましたが…)があり、普通・快速列車ではかなり乗り得に感じた反面、修学旅行専用列車をイメージさせる列車での抜擢には不似合いな感もあり、乗るよりも見て楽しむ列車と考えた方が良さそうな感を受けたものです。

ただ全席指定制で指定席料金を要する事を考慮すると、設備も「昔懐かし…」のレベルでは非常に限られた日数のレールファン向け列車であればともかくとして、鳴子などの陸羽東線沿線を訪れる一般旅行者には、現代のサービス水準には遠く及ばず、それどころか今や比較的新しい気動車(キハ110系列)で運転される同線のワンマン列車と比べても、明らかに見劣りしますので、レトロなイメージを持ちつつも、別途料金を徴収する列車に見合う車両を用いる必要性がある事を考えると、この車両の抜擢はまさに適材適所なのかもしれません。

またこの列車が終点の仙台駅に入線した際は、降車扱いを終えた後も暫く停車しており、その時には隣のホームに原ノ町行きの普通列車が停車していましたが、原ノ町行きは見るからに現代の車両という雰囲気を漂わせる低床の新型ステンレス車・E721系でしたので、30年以上前を連想させられるレトロな雰囲気(MAKIKYUがまだ生まれていない頃の話ですので、MAKIKYUは写真でしか知らない世界ですが…)が漂う列車と並ぶ姿は対照的で、この様はリバイバル列車ならではと感じたものです。


阿武隈急行・ホリデー宮城おとぎ街道号~JR直通列車は土休日になるとヘッドマークも…

2008-09-12 | 鉄道[東北]

先日取り上げた阿武隈急行の8100系電車は、阿武急線内を走る列車では主に2両編成で運転され、宮城県方や昼間の福島発着列車などでは、現在ワンマン運転を実施している列車も多数存在する状況です。

ただ現在唯一の他線直通列車となっており、朝夕にそれぞれ一往復が運転される梁川~仙台間のJR直通列車は、阿武急8100系を使用していながらも、2編成併結の4両編成で運転され、これも東北本線仙台近郊では標準的な部類に入りますが、阿武急線内でこの列車に遭遇すると、随分長い編成と感じたものです。

このJR直通列車は毎日2往復の運転ながらも、平日と土休日で朝に運転される列車の時刻が異なっている他、土休日に運転される列車の1往復(朝仙台発と夕仙台着)は「ホリデー宮城おとぎ街道号」という名称付きの列車で運転されている事も特徴です。

MAKIKYUが阿武急に乗車した際は日曜日で、たまたま夕方に仙台着となる列車の時間だった事もあり、阿武急線内~仙台まで「ホリデー宮城おとぎ街道号」に乗車したのですが、車両自体は阿武急線内ではありふれた存在の8100系とはいえ、比較的大型の四角い特製ヘッドマークが取りつけられている事は、レアな存在と言える阿武急直通列車の存在を大きくPRするのに一役買っています。

しかも阿武急では珍しくない車両とはいえ、仙台では一日2往復しか運転されない珍車的存在で、比較的最近までJRでも割合類似した車両とも言える417系や717系が運用されていたものの、これらも近年運用離脱してステンレス製車両ばかりになっていますので、417系などが走っていた頃は、素人目には「JR車両の色違い」に近い感を受けてもおかしくなかった8100系も、今では非常に目立つ存在になっています。

またMAKIKYUがこの列車の乗車している際に、長町辺りでたまたま乗り込んできた乗客が「随分古い電車」と驚いていたのも印象的で、国鉄の面影を漂わせる車内の雰囲気や走りっぷりも影響しているのかもしれませんが、年代的には「ボロ」と言う程の車両ではありません。
(JR某社の交流電化エリアなどでは、この車両と同程度でもローカル用では新しい部類に入る程、老朽車がゴロゴロしている状況ですが…)

一般客がこの様に錯覚する様を見ると、JR東日本が近年猛烈な勢いで車両取替えを進めた事を、改めて印象付けられたものですが、ステンレス製電車ばかりが走る東北本線の仙台近郊で、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も阿武急直通列車の時刻に当たる事がありましたら、異色の存在とも言えるこの列車、それも可能であれば特製ヘッドマーク付きの「ホリデー宮城おとぎ街道号」に乗車してみては如何でしょうか?


