みみずく医者の備忘録

名古屋市名東区の内科開業医です。日々の出来事や診察室でのエピソードなどを織り交ぜて綴ります。個人的なメモ代わりです。

健康長寿、経済をけん引

2013-04-20 06:39:56 | 医療一般
健康長寿、経済をけん引 首相が成長戦略表明

安倍晋三首相が19日に表明した成長戦略は、世界トップクラスの健康長寿社会を基盤に再生医療関連など世界に通じる成長産業を生み出し、内外需を開拓する方針を掲げた。
高齢化や人口減を克服するため、女性や若者ら意欲あるすべての人が活躍できる全員参加型の社会をつくり、生産性を高めることを目指している。


再生医療、実用化急ぐ
■首相が「健康」を成長戦略の柱の一つに据えたのは、日本経済のけん引役になりうる潜在力を秘めるとみているためだ。
長寿国の日本が積み上げてきた技術やノウハウを磨けば、国内外の需要を開拓できるとの判断だ。

■日本人が1年間に使う医療費は37兆円を超えるが、抗がん剤など高額な医薬品や医療機器の多くを欧米からの輸入に頼る。
医療分野の貿易赤字は高齢化で年々膨らみ、2011年は2兆円弱に。
首相は「打って出なければ赤字はさらに拡大する」と医療分野の輸出に力を入れる考えを示した。

■山中伸弥京都大学教授が開発したiPS細胞など再生医療分野の「研究」で日本は世界をリードしているが「実用化」は出遅れている。
承認・治験が認められた再生医療製品は米国97、欧州62、韓国45に対して日本は6。
承認済みはジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J―TEC、愛知県蒲郡市)の皮膚と軟骨の2つしかない。

■日本は欧米に比べ医薬品・医療機器の承認に時間がかかり、日本発の画期的な薬が生まれない一因になっている。
J―TECは開発から製造までに10年近くかかった。

■このため今国会への提出を表明した法改正案で医師に細胞培養の外部委託を認めたり、再生医療製品の審査期間を大幅に短縮したりして、早期承認を後押しする。

■さらに米国立衛生研究所(NIH)をモデルとする医療技術開発の司令塔で研究から実用化までをつなぐ体制をつくり、「最新の医療技術の新たな地平を私が先頭に立って切り開く」と強調した。

出典  日経新聞 Web刊 2013.4.20
版権  日経新聞社

 
strong><私的コメント>
安倍首相は今までの首相の中では珍しく自分の言葉で語るっています。
今回の表明も唐突なものではなく、諮問会議や側近のブレーン達を交えて十分に議論されたものと思われます。
しかし残念ながら記事を読む限り、そのプロセスが見えて来ません。
自らを苦しめた潰瘍性大腸炎に効果がある新薬が承認されるまでに25年もかかった、ということも契機のようです。
今回のような政策発表に官僚がどのように機能したのか興味があります。
実際、「許認可」を金科玉条とする官僚が主導とはちょっと思えません。
「官僚と包丁は使いよう」ということでしょうか。


追加
17日に開催された総合科学技術会議(議長・安倍晋三首相)の討議内容が今回の発表につながったようです。
実にスピード感があって小気味よいです。
旧来の自民党政権や(口先だけの)前民主党政権とは一味違います。
首相自身も「政治は結果だ」と言っています。
お手並み拝見といったところです。


コメント
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