みみずく医者の備忘録

名古屋市名東区の内科開業医です。日々の出来事や診察室でのエピソードなどを織り交ぜて綴ります。個人的なメモ代わりです。

腹が出たとき、男の体に何が

2012-11-08 07:58:16 | 医療一般
腹が出たとき、男の体に何が起こっているのか

■お腹をつまんでもたいして脂肪の厚さがないのに、ぽこっと出てしまう――。
なぜだろうか? 男の場合、皮下脂肪よりも、お腹の内側に内臓脂肪がつきやすく、腹筋の内側からお腹をせり出させるからだ。

内臓脂肪が大問題
■ここ数年来の研究で内臓脂肪が増えると、働き盛りの男たちの体調が狂い出すことがわかってきた。
内臓脂肪は、内臓を取り巻く腸間膜という部分で増える脂肪細胞の塊だ。
だが、ただの塊ではなく、代謝をコントロールする一種のホルモンの分泌器官としても働いている。
通常はアディポネクチンという糖分や脂質の代謝をスムーズにする“善玉ホルモン”を出す。

■ところが、太り始めて、内臓脂肪が増えてくると、脂肪細胞の中に脂が満杯になる。
細胞のほとんどを脂が占めるようになるとこのストレスで細胞の働きも変わる。
すると、分泌される物質も一変する。善玉ホルモンの分泌は減り、代わりに血糖値を上げたり、血液をどろどろにしたり、血圧を上げてしまう複数の“悪玉物質”を出すようになるのだ。

■そのため、単にメタボ腹になるだけではすまない。検査してみると、「血圧」「中性脂肪」「血糖」などにも同時に異常が生じるようになるのだ。
肝臓にも脂肪がたまり、GOTやGPTも上がる。何より、この状態だとインスリン抵抗性が上がる

太るのにエネルギー不足に
■インスリン抵抗性とは何か? 
一言でいうなら、食べたものを筋肉や組織に取り込む力が落ちた状態だ。

■その分、血糖値が上がりすぎるので、より一層インスリンが出て、血糖値に波ができて、お腹はすくし、イライラする。
過剰なインスリンは、さらに内臓脂肪を増やすが、その一方で食べたエネルギーは筋肉などには取り込まれにくいという結果に。
お腹が出て体重は増えるのに、筋肉はエネルギー不足で、疲れやすくなる。

■また、脂肪はのどの周囲にもたまる。これが睡眠中に空気の出入りを邪魔して、いびきの原因になり、睡眠を浅くしてしまう。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0503H_V00C11A8000000/

出典 日経ヘルス・フォーメン 2011.8.19

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