阿武隈急行 8100系電車~私鉄では異色の交流電車は車内にも特徴が…

2008-09-11 | 鉄道[東北]

  

先日「MAKIKYUのページ」ではJR東日本から阿武隈急行に譲渡された417系交直両用電車(阿武急での形式はA417系)に関して取り上げましたが、阿武急では全線開業・電化から今日に至るまで8100系と呼ばれる電車が活躍しており、今日はこの車両に関して少々取り上げたいと思います。

この車両は製造から約20年が経つものの、A417系を除く阿武急の現役旅客用車両は全てこの形式で揃えられ、2両編成9本が活躍しています。

阿武急ではかつてJRとの相互乗り入れも行っており、今はJR東日本から引退した455系によるJR~阿武急直通列車の運行や、阿武隈急行車両による郡山乗り入れも存在し、後者はMAKIKYUも一度乗車した事がありますが、現在JR~阿武急直通の定期列車は、阿武隈急行車両による槻木~仙台間JR乗り入れ列車の設定があるのみです。

その上阿武急線内の列車は全て阿武急車両による運行となっていますので、現在阿武急に乗車すれば必然的に8100系に当たる状況となっており、今後A417系が稼動するとは言っても、当面主力として活躍する事が見込まれる状況です。

この様な車両ですので、阿武急では特に珍しくない車両と言えますが、日本の私鉄は大半が直流電化と言う状況ですので、私鉄で交流専用の電車と言うのは、全国的に見ても極めて異色の存在と言えますが、この手の車両は旧国鉄~JRでは数形式が存在しています。

これらをベースにしている車両という事もあって、乗車した際の印象もほぼ同年代のJR車両と比較的類似した印象を受けますが、台車はボルスタレス式の空気バネ台車となっており、阿武急自体も比較的新しい路線で軌道状況が良好な事もあって、居住性は比較的良いと感じたものです。

また当初からワンマン運転を考慮した設計とした為に、運転台仕切りは比較的簡素な設計となっており、片側2箇所のドアは片開きと両開きの双方が混在している事や、2両の車両間に貫通扉を設けず、旧営団地下鉄の一部車両や遠州鉄道の如く、隣の車両が見渡せる造りとなっている点などは、同年代の交流専用、或いは交直両用のJR近郊型車両には見られない特徴となっており、車内に設けられている半自動ドアスイッチが、片開きドア部分に設けられているものと、両開きドア部分に設けられているものでは、設置時期が異なる関係で別物になっている点はユニークです。

あとつり革がおむすび形のモノとなっている点や、ボックス席の手すりが丸みを帯びたモノとなっている点など、年代の割に古風な印象を受ける部分もある反面、現在では自動放送装置(JR線乗り入れ時には使用されませんが、阿武急線内ではワンマン列車でなくても使用されます)やドアチャイム(JR東海などでお馴染みのタイプです)が設置されており、運賃表示装置にLCDモニター(これはワンマン運転時のみ使用で、車掌乗務時の案内装置としては活用されていないのは少々残念ですが…)が用いられているなど、年代の割に近代的な印象を受ける部分も見受けられます。

この様に新旧が混在する辺りは不思議な印象を受け、地味な印象を受ける車両ながらも車内を見回すと意外と特徴的で面白い車両と感じたものですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も青春18きっぷなどを用いて福島~仙台方面を移動する機会がありましたら、ちょっと寄り道して阿武隈急行を利用され、8100系に乗車してみては如何でしょうか?


阿武隈急行 A417系電車~阿武急全線開業20周年の年に導入の新形式

2008-09-09 | 鉄道[東北]

 

今年夏の青春18きっぷ有効期間は10日まで、それにも関わらず今月に入った段階でまだ3回分(うち1回分は2日に使用)を残していたMAKIKYUですが、一昨日・昨日の2日間で有効期間が迫った2回分の18きっぷを使用して東北方面へ出向いていました。

一昨日は横浜市内から仙台まで普通・快速列車乗り継ぎで移動し、その途中福島で途中下車したのですが、一昨日は第1日曜日という事で福島・宮城両県に跨って走る第3セクター鉄道・阿武隈急行が全線フリー乗車券(第1日曜日以外に、元旦と鉄道の日にも設定)を600円で発売していました。

福島~槻木間全線を片道乗り通すだけでも940円を要する路線ですので、この価格設定は非常に割安と言え、利用機会の少ない阿武急に乗車(MAKIKYUの阿武急乗車は2回目です)するにも絶好の機会でした。

そのため一昨日は久々に阿武急に乗車したのですが、乗車中に途中の梁川で車庫の前を通った際には、新形式A417系の姿も目撃し、フリー乗車券では一日の間であれば途中下車も自由自在という事で、乗車していた列車を梁川で下車し、予定を変更して一本後の列車で宮城県入りする事にして、車庫に停車中の新形式・A417系の姿を視察して来ました。

A417系は阿武隈急行において、20年前の全線開業・国鉄引継区間の電化完成の際に導入された電車・8100系電車以来の車両導入となり、近年では昼間時間帯の福島発着列車など、ワンマン運転の対象列車を増やす一方で、ラッシュ時間帯の混雑に手を焼いていると言われる阿武急の混雑解消にも貢献しそうですが、この車両は形式名からも推測出来る通り新型車両ではなく、JR東日本の仙台地区で昨年まで活躍していた交直両用の近郊型電車・417系電車を譲り受けたものとなっています。

編成は元がJR417系であるだけに、既存車両(8100系)より1両多い3両編成となっており、仙台方から順にAT418+AM417-2+AM417-1の付番となっており、AM(電動車)が奇数・AT(制御車・モーターなし)がAMに1を足した偶数という付番方法は、既存車両と同等の法則性があります。

ただ電動車が2両に跨る事から、AMのみハイフンが振られているのが特徴で、この付番方法は阿武急初となりますが、形式名が元の車両を意識したものとは言っても中途半端な番号となり、その上制御車(AT)にはハイフンが振られていない事などを考えると、1編成のみの異端車両となる公算が高そうです。

また見た限りでは塗装が既存の8100系電車とほぼ同等の装いに改められ、前面の窓周りが黒く塗られている辺りなどは少々奇妙な印象も受けますが、編成が8100系よりも1両長い3両と言う事もあるのか、青と緑のラインが下から上へ上がる位置がドア間ではなく、先頭車端~中間車端に跨る塗り分けとなっており、アイボリーの色合いも若干薄く感じたものです。

近い内に営業開始と言われるA417系は、車両構造や編成両数故にラッシュ時のみの稼動になり、乗車機会が少ない車両となる公算が高そうですが、JR時代から少数派で地味な存在であったこの車両が、阿武急で末永く活躍する事に期待したいと感じたものです。


会津鉄道 AT-600形気動車~他の第3セクター鉄道なら花形的存在になる車両も…

2008-07-11 | 鉄道[東北]

「MAKIKYUのページ」では福島県を走る第3セクター鉄道・会津鉄道の車両に関して、何度か取り上げていますが、今日はAT-600形と呼ばれる車両に関して取り上げたいと思います。

この車両は2005年の会津鉄道気動車列車による野岩鉄道~東武鬼怒川線直通開始に伴い、先日取り上げたAIZUマウントエクスプレスと共に、この直通快速列車に充当する為に製造された車両で、この車両を用いる直通快速列車には、「AIZU尾瀬エクスプレス」という名称が付けられています。

外観が酷似しており、第3セクターの標準仕様車両とも言えるAT-500形(AT-550形を含む)の増備版とも言え、東武線直通用の装備を備えているのが特徴ですが、トイレ付き(AT-650形)/トイレなし(AT-600形)で形式を分けている点なども、AT-500系との共通点となっています。

AT-600形は東武線直通列車では2両編成で用いられる事や、AT-500形の予備車確保を兼ねていて、会津鉄道線内列車(JR会津若松までの直通を含む)での同形との併結も行われる事から、トイレなしのAT-600形は1両のみですが、トイレ付きのAT-650形は2両製造されています。

また東武線直通列車では、会津若松~鬼怒川温泉間を乗り通すと2時間程度を要する事もあって、車内の座席もAT-500形とは異なり、転換式クロスシートを装備していますので、一般的な第3セクター鉄道であれば、豪華な部類に入る花形的存在になります。

ただ会津鉄道では名古屋鉄道からの移籍車両ながらも、元特急用の豪華な設備を誇る花形的存在のキハ8500系・AIZUマウントエクスプレスも東武線直通列車に充当されており、イベント用で不定期運転とはいえ「お座トロ列車」に用いられる3両の個性が強烈過ぎますし、専らローカル輸送に活躍するAT-500形も外観だけなら他鉄道には見られない強烈なラッピングを纏っている事など、凄まじい面々が勢ぞろいしています。

そのため東武線快速列車用車両(6050系)などの塗装をアレンジした感がある装いのこの車両は、乗り入れ先の東武線や野岩線ではともかく、現在の会津鉄道線内においては、見た目だけなら最もおとなしく感じてしまう程で、この事はここ数年で車両構成が様変わりした会津鉄道の凄まじさを感じさせられます。

それでも会津鉄道に乗車する機会があれば、AIZUマウントエクスプレスやお座トロ列車などと共に、是非乗車してみたい車両の一つ(こんな事を言うと極端な話、会津鉄道の車両はどれも乗りたくなる車両という事になりますが…)で、MAKIKYUも本当は5月に会津から帰る際には、会津尾瀬エクスプレスに乗車する予定だったのですが、急遽只見線のSL列車に乗車する事で予定変更となり、後続の列車を利用しましたので、この車両にはまだ乗車できておらず、比較的訪問しやすい東武線内だけでも…と感じますが、東武線まで乗り入れて栃木県内に顔を出すのは、現在夕方だけですので、会津鉄道の気動車による東武線直通列車が、もう少し増発されないものかと感じるものです。


会津鉄道 キハ8500系気動車「AIZUマウントエクスプレス」~元大手私鉄の異色車両

2008-07-09 | 鉄道[東北]

 

「MAKIKYUのページ」では福島県を走る第3セクター鉄道、会津鉄道の車両に関して何度か取り上げていますが、今日は同社の花形とも言えるキハ8500系車両に関して取り上げたいと思います。

この車両は名鉄~JR直通特急(北アルプス号)の廃止に伴って用途不要となった名鉄の特急用気動車・キハ8500系の5両全てを購入したもので、会津鉄道移籍後は「AIZUマウントエクスプレス」の名称で活躍していますが、MAKIKYUが5月に会津へ出向いた際にも、この車両に乗車する機会がありました。

会津鉄道では専ら2両編成で運用される事から、名鉄から譲渡された5両の中でも、中間車1両だけは殆ど出番がなく、現在は残念ながら除籍されて部品確保用などに供されている様で、5月にAIZUマウントエクスプレスに乗車した際も、会津田島駅に留置されている姿を目撃しています。

ただ他の4両(全て先頭車)は形式をはじめ、塗装なども名鉄時代そのままの状況で使用されており、特徴的な形式番号表記の書体なども健在ですので、名鉄時代を知る人には懐かしの存在とも言える状況(MAKIKYUは残念ながら名鉄時代のキハ8500系には乗車していないのですが…)ですが、乗車した際に次駅などを表示する車内LED案内装置が使用されていなかったのは少々気になったものです。
(指定/自由席表示(会津鉄道では自由席のみ)は稼動していましたが、行先・次駅などの表示プログラムが、会津鉄道移籍後に更新されているのかは気になるものです)

運行区間も会津鉄道線内やJR只見線に乗り入れる会津若松までだけでなく、土休日などにJR磐越西線に乗り入れて喜多方まで延長運転されますが、元の車両使用先である名鉄時代だけでなく、第3セクター鉄道に移籍してもなお、JR線乗り入れの用途に供されています。

その上会津鉄道移籍時には列車設定がなかったものの、野岩鉄道線を経て東武鬼怒川線・鬼怒川温泉まで乗り入れる快速列車が設定されてからは、この列車に充当される事で、短い区間ながらも東武鉄道に乗り入れる事になり、偶然ながらかつて北アルプス号で活躍した時の如く、JR~大手私鉄間直通列車として使用されている事も、この車両の運命を象徴しているかの様に感じられます。

車内設備も元特急用だけあって、回転式リクライニングシートが並ぶハイグレードなもので、その上座席部分が段上げされており、カーテンを閉めても車窓を楽しめる様になっているなど、展望性も考慮されているのも特徴です。

また現在会津鉄道では以前取り上げたお座トロ列車で特別料金が必要(この車両を用いた臨時快速列車では不要)なものの、それ以外の列車は全て普通・快速列車扱いとなっていますし、乗り入れ先の野岩鉄道も現在特別料金の必要な定期列車の運行はありませんので、この両線は普通運賃が割高という事情があるにしろ、快速扱い(会津鉄道線内の一部列車は普通列車)で乗車券のみで利用可能となっていますので、非常に乗り得な車両と言えます。

そのため会津を訪問する機会があれば是非乗車したいと感じる車両の一つですが、東武線~野岩線~会津鉄道経由のルートは、フリーパスなどの設定もあってそこそこの値段で会津へ行けるとは言え、首都圏~会津若松間を移動する場合などは、新幹線利用(郡山経由)などに比べて所要時間を大幅に要する事もあって、MAKIKYUが鬼怒川温泉から乗車した際にも、2両編成という短編成ながらも座席の過半数は空いている状況でしたので、さほど利用されていないと感じたのは惜しい限りです。

それと東武線内では現在特急列車(SPECIAきぬ号など)との接続を考慮して、鬼怒川温泉以北の短い区間のみ乗り入れとなっていますが、鬼怒川線内は普通列車系(線内で各駅に停車する特別料金不要の列車:区間快速などを含む)の本数も決して多いとは言えませんので、特急との接続だけでなく日光などを絡めた観光の利便性向上や、日光線快速(区間快速を含む)利用での会津方面アクセスの利便性向上などを考えるのであれば、現在の乗り入れ区間をもう少し延長し、下今市や東武日光(下今市~東武日光間日光線乗り入れ)までの乗り入れも期待したいもので、こうすれば日光・鬼怒川を訪問した旅行客に会津を宣伝する絶好の機会にもなるのでは…と感じたものです。
(さすがに一部で提唱されている栗橋のJR連絡線を介し、現在稼動中の4両総出で山手線内~会津直通の特急列車を走らせる事は、物理的にはさほど障害はなさそうなものの、車両運用やダイヤ設定上の問題を考えると厳しそうですが…)

とはいえ会津エリア内のローカル輸送に従事していただけの、会津鉄道移籍当初から見ると、2005年以降の東武線乗り入れによるキハ8500系の関東地方進出は喜ばしい限りで、ようやくこの車両の本領を発揮し始めたと感じます(それでもまだ持て余している感がありますが…)が、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も会津へ出向かれる機会がありましたら、是非「AIZUマウントエクスプレス」の利用を検討してみては如何でしょうか?

(お断り)この車両・使用列車は現在東北地方(福島県)/関東地方(栃木県)に跨って運行しており、外観写真も鬼怒川温泉駅で撮影したものですが、「MAKIKYUのページ」においては東北地方のカテゴリー扱いとさせて頂きます。


会津鉄道 AT-500形気動車「新1000円札発行記念列車」~後に増備された車両も…

2008-07-05 | 鉄道[東北]

昨日会津鉄道の軽快気動車・AT-500形に関して取り上げましたが、この形式はトイレ付き(AT-550形)・トイレなし(AT-500形)の各1両が「ふるさと列車」として登場した後、その後2両(AT-500/AT-550各1両:同形は合計4両です)が追加で増備されています。

この増備車両は「新1000円札発行記念車」となり、MAKIKYUはこの車両とはすれ違っただけで乗車機会はなかったのですが、こちらもオレンジ色の塗装に派手なペイントが施され、非常に強烈なモノとなっています。

そのため現在ローカル輸送の主力とも言えるAT-500形には、標準塗装といえる塗装は存在しないといっても良く、それ以外の形式も形式毎に装いが異なっています(お座トロ列車のお座敷とトロッコ車両は同系塗装ですが…)ので、発足当時とは異なり、現在の会津鉄道自体が標準塗装が存在していないといって良い状況です。

これは会津鉄道の車両群が、少数派ながらも強烈な個性を放つ車両群ばかりで占められている事の現われとも言えますが、装いだけでなく車両構成自体も、他の第3セクターとは大きく異なっており、会津鉄道の大きな特色とも言えます。

またMAKIKYUがこの「新1000円札発行記念列車」が稼動している姿を見た際は、AT-550形1両だけで走る姿(写真)の他に、AT-600形と呼ばれる車両(AT-500形とほぼ同等の車両ですが、塗装や座席配置が異なり、東武線直通用にも充当されます)との併結して活躍する姿も見られ、各形式共に両数が限られる会津鉄道では、時折異なる塗装の軽快気動車同士の混結も行われる様ですが、出来ることなら「ふるさと列車」・「新1000円札発行記念列車」・「AT-600形」が各1両ずつ連結された列車の姿も、一度見てみたいと感じたものです。
(物理的には可能な話ですが、一部列車はAT-600形の限定運用となっていますし、会津鉄道の普通列車は専ら1~2両編成ですので、実現の可能性は低そうですが…)


会津鉄道 AT-500形気動車「ふるさと列車」~これでも強烈な気動車群が揃う会津鉄道では…

2008-07-04 | 鉄道[東北]

  

少々前の事になりますが、MAKIKYUが5月下旬に会津を訪れた際には、往復東武線~野岩鉄道~会津鉄道経由のルートで移動しており、今日はその際に乗車した車両の一つ、AT-500形と呼ばれる気動車に関して取り上げたいと思います。

この車両は比較的近年(2004年頃)になって、会津鉄道発足時に導入された軽快気動車の代替用に製造された車両で、最近各地の第3セクターで導入が進んでいる新潟トランシス製軽快気動車(NDC)の一員ですので、ほぼ同形態の車両は会津鉄道以外でも、各地のローカル線で姿を見る事が出来ます。
(MAKIKYUが比較的最近乗車したものとしては、「MAKIKYUのページ」でも取り上げた山口県・錦川鉄道のNT-3000形(該当記事はこちら)など)

この車両は、基本的に2両編成での運行時にはトイレなし(AT-500形)とトイレ付き(AT-550形)で編成を構成している模様(MAKIKYUが乗車した時もこの両者で2両編成を構成していました)で、この事は2両編成で2つもトイレを付ける必要性は薄い事や車内空間の確保、製造コスト面などを考えると懸命な判断と言えます。

また会津鉄道に導入された車両は、新型NDCの中でも割合標準仕様に近いですが、MAKIKYUが乗車した車両の外観は、手紙の文字や人物などのラッピングを纏うなど、他には類を見ないとも言える強烈な仕上がりとなっていますが、このラッピングは客窓部分まで及んでいますので、車窓を眺るにはやや難ありで、特に車窓を撮影する場合には厄介な存在と言えます。

車内は強烈な外観とは裏腹に、白系の化粧板に青色モケットの座席(車端部がロングシート・それ以外はボックス席の標準的なセミクロス配列)となっており、これだけであればさほどの特徴はないと言えますが、つり革に郷土の偉人をデザインした飾りを取り付けており、これは他に類を見ない試みとも言えますので、好みは分かれそうですが、比較的シンプルな感のある車内を、インパクトのあるものにしています。

そのため一般的なローカル私鉄であれば、結構インパクトがある車両になりそうなこの車両ですが、「お座トロ列車」や「会津マウントエクスプレス」などの強烈過ぎる個性を放つ車両群が揃っている中では、影の薄い存在とも言えます。

ただ会津鉄道に乗車する機会があるならば、強烈過ぎる個性を放つ車両の数々と共に、縁の下の力持ちとも言えるこの車両にも是非乗車しておきたいものです。


会津鉄道・会津浪漫号(車内編)

2008-06-01 | 鉄道[東北]

先日取り上げた会津鉄道「会津浪漫号」で使用される珍車群は、それぞれが展望車・トロッコ車両・お座敷車両に改造されているだけあって、どれも車内は特徴あるものとなっており、今日は先日の外観編に続き、この珍車群の車内の様子を取り上げたいと思います。
(ちなみにMAKIKYUが乗車した臨時快速列車では、展望車を除く2両は締切扱いでしたが、乗車時にはこれらの車両への貫通路も空いており、乗務員の方に許可を得て後2両の車内を撮影しています)

まずMAKIKYUが乗車した展望車「風覧望」ですが、こちらは会津若松寄り先頭部が展望席に改造されており、通常3両編成で運行される場合、会津若松行きではこの展望席が先頭に立ちますので、会津若松行き列車では展望席は特等席とも言え、MAKIKYUが乗車した臨時快速(会津若松行き)でも、展望席から真っ先に座席が埋まる状況でした。

 
展望席は床が段上げされており、回転式のリクライニングシートが3列配列されていますが、この車両の大きな特徴としては、展望席より前にある運転台がワンマンカーの如く左側半室となっており、この手の車両にしては珍しい構造と言えます。

右側半室にはベンチ(実質1.5人掛け程度の幅です)が設けられており、ここからは展望席以上に前面展望が楽しめる様になっている事も大きな特徴で、ここは座席のグレードこそ他に比べて大幅に落ちますが、「風覧望」に乗車する機会があるならば、是非一度は乗車したいと感じるもので、MAKIKYUも七日町で先客が下車してから会津若松までの1駅間だけながら、ここにも乗車して来ました。

展望席の後側には移設された客ドアが設けられており、その後ろにも回転式リクライニングシートの座席(座席自体は同一ですが、モケットの色が展望席と異なります)が並んでいますが、こちらも窓が大きく拡大され、座席が段上げされている上に、天井構造も改められています。

そのため客室内はキハ40形の原型は全然感じられず、新型の有料特急車に負けない程の状況(この事を考えるとキハ40系列の原型に近い車両を用いた、快速とほぼ同等でありながら急行料金を課しているJRの某有料急行は論外と言えます)で、キハ40形の面影を感じるのは会津田島方の貫通型運転台周辺のみという状況になっています。

中間に連結されたトロッコ車両は、客ドアが会津田島寄り1箇所のみとなっており、その他のドアは撤去されて、客室内はテーブル付きで向い合わせのボックス席がずらりと並ぶ形態になっていますが、キハ30系列の特徴的な外吊り式ドアや、先頭部の形状などはそのままで、客ドアは内側が白く塗装されて目立ち、木目調に改められた化粧板とは対照的です。

 
座席のグレードは見た所では、ちょっとクッションが入った程度のものですので、展望車やお座敷車両に比べて見劣りする感が否めないものの、この手の車両は一般の車両とは逆に「乗り心地の悪さ」を売りにする傾向があり、また他社のトロッコ車両では木製座席を用いている事例などもある事を考えると、グレード的にはこれでも充分過ぎるのかもしれません。

またトロッコ車両として大改造されているだけでなく、トンネル入線時には天井がプラネタリウムの様に変身する仕掛けも備えている様ですので、他社のトロッコ車両で見られる、天井の骨組みが剥き出しとなった車両などとは異なった楽しみがあり、キハ30形自体の乗車機会も限られる状況になっていますので、この車両への乗車も面白いかもしれません。

そして最後尾(会津田島方)には、軽快気動車AT-100形を改造したお座敷車両が連結されており、この車両も客ドアが1箇所に減らされていますので、外観を見るとドア撤去後が残っていますが、客窓が大きな1枚窓になっている事も大きな特徴と言えます。


それにお座敷車両というとJRのジョイフルトレインなどがあるものの、高額なグリーン料金を要する列車として運行される事が多く、会津浪漫号では普通運賃の他に300円の乗車整理券を購入すれば、会津若松~会津田島間を乗り通す事も可能な事を考えると、この車両は随分乗り得な車両の様に感じられ、MAKIKYUがまた3両の珍車群に乗車する機会があるのならば、今度は是非この車両に乗ってみたいと感じたものです。
(ただこの車両に乗車するのであれば、必然的に会津浪漫号に乗車という事になりますが…)

どれも個性的で興味をそそられる会津浪漫号で使用される3両の珍車群、見ているだけでも面白く、乗って楽しむのにも絶好の車両が連なっており、どの車両に乗ろうか迷ってしまう方も居られるかと思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様はこの記事を見て、どの車両に乗車してみたいと思われたでしょうか?
(この記事を見て「この車両に乗ってみたい!」と感じた方は、是非コメントもどうぞ)